mminfo プログラムは、Backup メディアとセーブセットについての情報をレポートする場合に使用します。mminfo のデフォルトのレポートには、過去 24 時間以内に正常に終了したセーブセットの情報が表示されます。レポートに表示されるのは、ボリューム名、クライアント名、作成日付、ボリュームに保存されたデータの量、実行されたバックアップのレベル、セーブセットの名前です。
mminfo コマンドの使用例のリストは、「mminfo レポートコマンドの例」を参照してください。
mminfo プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
mminfo [-avV] [-o order] [-s server] [report] [query] [volname...] <report>: [-m | -B | -S | -X | -r reportspecification] <query>: [-c client] [-N name] [-t time] [-q query specification] |
-a オプションを使用すると、過去 24 時間以内のものだけでなく、完了したブラウズ可能なセーブセットすべてを照会できます。このオプションは、-c、-N、-q、-m、および -o オプションを指定したことになります。メディアだけのレポート (メディア情報だけを表示する -m オプションまたはカスタマイズしたレポート) と組み合わせると、完了したブラウズ可能なセーブセットだけでなく、すべてのボリュームに -a オプションが適用されます。
-B オプションを使用すると、過去 5 週間に生成されたブートストラップのリストを作成できます。このリストにはブートストラップのレポート形式が使用され、照会に一致したセーブセットが 1 行ずつ出力されます。各行には保存の日付と時刻、保存のレベル、ssid、最初のファイル番号、最初のレコード番号、ボリュームが表示されます。
-c client オプションを使用すると、レポート情報を、指定したクライアントに属するメディアとセーブセット (またはこのいずれか) に限定できます。
-m オプションを使用すると、メディア専用のレポートを表示できます。このレポートには、指定された Backup サーバーのメディアデータベース内の各ボリュームについての情報が表示されます。
内部ボリューム識別子 (volid)、次に書き込まれるファイルの番号、メディアタイプを表示するには、-v オプションと -m オプションを同時に指定します。
ボリューム特性を表示するには、-V オプションと -m オプションを同時に指定します。このボリューム特性のフラグ d とフラグ r は、次のことを示します。
d フラグは、現在、ボリュームへの書き込みが行われていることを示す
r フラグは、ボリュームが読み取り専用としてマークされていることを示す
-N saveset-name オプションを使用すると、レポート情報を、指定したセーブセット名に属するメディアとセーブセット (またはこのいずれか) に限定できます。
-o order オプションを使用すると、指定した順序で出力をソートできます。order には、次に示す 8 文字を自由に組み合わせて使用できます。各文字の意味は、次のとおりです。
c - クライアント
e - ボリュームの有効期限
l - ボリュームで使われている領域の長さまたはパーセンテージ
m - メディア
n - セーブセット名
o - ファイル名とレコード番号
R - 逆の順序
t - 前回メディアがアクセスされた時刻
セーブセットレポートのデフォルトのソート順序は、m、o、c、n、t、l です。
-q query-specification オプションを使用すると、現在の照会に加えられた制約事項のリストに、指定した照会の制約事項を追加できます。-q オプションは複数指定できます。また、照会の制約事項の短縮形 -c、-N、-t と組み合わせることもできます。query_specification の構文は次のとおりです。
[!] name [comp value] [ , ... ] |
name は、"name="hot"name="hot""Save Set" などのデータベース属性の名前です。comp は、属性についての有効な比較演算子で、「>」、「>=」、「=」のどれかです。value は、比較される値です。
比較演算子と値は、フラグ以外のすべての属性に対して指定する必要があります。文字列にコンマが入っている場合は、値全体を単一または二重の引用符で囲みます。次に、正しい文字列比較の例を示します。
name="Daily, ""hot"" Save Set" |
文字列に複数の値を指定する場合を除いて、指定する制約事項はすべて、1 つのセーブセットまたはメディアボリューム、あるいはその両方に対応させなければなりません。数値の制約事項には 1 つの値を指定しますが、すべての文字列の制約事項には複数の値を指定できます。次に例を示します。
%used>20,%used<80 client=mars,client=saturn |
照会の指定に使用する構文の詳細は、mminfo(1m) のマニュアルページの「CUSTOM QUERIES AND REPORTS」セクションを参照してください。
-r reportspecification オプションを使用すると、レポートの表示方法を指定できます。表示するメディアとセーブセットの属性、カラムの順序、カラムの幅 、行の区切りを指定します。reportspecification の構文は、次のとおりです。
name [(width)] [, name [(width)]...] |
name はデータベース属性の名前で、width はカラムの幅です。
-s server オプションを使用すると、指定した Backup サーバーのボリュームとセーブセット情報を表示できます。server のデフォルト値は、現在使用中のシステムです。
-t time オプションを使用すると、レポートされた情報を、作成された、またはこれから作成されるセーブセットに属するメディアとセーブセット (またはこのいずれか) に限定できます。時間の形式については、nsr_getdate(3) のマニュアルページを参照してください。time のデフォルト値は「yesterday」です。
-v オプションを使用すると、レポートを冗長モードで表示できます。以下の内容がレポートされます。
異常終了、完了、パージ、未完了のセーブセット
作成時刻
内部セーブセット識別子 (ssid)
ボリュームに格納されているセーブセットの部分を示す次の文字
c - セーブセット全体が格納されている
h - セーブセットの先頭部分が格納されている
m - セーブセットの中間部分が格納されている
t - 複数のボリュームにまたがっているセーブセットの最終部分が格納されている
次の文字で示されるセーブセットの状態
b - recover コマンドによってブラウズできる
r - scanner コマンドによって復旧できる
E - 再利用可能としてマークされていて、いつでも上書きできる
S - scanner コマンド実行済みで、メモリにロールインされている。ロールインされたセーブセットは標準のインデックス管理手順には従わず、ユーザーが手動でパージするまでファイルインデックスに残る
a - 完了せずに異常終了した。異常終了したセーブセットは、nsrck プログラムによってオンラインファイルインデックスから削除される
i - 保存処理がまだ進行中である
-S オプションを使用すると、長い、複数行のセーブセットレポートをデバッグ用に表示できます。セーブセットの各属性は、次の形式のどちらかで表示されます。
name=value client:name |
複数行から成る各グループの先頭の行は左マージンから始まり、セーブセット識別子 (ssid)、保存時刻、クライアント名、セーブセット名が表示されます。2 行目以降はインデントされます。2 行目には、保存のレベル、セーブセットのフラグ、セーブセットのサイズ、セーブセット内のファイルの数、セーブセットの有効期限が示されます。3 行目以降には、セーブセットの拡張属性、クローン、インスタンスが表示されます。
-V オプションを使用すると、-v オプションを指定して表示されるレポートよりも詳細なレポートを表示できます。
先頭の行には、次の情報が表示されます。
ボリュームに格納されているセーブセットの各部分のサイズ
作成日付と時刻
2 行目には、次の情報が表示されます。
1970 年 1 月 1 日のグリニッジ標準時 (GMT) 00:00:00 から起算した保存時間 (秒)
内部のセーブセット識別子 (ssid)
セクション内のセーブセットの先頭バイトと最終バイトの間のオフセット
メディアファイルの番号
セーブセットのデータを持つメディアファイル内の先頭レコード
内部ボリューム識別子 (volid)
セーブセットの全サイズ
メディアファイルに格納されているセーブセットの部分を示すフラグ (c、h、m、または t)
セーブセットの状態 (b、r、a、または i)
-X オプションを使用すると、サマリーレポートを作成できます。このサマリーレポートでは、セーブセットは次のカテゴリに分類されます。カテゴリ間には重複があります。
1 つのセーブセットに対して実行される各レベルのバックアップ数のタイプ別内訳
アーカイブされたセーブセット、マイグレートされたセーブセット、空のセーブセット、パージされたセーブセットの数
インデックスセーブセットの数
不完全なセーブセットの数
最近の使用状況については、次の情報についての週次と月次の要約が表示されます。
指定された時間間隔内に保存されたファイルの数
セーブセットの数
全サイズとセーブセットの平均サイズ
ファイルの平均サイズ
差分バックアップで保存された量の、フルバックアップで保存された量に対する割合
次の例は、独自にカスタマイズした照会を作成する場合に従うべきガイドラインです。短縮構文も、できる限り記載しています。
サーバーが管理するすべてのボリュームについての情報をすべて表示するには、次のように入力します。
mminfo -m |
mars.001 と mars.002 のラベルの付いたボリュームのメディア情報を表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -m mars.001 mars.002 |
/usr という名前のファイルインデックス内で検出されたセーブセットをすべて表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -N /usr |
先週バックアップされた、venus という名前のクライアントによって生成された /usr という名前のセーブセットを表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -N /usr -c venus |
mars.001 というラベルが付いたボリューム上にある、venus という名前のクライアントによって生成された /usr という名前のセーブセットを表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -N /usr -c venus mars.001 |
先週書き込まれた、すべてのボリュームのメディアレポートを表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -m -t `last week' |
空き領域のある各ボリュームについて、使用された割合、プール名、および実際の位置を示すメディアレポートを表示するには、次のように入力します。
mminfo -a -r `volume,%used,pool,location' -q `!full' |
-m を指定したときのレポートと同様の形式でボリュームラベルの代わりにメディアのバーコードの情報を表示するには、次のように入力します。
mminfo -a -r ¥ `state,barcode,written,%used,read,space,volexp' ¥ -r`mounts(5),space(2),capacity' |
複数のコピーがあるすべてのセーブセットのインスタンスのリストを冗長モードで表示するには、次のように入力します。このリストは、保存時間とクライアント名でソートされます。
mminfo -otc -v -q `copies>1' |
「my project」という注釈が付いた、過去 4 ヶ月間のすべてのアーカイブセーブセットを表示するには、次のように入力します。
mminfo -q'annotation=my project' ¥ -r"volume,client,savetime,sumsize,ssid,name,annotation" ¥ -t'four months ago' |