Solaris Container Manager 1.1 では、製品の前バージョンから一部の基本用語が変更されました。
表 1–1 Solaris Container Manager 1.1 で変更された用語
N1 Grid Console - Container Manager 1.0 の用語 |
Solaris Container Manager 1.1 の用語 |
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コンテナ定義 |
コンテナ |
コンテナ、有効なコンテナ、またはコンテナインスタンス |
プロジェクト |
Solaris Container Manager 1.1 には、次の新機能があります。機能はオペレーティングシステムによって異なります。
表 1–2 Solaris Container Manager 1.1 の新機能
利点 |
機能 |
Solaris 10 (SPARC および x86) |
Solaris 9 (SPARC および x86) |
Solaris 8 (SPARC) |
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プロセスを独立して仮想 OS 環境で実行 |
ゾーン管理 |
あり | ||
システムパフォーマンスの目標の設定と取得 |
動的リソースプール |
あり | ||
ネットワークの輻輳の回避 |
IPQoS (Internet Protocol Quality of Service) |
あり | ||
より柔軟なプロセス管理 |
コンテナ間でのプロセスの移動 |
あり |
あり | |
タイムシェアスケジューラのサポート |
ほかのスケジューラクラスのサポート |
あり |
あり |
あり |
仮想化ツールの改善 |
グラフの改善 |
あり |
あり |
あり |
メモリーを割り当てるゾーンを認識するコンテナ |
コンテナの改善 |
あり |
あり |
あり |
上位 5 つのリソースオブジェクトの使用状況レポート |
グラフの改善 |
あり |
あり |
あり |
Container Manager を使用すると、非大域ゾーンを作成、削除、変更、停止、および再起動できます。Container Manager では、既存のゾーンの検出、ゾーンの変更の検出、ゾーンの CPU 、メモリー、およびネットワークの使用状況の監視とアーカイブ、およびゾーンの起動/停止アラームの生成も可能です。
ゾーンについては、第 6 章「ゾーンの管理」を参照してください。
動的リソースプールでは、設定されたシステムパフォーマンスの目標を達成できるように各リソースプールのリソース割り当てが動的に調整されます。動的リソースプールによって、システム管理者が決定する必要のある事項が減ります。調整は、システム管理者が指定したシステムパフォーマンスの目標を満たすように自動的に行われます。
動的リソースプールは、Solaris 10 システムで作成、変更、および削除できます。最小と最大の CPU 数、使用状況の目標、局所性の目標、CPU シェアなど、動的リソースプールの制約を設定したら、Container Manager のエージェントによって、リソースが使用可能かどうか、また消費の状況に合わせてプールのサイズが動的に調整されます。
リソースプールの設定は、エージェントとサービスの両方のデータベースに保存されます。
IP Quality-of-Service 機能によって、ネットワークユーザーに一貫したレベルのサービスを提供し、またネットワークトラフィックを管理できます。このサービスを使用すると、ネットワークの統計情報の順位付け、制御、および収集が可能です。
この機能では、Solaris ゾーンのインバウンドトラフィックとアウトバウンドトラフィックが管理されます。ゾーンの入力/出力ネットワーク帯域幅の上限を指定します。制限を超えると、パッケージは破棄されます。IPQoS には、CPU オーバーヘッドが相当量あるので、これはオプションの機能です。
Container Manager によって、作業の使用状況データが監視および収集され、ネットワーク使用状況の履歴グラフが作成されます。
プロセス管理の柔軟性を向上するため、Container Manager 1.1 では、プロセスをコンテナ間で移動できます。Solaris 9 システムでは、プロセスをコンテナ間で移動できます。Solaris 10 システムでは、同じゾーン内のコンテナ間だけでプロセスを移動できます。
Container Manager 1.0 では、公平配分スケジューラ (FSS) だけを使用できました。Container Manager 1.1 では、リソースプールを作成または変更するときに、公平配分またはタイムシェアのいずれかのスケジューラクラスを選択できます。スケジューラクラスによってプロセスの優先順位、つまり次に実行されるプロセスが決まります。
リソースプールのスケジューラクラスを変更したら、そのリソースプールの新しいプロセスが、リソースプールのスケジュールクラスに変更されます。Container Manager では、実行中のプロセスのスケジューラクラスは変更されません。
Container Manager 1.1 には、コンテナに次の拡張機能があります。
Solaris 10 では、コンテナはゾーンを認識します。各ゾーンには 5 つのデフォルトコンテナがあります。
コンテナに特定の容量の共有メモリーを割り当てることができます。