この章では、Solaris Container Manager 1.1 (Container Manager) ソフトウェアの実行時の問題点とバグについて説明します。
Solaris Container Manager 1.1 ソフトウェアでは、次の実行時の問題点が発生する可能性があります。
Solaris Container Manager 1.1 のコマンド行インタフェース (CLI) バージョンは、英語版しかありません。このバージョンは翻訳されていません。英語版であっても、インストール処理や機能は変わりません。
回避策: 英語以外のロケールでインストールを行うには、GUI のインストール (es-guiinst) とセットアップ ( es-guisetup) を使用してください。
新規コンテナウィザードのヘルプの「名前」フィールドの説明では、最大文字数が 64 文字になっています。この文字数は間違っています。「名前」フィールドの最大文字数は、フィールドの説明とエラーメッセージが示すように 32 文字です。
英語以外のロケールを選択した場合、使用状況グラフのイメージのタイトルと見出しが英語で表示されます。これらは各言語に対応していません。
Solaris 8 OS を使用しているシステムでは、Container Manager で拡張アカウンティング機能が使用不可になっています。したがって、Solaris 8 システムでは、コンテナの CSV ファイルの拡張アカウンティングデータ (Exacct) 列は null になります。
エージェントホストの /etc/project データベース内のプロジェクトが、Sun Management Center のデータベース内のプロジェクトとプロジェクト ID が同じでプロジェクト名が異なる場合、プロジェクトは Container Manager で検出されません。Container Manager では、同じサーバーコンテキスト内のすべてのホスト間でプロジェクト ID が一意である必要があります。
projadd コマンドを使用してプロジェクトを作成しないでください。Container Manager だけを使用してプロジェクトを管理してください。
回避策: projadd コマンドで作成されたデフォルト以外のプロジェクトをエージェントホストの /etc/project データベースから削除し、Container Manager の新規コンテナウィザードを使用してコンテナを作成します。
Solaris Container Manager 1.1 ソフトウェアでは、次の実行時のバグが発生する可能性があります。
「プロセスを移動」機能を使用してプロセスを移動するときに、選択していないプロセスも移動する場合があります。したがって、「プロセス」タブの「移動」ボタンを使用しないでください。
回避策: プロセスが間違って移動しないようにするには、次の手順に従います。
スーパーユーザーになります。
次のコマンドを使用して、プロセスを適切なプロジェクトに移動します。
% newtask -c <pid>
アラームが発生したときに、パフォーマンスが低下する場合があります。この問題を解決するには、次のいずれかの操作を行います。
Sun Management Center 3.5 Update 1b でアラームを管理する。詳細は、『Sun Management Center 3.5 ユーザーガイド』の第 16 章「Web コンソールを使用したアラームの管理」を参照してください。
アラーム基準を変更してアラームを解消する。詳細は、『Solaris Container Manager 1.1 インストールと管理』の第 7 章「アラームの管理」を参照してください。
現在は別のサーバーコンテキスト内にあるエージェント上のオブジェクトにアクセスすると、次のエラーメッセージが表示されます。
コンテナデータの読み出し中にエラーが発生しました。
次のいずれかの操作を行います。
エージェントを元のサーバーコンテキストに戻します。
元のサーバーのトポロジからエージェントを削除します。
回避策: なし
エージェントがクラッシュし、scm-container* のファイルが /var/opt/SUNWsymon/cfg/ ディレクトリに残されています。エージェントが再起動したときに、最高のパフォーマンスではない場合があります。このような状況のときは、次のエラーメッセージが表示される場合があります。
セキュリティ権限が不十分なため、操作を完了できません。
次のコマンドを入力して、エージェント上のプロセスの状態を確認できます。
% ps -eaf | grep esd
回避策: パフォーマンスを向上するには、次のコマンドを入力します。
スーパーユーザーになります。
% su -
エージェントを停止します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -a
状態ファイルを削除します。
# rm /var/opt/SUNWsymon/cfg/scm-container*
エージェントを再起動します。
#/opt/SUNWsymon/sbin/es-start -a
サーバーの再起動後に Java Web Console が自動的に再起動しません。
Java Web Console を起動するには、次のコマンドを入力します。
スーパーユーザーになります。
% su -
root パスワードを入力します。
Java Web Console を再起動します。
# /usr/sbin/smcwebserver restart
今後は Java Web Console が再起動するようにします。
# /usr/sbin/smcwebserver enable
回避策: なし
「オブジェクトごとの累積稼働率」オプションを選択した場合、次のオブジェクトと期間のグラフが表示されません。
「プロジェクト」オブジェクトと「最新 1 週間」の期間を選択した場合
「すべて」のオブジェクトと「最新 1 か月」の期間を選択した場合
回避策: なし
リソース変更ジョブが以前に正常にスケジュール設定され、実行され、完了している時、そのリソース変更ジョブを更新すると、ジョブが失敗します。
回避策: リソース変更ジョブを更新せずに、削除して新しいジョブを作成します。
新規ゾーンウィザードの「ロケール」ドロップダウンメニューから無効なロケールを選択すると、ゾーンの作成に失敗します。「ロケール」ドロップダウンメニューには無効なロケール値が含まれる可能性があります。
有効なロケールについては、『International Language Environments Guide』の「Supported Locales」を参照してください。
回避策: 新規ゾーンウィザードの「ロケール」ドロップダウンメニューから有効なロケールを選択します。ロケール値がわからない場合は、C (英語ロケール) を選択します。
階層表示を使用して任意の区画に移動してからウィザードを起動すると、アプリケーションエラーが発生します。
回避策: 階層表示をクリックした直後にウィザードを起動しないようにします。
ゾーンを選択し、表上部の操作ボタンを 1 つクリックします。すると、その後、ゾーンの状態に適切な操作ボタンが有効にならない場合があります。
適切な操作ボタンを有効にするには、別の区画に移動してから「ゾーン」表に戻ります。
回避策: なし
ゾーンを削除するときに、「ゾーン」表内の行がすぐに削除されません。「ゾーン」表のゾーンのエントリは、ゾーンの削除が完了するまで削除されません。この処理は数分を要する場合があります。
更新した「ゾーン」表を表示するには、次の手順に従います。
別の区画に移動してから「ゾーン」表に戻ります。
表上部の操作ボタンを 1 つクリックします。
回避策: なし
ゾーンを含むリソースプールを削除しようとすると、リソースプールは削除され、ゾーンが pool_default リソースプールに移動します。
回避策: なし
プロジェクトの状態が変わったときに、「プロジェクト」表の「状態」フィールドが正しい状態に更新されない場合があります。
正しい状態を表示するには、別の区画に移動してから「プロジェクト」表に戻ります。
ブラウザの再読み込みボタンを使用して「プロジェクト」表を更新しないでください。この動作はサポートされていません。
回避策: なし
アラームが発生しているときに、アラームバッジ自体ではなく、アラームバッジのツールチップが表示される場合があります。
別の区画に移動してからアラームが発生しているオブジェクトのアイコンに戻ると、アイコンのバッジが正しく表示されます。
回避策: なし
「ゾーン - プロパティ」区画に移動したときに、追加属性の値が表示されない場合があります。
この場合、左側の区画のリンクを使用してゾーンに戻り、「プロパティ」タブをクリックします。
回避策: なし
英字以外の文字から始まる名前のリソースプールを作成しようとすると、作成に失敗します。
エラーの後にホストが応答していない場合は、次の手順でホストを再起動する必要がある可能性があります。
ホスト上でスーパーユーザーになります。
% su -
ホストを停止してから再起動します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -a
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -a
有効な文字は次のとおりです。
英数字 (A 〜 Z、a 〜z)
数字 (0 〜 9)
ハイフン (-)
下線 (_)
ピリオド (.)
回避策: リソースプール名の先頭文字は英字にします。
ブラウザの「戻る」ボタンをクリックすると、Container Manager から例外がスローされる場合があります。このリリースでは、ブラウザの「戻る」ボタンはサポートされていません。
この例外から回復するには、https://server_name:6789/containers を表示し、適切なページに移動します。
回避策: なし
Container Manager がインストールされた Solaris 8 システムでは、 /etc/project ファイル 内の名前が、user.username の命名規則に従っていないプロジェクトが存在する場合があります。これらのプロジェクトは、アプリケーションタイプのコンテナとして検出されます。この割り当ては、コンテナのプロパティシートで確認できます。
このプロジェクトに lnode username とプロジェクト名 user.username がある場合、コンテナはユーザーベースのコンテナとして認識されます。この場合、コンテナは Container Manager で正常に機能します。
プロジェクトに lnode が関連付けられていない場合は、プロジェクトを無効にできます。/etc/project データベースのエントリが削除されます。続いてコンテナを有効にしようとすると、次のエラーメッセージが表示されます。
コンテナを有効にしているときにエラーが発生しました。コンテナの有効化に失敗しました。 |
回避策: Container Manager を使用してコンテナ定義を再作成するには、次の手順に従います。
コンテナ定義を削除します。
Container Manager を使用してコンテナ定義を再作成します。
使用状況グラフが正しく表示されない場合があります。x 軸と相対的なデータポイントがすべて y 軸上の直線として表示されます。
回避策: 使用状況グラフが表示されるフレームを再読み込みするには、次のいずれかの操作を行います。
NetscapeTM 4.79 ソフトウェア
使用状況グラフが表示されているフレームで、マウスボタン 3 を押します。
ポップアップメニューから「フレームの再読み込み」を選択します。
Netscape 6 ソフトウェア以降
使用状況グラフが表示されているフレームで、マウスボタン 3 を押します。
ポップアップメニューから「このフレーム」を選択します。
サブメニューから「このフレームの再読み込み」を選択します。
Internet Explorer 5.0 ソフトウェア以降
使用状況グラフが表示されているフレームで、マウスボタン 3 を押します。
このポップアップメニューから「最新の情報に更新」を選択します。
ブラウザのツールバーの「再読み込み」ボタンまたは「最新の情報に更新」ボタンはクリックしないでください。「ホスト」のナビゲーションウィンドウに戻る可能性があります。
Container Manager モジュールを読み込むと、モジュールによって /etc/project データベースが読み取られ、コンテナ表が更新されます。Solaris 8 OS を使用しているエージェントホストでは、libproject ライブラリの API のバグが原因でメモリーリークが発生します。
回避策: メモリーリークの問題を解決するには、次のいずれかの操作を行います。
問題を永続的に解決するには、次のパッチをインストールします。
108528-29 108987-13 108993-33 109147-28 111023-03 111111-03 111317-05 112396-02 113648-03 115827-01 116602-01 |
問題を一時的に修正するには、/etc/nsswitch.conf ファイルを編集し、プロジェクト行から nis を削除します。変更後のプロジェクト行は次のようになります。
project: files |
Solaris 9 オペレーティングシステムでは、newtask コマンドのバグが原因で、一部のプロセス (たとえばユーザー nobody で実行される JavaTM アプリケーション) がコンテナに移動しません。
回避策: ユーザー nobody で実行されるアプリケーションを、 newtask コマンドを使用して適切なコンテナ内で起動します。
# /usr/bin/newtask -p projectname command |
projectname はアプリケーションを起動するプロジェクト、command はアプリケーションを起動するコマンドです。
詳細は、newtask(1) のマニュアルページを参照してください。
「ヘルプ」ボタンをクリックすると、ヘルプの目次が表示されます。コンテキストヘルプは現在使用できません。
回避策: 特定のパネルのヘルプを表示するには、次のいずれかの操作を行います。
各パネルでは、ページタイトルのすぐ下に説明が表示されます。この説明の後のリンクをクリックすると、このパネルの「ヘルプ」ウィンドウが表示されます。
目次を使用して特定のパネルのヘルプを表示します。目次内のリンクの命名規則は、ページのタイトルに基づいています。たとえば、「ホストとグループ」パネルの「ヘルプ」ウィンドウを表示するには、目次の「「ホストとグループ」について」のリンクをクリックします。
次のいずれかの一致式を使用してコンテナ定義を作成してから有効にすると、エージェントホストがハングアップします。
n
ns
nsc
nscd
回避策: newtask コマンドを使用して、適切なプロジェクト内で nscd プロセスを開始します。
# /usr/bin/newtask -p projectname command |
projectname は、アプリケーションを起動するプロジェクト、command はアプリケーションを起動するコマンドです。
詳細は、newtask(1) のマニュアルページを参照してください。
Solaris Container Manager 1.1 ソフトウェアをサーバー層に再インストールする場合は、アンインストール時にデータを残してください。同様に、サーバー層で再設定を行う場合は、データベースを再作成しないオプションを選択します。データを残さずにサーバー層で再インストールまたは再設定を行った場合、以前に検出されたエージェントホストがデータベースに含まれなくなる可能性があります。
回避策: 再インストールまたは再設定を行った後にホストが見つからない場合は、次の手順でホストで Sun Management Center エージェントを再起動します。
エージェントシステムにログインします。
スーパーユーザーになります。
% su -
次のように入力して Sun Management Center エージェントを停止します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -a |
次のように入力して Sun Management Center エージェントを起動します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -a |