Solaris Container Manager 1.1 インストールと管理

ゾーンの概要

Solaris 10 の機能であるゾーンは、アプリケーションを実行する安全で独立した環境です。ゾーンを使用すると、Solaris のインスタンス内で仮想化されたオペレーティングシステム環境を作成できます。ゾーンを使用すると、1 つまたは複数のプロセスを、システムのほかのプロセスから独立して実行できます。たとえば、1 つのゾーン内で実行されているプロセスは、ユーザー ID などの資格情報に関係なく、同じゾーン内のほかのプロセスだけにシグナルを送信できます。エラーが発生した場合、そのエラーはゾーン内で実行されているプロセスだけに影響します。

ゾーンには、独自の IP アドレス、ファイルシステム、一意の root ユーザー名とパスワードファイル、およびネームサーバーを設定できます。

すべての Solaris 10 システムには大域ゾーンが含まれます。大域ゾーンは、システムのデフォルトのゾーンで、システム全体の管理に使用されます。大域ゾーンは、設定、インストール、またはアンインストールできません。

システムに作成できるゾーン数の上限は 8192 です。1 つのシステムで効率的にホストできるゾーン数は、すべてのゾーンで実行されるアプリケーションソフトウェアに必要な総リソース量によって決まります。

Container Manager では、非大域ゾーンを作成、削除、変更、コピー、停止、および再起動できます。Container Manager では、既存のゾーンを検出したり、ゾーンの変更を検出したり、ゾーンの CPU、メモリー、およびネットワークの使用状況を監視および保管したり、ゾーンの上下のアラームを生成したりできます。


注 –

非大域ゾーンの管理 (作成、変更、コピー、削除、起動、停止) は、ゾーン管理者だけが行うことができます。ゾーン管理者は、Solaris Container Manager ソフトウェアを設定する際に指定します。


ゾーンについては、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の第 16 章「Solaris ゾーンの紹介」を参照してください。