Backup クライアントファイルインデックスには、Backup によりバックアップされたファイルをユーザーがブラウズし、復旧するためのエントリが格納されています。このファイルは、割り当てられているブラウズポリシーの期限を越えることはありません。サーバーによって管理される Backup メディアデータベースには、バックアップされたデータが置かれている場所についての情報が格納されています。ユーザーは、サーバーのメディアデータベースと Backup クライアントファイルインデックスに照会し、情報を取得できます。
mminfo プログラムは、Backup メディアとセーブセットについての情報をレポートする場合に使用します。mminfo のデフォルトのレポートには、過去 24 時間以内に正常に終了したセーブセットの情報が表示されます。レポートに表示されるのは、ボリューム名、クライアント名、作成日付、ボリュームに保存されたデータの量、実行されたバックアップのレベル、セーブセットの名前です。
mminfo コマンドの使用例のリストは、「mminfo レポートコマンドの例」を参照してください。
mminfo プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
mminfo [-avV] [-o order] [-s server] [report] [query] [volname...] <report>: [-m | -B | -S | -X | -r reportspecification] <query>: [-c client] [-N name] [-t time] [-q query specification] |
-a オプションを使用すると、過去 24 時間以内のものだけでなく、完了したブラウズ可能なセーブセットすべてを照会できます。このオプションは、-c、-N、-q、-m、および -o オプションを指定したことになります。メディアだけのレポート (メディア情報だけを表示する -m オプションまたはカスタマイズしたレポート) と組み合わせると、完了したブラウズ可能なセーブセットだけでなく、すべてのボリュームに -a オプションが適用されます。
-B オプションを使用すると、過去 5 週間に生成されたブートストラップのリストを作成できます。このリストにはブートストラップのレポート形式が使用され、照会に一致したセーブセットが 1 行ずつ出力されます。各行には保存の日付と時刻、保存のレベル、ssid、最初のファイル番号、最初のレコード番号、ボリュームが表示されます。
-c client オプションを使用すると、レポート情報を、指定したクライアントに属するメディアとセーブセット (またはこのいずれか) に限定できます。
-m オプションを使用すると、メディア専用のレポートを表示できます。このレポートには、指定された Backup サーバーのメディアデータベース内の各ボリュームについての情報が表示されます。
内部ボリューム識別子 (volid)、次に書き込まれるファイルの番号、メディアタイプを表示するには、-v オプションと -m オプションを同時に指定します。
ボリューム特性を表示するには、-V オプションと -m オプションを同時に指定します。このボリューム特性のフラグ d とフラグ r は、次のことを示します。
d フラグは、現在、ボリュームへの書き込みが行われていることを示す
r フラグは、ボリュームが読み取り専用としてマークされていることを示す
-N saveset-name オプションを使用すると、レポート情報を、指定したセーブセット名に属するメディアとセーブセット (またはこのいずれか) に限定できます。
-o order オプションを使用すると、指定した順序で出力をソートできます。order には、次に示す 8 文字を自由に組み合わせて使用できます。各文字の意味は、次のとおりです。
c - クライアント
e - ボリュームの有効期限
l - ボリュームで使われている領域の長さまたはパーセンテージ
m - メディア
n - セーブセット名
o - ファイル名とレコード番号
R - 逆の順序
t - 前回メディアがアクセスされた時刻
セーブセットレポートのデフォルトのソート順序は、m、o、c、n、t、l です。
-q query-specification オプションを使用すると、現在の照会に加えられた制約事項のリストに、指定した照会の制約事項を追加できます。-q オプションは複数指定できます。また、照会の制約事項の短縮形 -c、-N、-t と組み合わせることもできます。query_specification の構文は次のとおりです。
[!] name [comp value] [ , ... ] |
name は、"name="hot"name="hot""Save Set" などのデータベース属性の名前です。comp は、属性についての有効な比較演算子で、「>」、「>=」、「=」のどれかです。value は、比較される値です。
比較演算子と値は、フラグ以外のすべての属性に対して指定する必要があります。文字列にコンマが入っている場合は、値全体を単一または二重の引用符で囲みます。次に、正しい文字列比較の例を示します。
name="Daily, ""hot"" Save Set" |
文字列に複数の値を指定する場合を除いて、指定する制約事項はすべて、1 つのセーブセットまたはメディアボリューム、あるいはその両方に対応させなければなりません。数値の制約事項には 1 つの値を指定しますが、すべての文字列の制約事項には複数の値を指定できます。次に例を示します。
%used>20,%used<80 client=mars,client=saturn |
照会の指定に使用する構文の詳細は、mminfo(1m) のマニュアルページの「CUSTOM QUERIES AND REPORTS」セクションを参照してください。
-r reportspecification オプションを使用すると、レポートの表示方法を指定できます。表示するメディアとセーブセットの属性、カラムの順序、カラムの幅 、行の区切りを指定します。reportspecification の構文は、次のとおりです。
name [(width)] [, name [(width)]...] |
name はデータベース属性の名前で、width はカラムの幅です。
-s server オプションを使用すると、指定した Backup サーバーのボリュームとセーブセット情報を表示できます。server のデフォルト値は、現在使用中のシステムです。
-t time オプションを使用すると、レポートされた情報を、作成された、またはこれから作成されるセーブセットに属するメディアとセーブセット (またはこのいずれか) に限定できます。時間の形式については、nsr_getdate(3) のマニュアルページを参照してください。time のデフォルト値は「yesterday」です。
-v オプションを使用すると、レポートを冗長モードで表示できます。以下の内容がレポートされます。
異常終了、完了、パージ、未完了のセーブセット
作成時刻
内部セーブセット識別子 (ssid)
ボリュームに格納されているセーブセットの部分を示す次の文字
c - セーブセット全体が格納されている
h - セーブセットの先頭部分が格納されている
m - セーブセットの中間部分が格納されている
t - 複数のボリュームにまたがっているセーブセットの最終部分が格納されている
次の文字で示されるセーブセットの状態
b - recover コマンドによってブラウズできる
r - scanner コマンドによって復旧できる
E - 再利用可能としてマークされていて、いつでも上書きできる
S - scanner コマンド実行済みで、メモリにロールインされている。ロールインされたセーブセットは標準のインデックス管理手順には従わず、ユーザーが手動でパージするまでファイルインデックスに残る
a - 完了せずに異常終了した。異常終了したセーブセットは、nsrck プログラムによってオンラインファイルインデックスから削除される
i - 保存処理がまだ進行中である
-S オプションを使用すると、長い、複数行のセーブセットレポートをデバッグ用に表示できます。セーブセットの各属性は、次の形式のどちらかで表示されます。
name=value client:name |
複数行から成る各グループの先頭の行は左マージンから始まり、セーブセット識別子 (ssid)、保存時刻、クライアント名、セーブセット名が表示されます。2 行目以降はインデントされます。2 行目には、保存のレベル、セーブセットのフラグ、セーブセットのサイズ、セーブセット内のファイルの数、セーブセットの有効期限が示されます。3 行目以降には、セーブセットの拡張属性、クローン、インスタンスが表示されます。
-V オプションを使用すると、-v オプションを指定して表示されるレポートよりも詳細なレポートを表示できます。
先頭の行には、次の情報が表示されます。
ボリュームに格納されているセーブセットの各部分のサイズ
作成日付と時刻
2 行目には、次の情報が表示されます。
1970 年 1 月 1 日のグリニッジ標準時 (GMT) 00:00:00 から起算した保存時間 (秒)
内部のセーブセット識別子 (ssid)
セクション内のセーブセットの先頭バイトと最終バイトの間のオフセット
メディアファイルの番号
セーブセットのデータを持つメディアファイル内の先頭レコード
内部ボリューム識別子 (volid)
セーブセットの全サイズ
メディアファイルに格納されているセーブセットの部分を示すフラグ (c、h、m、または t)
セーブセットの状態 (b、r、a、または i)
-X オプションを使用すると、サマリーレポートを作成できます。このサマリーレポートでは、セーブセットは次のカテゴリに分類されます。カテゴリ間には重複があります。
1 つのセーブセットに対して実行される各レベルのバックアップ数のタイプ別内訳
アーカイブされたセーブセット、マイグレートされたセーブセット、空のセーブセット、パージされたセーブセットの数
インデックスセーブセットの数
不完全なセーブセットの数
最近の使用状況については、次の情報についての週次と月次の要約が表示されます。
指定された時間間隔内に保存されたファイルの数
セーブセットの数
全サイズとセーブセットの平均サイズ
ファイルの平均サイズ
差分バックアップで保存された量の、フルバックアップで保存された量に対する割合
次の例は、独自にカスタマイズした照会を作成する場合に従うべきガイドラインです。短縮構文も、できる限り記載しています。
サーバーが管理するすべてのボリュームについての情報をすべて表示するには、次のように入力します。
mminfo -m |
mars.001 と mars.002 のラベルの付いたボリュームのメディア情報を表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -m mars.001 mars.002 |
/usr という名前のファイルインデックス内で検出されたセーブセットをすべて表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -N /usr |
先週バックアップされた、venus という名前のクライアントによって生成された /usr という名前のセーブセットを表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -N /usr -c venus |
mars.001 というラベルが付いたボリューム上にある、venus という名前のクライアントによって生成された /usr という名前のセーブセットを表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -N /usr -c venus mars.001 |
先週書き込まれた、すべてのボリュームのメディアレポートを表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -m -t `last week' |
空き領域のある各ボリュームについて、使用された割合、プール名、および実際の位置を示すメディアレポートを表示するには、次のように入力します。
mminfo -a -r `volume,%used,pool,location' -q `!full' |
-m を指定したときのレポートと同様の形式でボリュームラベルの代わりにメディアのバーコードの情報を表示するには、次のように入力します。
mminfo -a -r ¥ `state,barcode,written,%used,read,space,volexp' ¥ -r`mounts(5),space(2),capacity' |
複数のコピーがあるすべてのセーブセットのインスタンスのリストを冗長モードで表示するには、次のように入力します。このリストは、保存時間とクライアント名でソートされます。
mminfo -otc -v -q `copies>1' |
「my project」という注釈が付いた、過去 4 ヶ月間のすべてのアーカイブセーブセットを表示するには、次のように入力します。
mminfo -q'annotation=my project' ¥ -r"volume,client,savetime,sumsize,ssid,name,annotation" ¥ -t'four months ago' |
mmlocate プログラムを使用すると、メディアデータベースに格納されているボリューム位置の情報にアクセスし、管理できます。すべてのユーザーが、-l オプション (デフォルト) または -L オプションを指定してこのコマンドを使用できます。-c、-d、-u オプションを使用できるのは、Backup 管理者だけに限定されています。mmlocate プログラムを引数を指定せずに実行すると、指定したサーバーのすべてのボリュームとその位置が表示されます。サーバーを指定していない場合は、現在使用中のホストが使用されます。
nsrjb コマンドを使用してジュークボックス内にボリュームを移動させると、ボリュームの位置は、ジュークボックスの名前に設定されます。
mmlocate プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
mmlocate [-s server] [-l] [-n volume-name | -i volumeID | location] mmlocate [-s server] -L mmlocate [-s server] -d location mmlocate [-s server] -c {-n volume-name | -i volumeID} mmlocate [-s server] -u {-n volume-name | -i volumeID} location |
-a オプションを使用すると、過去 24 時間以内のものだけでなく、完了したブラウズ可能なセーブセットすべてを照会できます。このオプションは、-c、-N、-q、-m、および -o オプションを指定したことになります。メディアだけのレポート (メディア情報だけを表示する -m オプションまたはカスタマイズしたレポート) と組み合わせると、完了したブラウズ可能なセーブセットだけでなく、すべてのボリュームに -a オプションが適用されます。
-c オプションを使用すると、指定したボリュームの位置フィールドをクリアできます。
-d location オプションを使用すると、指定した位置を示すすべてのボリュームを削除できます。各ボリュームが削除される前に、確認プロンプトが表示されます。
-i volid オプションを使用すると、指定したボリューム ID だけに mmlocate 処理を限定できます。
-l query オプションを使用すると、与えられたボリューム名、ボリューム ID または位置を使用して、データベースを照会できます。特定の照会要求をせずに -l オプションを指定すると、設定位置なしのボリュームが表示されます。
-L オプションを使用すると、データベース内で検出されたすべての位置を一覧表示できます。
-n volname オプションを使用すると、指定したボリューム名だけにこの処理を制限できます。
-s server オプションを使用すると、サーバーのメディアデータベースにアクセスできます。
-u オプションを使用すると、ボリュームの位置を更新できます。位置は、最大 64 文字の長さに制限されています。-n volname または -i volid オプションも指定して、位置を指定する必要があります。
mmpool プログラムは、Backup サーバーのメディアデータベース内に格納されているプール情報にアクセスする場合に使用します。また、このコマンドを使用して、特定のプール内のすべてのボリュームを削除できます。mmpool プログラムに 1 つまたは複数のボリューム名を指定すると、レポートには、指定した各ボリュームが属するプールが表示されます。デフォルトでは、すべてのボリュームとそのプールが表示されます。
ボリュームが属するプールは、ボリュームのラベルを付け直さないと変更できません。ボリュームのラベルを付け直さずに変更すると、ボリューム上のすべてのデータが破壊されます。プールは、nwadmin または nsradmin などの Backup 管理ツールを使って構成されます。これらの管理ツールを使って、独自のプールを作成して、変更できます (「「NSR pool」 」を参照)。
mmpool プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
mmpool [-s server] [volume...] mmpool [-s server] -d pool-name mmpool [-s server] -l [pool-name] mmpool [-s server] -L |
-d pool-name オプションを使用すると、指定したプールのボリュームすべてを削除できます。各ボリュームが削除されるごとにプロンプトが表示されます。
-l pool-name オプションを使用すると、すべてのボリュームとそのボリュームが属するプールが表示されます。1 つのプールを指定すると、mmpool は、そのプール内のボリュームだけを表示します。
-L オプションを使用すると、サーバーに構成されているすべてのプールリソース名を表示できます。
-s server オプションを使用すると、このプログラムを実行する Backup サーバーを指定できます。サーバーの選択については、nsr(1m) のマニュアルページを参照してください。
mmrecov プログラムを使用すると、Backup サーバーのオンラインファイルインデックスかメディアデータベースのどちらかのファイルが損失したか損傷を受けた時に、これらをバックアップボリュームから復旧できます。このコマンドにより、サーバー上にある既存のオンラインファイルインデックスとメディアデータベースが上書きされます。mmrecov プログラムは、Backup クライアントのファイルインデックスの復旧には使用できません。この場合には、通常の復旧プロシージャを使用します。
はじめて mmrecov プログラムを使用する前に、Backup サーバーソフトウェアを完全にインストールして正しく構成してから、サーバーのファイルインデックスとメディアデータベースを含めてバックアップを実行する必要があります。Backup ソフトウエアのどれかが損失した場合は、mmrecov を実行する前に、そのソフトウェアを配布ファイルからインストールし直してください。Backup と同じリリースを使用し、そのソフトウェアが損失する前に置かれていた同じ位置にインストールします。
mmrecov プログラムを開始すると、プログラムにより、ブートストラップセーブセットを抽出する対象となるデバイスが要求されます。次に、ブートストラップの ssid が要求されます。この番号は、savegrp プログラムが実行されるたびに出力されるブートストラップの最終行の 4 番目のカラム (ssid のラベルが付いている) で判別できます。ブートストラップレポートの例については、mmrecov(1m) のマニュアルページを参照してください。
mmrecov プログラムは、2 つのフェーズで実行されます。まず最初に、メディアデータベースとオンラインファイルインデックスの入っているブートストラップセーブセットの格納内容を抽出します。オンラインファイルインデックスには、それ自身に必要なエントリが 1 つしか格納されていません。第 2 フェーズでは、mmrecov プログラムは recover プログラムを実行して、サーバーのオンラインファイルインデックスを完全に復旧します。第 2 フェーズはバックグラウンドで実行されるため、ユーザーはこの後に続くメディアマウント要求に応答できます。
mmrecov プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
mmrecov [-q | -v] |
-q オプションを使用すると、発生したエラーメッセージのみが表示されるクワイエットモードで mmrecov を実行できます。
nsrck プログラムは、クライアントのセーブセットの Backup オンラインインデックスの整合性をチェックする場合に使用します。
nsrck を使用して、Backup クライアントファイルインデックスの整合性が検査されます。通常、nsrck プログラムは、nsrindexd の起動の一部として、nsrindexd プログラムによって自動的に開始されます。.nsrck ファイルはプログラムの実行時にロックされるので、nsrck のインスタンスだけがサーバーで動作します。
nsrck プログラムは、その実行中であればいつでも再起動できます。そのため、システムのクラッシュ時やリソースの消耗時にも、データを失うことなく動作します。
インデックスの整合性検査は、4 つのフェーズを経て完了します。
フェーズ 0 では、クライアントのインデックスをさらに調査すべきかどうかを判別します。このフェーズでは、インデックスの内部状態が検査され、その状態に整合性がある場合は、検査はこれ以上続行されません。また、フェーズ 0 では、適切でないインデックス名 (たとえば、有効なネットワークアドレスに名前が対応していないインデックスなど) もレポートされます。
フェーズ 1 では、データベースレコードファイル db 内で検出されたあらゆるエラーが処理され、さらに必要に応じて、データベースの b- ツリーインデックスが再構築されます。
-X オプションが指定されている場合は、nsrck によりフェーズ 2 が呼び出され、クライアントファイルインデックスとメディアデータベースが相互に検査されます。既存のブラウズ可能なセーブセットエントリがないレコードは、削除されます。
フェーズ 2 で解放されたスペースが生じたことにより、あるいは前回のプログラムの実行によりフラグが付けられたことによりデータベースを圧縮する必要がある場合は、フェーズ 3 でそのインデックスが圧縮されます。
インデックスを圧縮するには、2 つ、または 3 つの手順で処理を行います。まず、データベースのレコードが一時データベース db.CMP にコピーされます。この処理が完了すると、フラグファイル db.SVC が作成され、古い、圧縮されていないデータベースは削除されます。さらに、圧縮されたデータベースは、名前が db に変更されます。最後に、db.SVC ファイルが削除されます。db ファイルが格納されているファイルシステムに一時データベースが入るだけのスペースがない場合は、nsrck は、他の書き込み可能なファイルシステムに一時ファイルを作成します。次に、db.PTR という名前のファイルにこの一時ファイルへのポインタを格納します。この場合、データを追加コピーする必要があります。それは、データが適切な場所にコピーされる前に、圧縮されていないデータベースをまず最初に削除する必要があるからです。これらの手順がすべて完了した後で、db.PTR ファイルが削除されます。
nsrck プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrck [-qM] | [-T tempdir] [-X [-x percent] | -C | -F | -m] [clientname...] |
-C オプションを使用すると、指定したクライアントで、またクライアントを指定していない場合はすべてのクライアントで、強制的にインデックスを圧縮できます。データベース内にエラーが検出された場合にだけ、他のフェーズのチェックが行われます。
-F オプションを使用すると、指定したクライアント名について強制的に検査を実行します。名前を指定していない場合は、強制検査は、すべてのクライアントインデックスに対して実行されます。このオプションでは、インデックス検査のすべてのフェーズが強制的に実行されます。下位互換の場合は、-F オプションにより、インデックスの圧縮を指定したことになり、またこのオプションを使用して、強制的にインデックスを圧縮できます。このオプションは、通常、ブラウズポリシーが短縮された時にのみ必要です (たとえば、ブラウズポリシーが 1 年から 6 か月に変更された場合)。ポリシーリソースについては、「「NSR policy」」を参照してください。
-M オプションを使用すると、nsrck プログラムをマスターモードで使用できます (手動処理の場合は、お勧めできません)。このオプションは、nsrck を呼び出した nsrd または他の Backup デーモンを nsrck に通知し、さらに、nsrd が要求するその他の処理を実行すると同時に、タイムスタンプを付けてメッセージを記録します。
-m オプションを使用すると、クライアントのオンラインファイルインデックスを検査する代わりに、強制的にメディアデータベースの b- ツリーインデックスを検査して、作成し直します。
-q オプションを使用すると、nsrck をクワイエットモードで実行できます。クワイエットモードでは、報告メッセージは表示されません。
db ファイルが格納されているファイルシステムに十分な空き容量がない場合に、-T オプションを使用して、圧縮中に一時データベースを保持するために nsrck が使用するディレクトリを指定できます。このオプションが指定されていて、指定された一時ディレクトリ内に十分なスペースがない場合は、nsrck プログラムは失敗します。db ファイルが格納されているファイルシステムに十分な容量がある場合は、この引数は無視されます。
-X オプションを使用すると、(フェーズ 0 でエラーが発生しない限り) インデックスデータベースを検査する代わりに、インデックスレコード内の ssid と、メディアデータベース内で検出されたセーブセットとの相互検査を行うように nsrck に指示できます。メディアセーブセットと対応していないレコードは破棄されます。ここに特定のクライアントを指定すると、相互検査は、そのクライアントインデックスに限定して行われます。
-x オプションを使用すると、データベースの UNIX ファイルの利用率が指定した割合よりも低い場合は、相互検査の終了後にデータベースを圧縮できます。使用されていないページは、ファイルシステムに戻されます。-x オプションのデフォルトの利用率は、30 % です。
nsrim プログラムは、Backup サーバーのクライアントファイルインデックスとメディアデータベースを管理する場合に使用します。通常、nsrim プログラムは、スケジュールされたバックアップが開始される時に nsrmmdbd デーモンによって、バックアップの終了時に実行される savegrp プログラムによって、あるいは、最も古いインデックスサイクルを削除するためのオプションを選択した結果として nsrd によって、自動的に実行されます。通常は、nsrim プログラムは手動で実行する必要はありません。
nsrim プログラムは、定義されているポリシーにアクセスし、各クライアントファイルインデックスの管理方法を判別します。定義されているクライアントのブラウズポリシーに指定されている期限を過ぎてもインデックス内に残っているエントリは、クライアントファイルインデックスから削除されます。定義されているクライアントの保持ポリシーに指定されている期限を過ぎてもメディアデータベース内に残っているセーブセットは、メディアデータベース内で再利用可能なセーブセットとしてマークが付けられます。1 つのボリューム上に格納されているすべてのセーブセットが再利用可能としてマークが付けられると、ボリュームそのものが再利用可能とみなされます。再利用可能なボリュームはユーザーが選択できます。また、オートチェンジャによって管理されるボリュームの場合は、別のバックアップ用に書き込み可能なボリュームが要求されると、再利用可能ボリュームのラベルが自動的に付け直され、Backup が使用できるようになります。再利用されるボリュームのラベルが付け直されると、そこに格納されていたデータは破壊されます。ボリュームのラベルが変更される前であれば、scanner プログラムを使用して、そのセーブセットを復旧できます。scanner プログラムの使用方法については、「scanner 」を参照してください。
nsrim プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrim [-b browse] [-c client] [-N saveset] [- r retention] [-x percent] [-lnqvMX] |
-b browse オプションを使用すると、クライアントリソース内に定義されているブラウズポリシーの代わりに、browse に指定したポリシーを使用できます。このオプションは、-n オプションと組み合わせて、クライアントファイルインデックス上でポリシーを変更した場合の潜在的な影響を判定するときに便利です。
-c client オプションを使用すると、指定したクライアントのクライアントファイルインデックスだけが処理されます。このオプションを指定しないと、Backup サーバーによって管理されるクライアントファイルインデックスがすべて処理されます。複数の -c client オプションを、同じコマンド行で繰り返し指定できます。
-l オプションを使用すると、最も古いレベルのフルセーブセットと、それに依存するすべてのセーブセットをクライアントファイルインデックスから削除できます。このオプションは、クライアントファイルインデックス内に複数のセーブセットのサイクルがある場合にのみ機能します。このオプションは、クライアントのリソースに割り当てられているブラウズポリシーと保持ポリシーは無視します。セーブセットのヘッダー情報により、現在クライアントファイルインデックス内に保持されているブラウズ可能なフルサイクルの数が表示されます。このオプションでは、インデックス内に格納されているアーカイブセーブセットまたはマイグレートセーブセットは無視します。手動でバックアップされたセーブセットエントリは、差分レベルのセーブセットとして実行されたものとみなされます。-l オプションでは、利用率のしきい値を 30 %に設定します。
-M オプションを使用すると、nsrim プログラムをマスターモードで使用できます (手動処理の場合は、お勧めできません)。このオプションは、nsrim を呼び出した nsrd または他の Backup デーモンを nsrim に通知し、さらに、nsrd が要求するその他の処理を実行すると同時に、タイムスタンプを付けてメッセージを記録します。
-N save-set オプションを使用すると、指定したセーブセットだけが処理されます。指定したセーブセット以外はすべてスキップされます。このオプションは、同じコマンド行で複数回繰り返して指定できます。
-q オプションを使用すると、nsrim をクワイエットモードで実行できます。このオプションでは、ヘッダー、トレーラ、またはセーブセットメッセージの生成は省略されます。
-r retention オプションを使用すると、クライアントのリソースによって定義されている保持ポリシーではなく、retention に指定したポリシーを使用するように nsrim に指示できます。このオプションは、-n オプションと組み合わせて、クライアントファイルインデックス上でポリシーを変更した場合の潜在的な影響を判定するときに便利です。
-x percent オプションを使用すると、利用率のしきい値を設定できます。エントリを削除したあとで、クライアントファイルインデックスの使用率が指定した量よりも少ない場合は、相互検査が要求された時点で percent の値が nsrindexd に渡されます。デフォルト値は、50 です。-X オプションまたは -l オプションのどちらかを指定すると、利用率のしきい値は 30 %に変更されます。
-v オプションを使用すると、nsrim を冗長モードで実行できます。このオプションにより、特別に大容量の出力が作成されます。-q オプションと -v オプションを同時に指定した場合は、お互いにその効果がキャンセルされます。
-X オプションを使用すると、セーブセットのデータ構造とボリュームのデータ構造の整合性が検査されます。このオプションが必要とされるのは、Backup に障害が発生した時だけです。このオプションでは、利用率のしきい値は 30 %に設定されます。
nsrinfo プログラムは、クライアントのファイルインデックスの内容についてのレポートを生成します。Backup クライアント名を指定する必要があります。これ以外のオプションを指定しないと、nsrinfo プログラムにより、指定したクライアントのバックアップ名前空間内で検出されたファイル名とオブジェクト名すべてのレポートが、1 行に 1 つずつ作成されます。また、nsrinfo プログラムにより、特定のクライアントファイルインデックスの名前空間のレポートや、一度にすべての名前空間のレポート、あるいは、特定の XBSA (X-Open Backup Services) アプリケーションのレポートも作成できます。このレポートは、保存時間と呼ばれる一定の時間に限定することもできます。保存時間とは、エントリがクライアントファイルインデックスに入力された時間です。
-L オプションを指定しないと、nsrinfo プログラムを使用するためには、ユーザー名が Backup サーバーの Administrator リスト内に指定されている必要があります。また、-L オプションを指定するには、システム管理者である必要があります (たとえば、UNIX システムのスーパーユーザー)。
nsrinfo プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrinfo [-vV] [-s server | -L] [-n namespace] [- N filename] [-t time] [-X application] client |
必須の client 引数を指定することにより、nsrinfo プログラムがレポートするクライアントが決まります。
-L オプションを使用すると、Backup サーバーを使用せずにクライアントファイルインデックスを直接開くことができます。このオプションは、Backup が稼動していない時に、デバッグやクライアントファイルインデックスの照会を行う場合に便利です。
-n namespace オプションを使用すると、照会するクライアントファイルインデックスの名前空間を指定できます。デフォルトでは、バックアップ名前空間が照会されます。nsrinfo プログラムがこれ以外に認識できるものとして、migrated、archive (今後の使用のために予約されている)、nsr、informix、および all があります。
-N filename オプションを使用すると、クライアントファイルインデックス内で検索するファイルの正確なファイル名を指定できます。指定したファイル名と正確に一致するインデックスエントリだけが出力されます。クライアントシステム (たとえば、NetWare) によっては、クライアントファイルインデックス内に格納されているファイル名が、出力可能な ASCII 文字で作成されていない場合が多くあります。このようなシステムでは、このオプションの使用は制限されます。
-t time オプションを使用すると、nsrinfo が照会する際の正確な保存時間を限定できます。time の値には、Backup の形式であればどれでも使用できます。Backup によって作成されるすべてのセーブセットには、固有の保存時間が割り当てられます。mminfo プログラムを使用して、保存時間を判別できます (詳細は、 「mminfo 」を参照)。
-v オプションを使用すると、冗長モードで実行するように nsrinfo に指示できます。このオプションでは、ファイル名に加えて、ファイルのタイプ、指定されている内部ファイルのインデックス識別子、ファイルの大きさ (UNIX ファイルのみ)、およびその保存時間が表示されます。このオプションは、-V オプションと組み合わせることができます。
-V オプションを使用すると、別の冗長モードで動作するように nsrinfo に指示できます。このオプションでは、ファイル名に加えて、ファイルが格納されているセーブセット内のオフセット、セーブセット内のそのファイルの大きさ、アプリケーションの名前空間、およびその保存時間が表示されます。このオプションは、-v オプションとともに使用できます。
-s server オプションを使用すると、nsrinfo で照会する Backup サーバー名を定義できます。デフォルトでは、ローカルシステムのサーバーが照会されます。
-X application オプションを使用すると、照会の対象を、特定の X/Open Backup Services (XBSA) アプリケーションの情報リストに限定できます。有効な application は、All、Informix、および None です。application に指定する値は、大文字と小文字の区別はされません。
namespace の有効値についての詳細な説明、クライアントファイルインデックス内で検出されるファイルタイプ、nsrinfo の使用例、および一般的なエラーメッセージについては、nsrinfo(1m) のマニュアルページを参照してください。
nsrls プログラムをオプションを指定せずに呼び出すと、クライアントファイルインデックス内のファイル数、クライアントファイルインデックスが現在必要とする K バイト数、および UNIX ファイルに割り当てられている K バイト数に対するクライアントファイルの利用率が出力されます。
nsrls プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrls [client-name...] nsrls -f file-name... |
client-name オプションを使用すると、特定の Backup クライアントファイルインデックスを指定して調査できます。デフォルトでは、現在のシステムがインデックスを調査する対象のクライアントであるとみなされます。
-f file-name オプションを使用すると、Backup クライアント名のリストではなく、ファイル名のリストを入手するように nsrls に指示できます。それぞれ正当なインデックスファイルが指定されると、nsrls プログラムは、内部ボリューム ID とファイル名を出力し、統計情報バナーの後に、インデックス内の各内部ファイルに関する統計情報を続けて出力します。各内部ファイルの統計情報としては、内部ファイル ID (Fid)、ファイルが消費した K バイト数 (Kbytes)、ファイル内の論理レコード数 (Count)、および内部ファイルの内容を表す名前 (Name) があります。内部ファイルについては、nsrls(1m) のマニュアルページを参照してください。