N1 Grid Service Provisioning System 5.0 インストールガイド

第 4 章 Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX への N1 Grid Service Provisioning System 5.0 のインストール

この章では、Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX サーバーに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 をインストールする手順について説明します。次の内容について説明します。

N1 Grid Service Provisioning System 5.0 のインストール

製品メディアから該当するインストールスクリプトを選択し、各アプリケーションを個別にインストールします。各 N1 Grid Service Provisioning System 5.0 アプリケーションのインストールスクリプトは、初めに同じ予備作業を実行し、ディレクトリ、ファイル、および JavaTM Runtime Environment (JRE) についての同じ質問を表示します。続いて、インストールするアプリケーションに固有の、構成に関する質問を表示します。

ProcedureSolaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX システムに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 をインストールする

始める前に

「N1 Grid Service Provisioning System 5.0 のインストール – 手順の概要」に示されているインストールプロセスの概要に目を通します。アプリケーションのインストール前に必要な作業があれば、それらを済ませます。

手順
  1. そのアプリケーションを所有するユーザーでログインします。

    root でログインすれば、ルートユーザーでソフトウェアをインストールできます。必要に応じインストールプログラムは、どのユーザーがソフトウェアを所有すべきか指定するようにメッセージを表示します。


    注 –

    Master Server または CLI Client を Solaris サーバーにインストールする場合は、root でログインする必要があります。


  2. インストールスクリプトにアクセスします。

    • CD からインストールしている場合は、該当する CD を挿入します。

      • Solaris OS、SPARC サーバーにソフトウェアをインストールする場合は、N1 Grid Service Provisioning System 5.0: Solaris, SPARC CD を挿入します。

      • Solaris OS、x86 サーバーにソフトウェアをインストールする場合は、N1 Grid Service Provisioning System 5.0: Solaris, x86 CD を挿入します。

      • IBM AIX または Red Hat Linux にソフトウェアをインストールする場合は、N1 Grid Service Provisioning System 5.0: IBM-AIX, Red Hat Linux CD を挿入します。

    • ダウンロードしたイメージからインストールする場合は、そのイメージが保存されているディレクトリに移動します。

  3. スクリプトが置かれている場所 (ソフトウェア CD 上のディレクトリまたはダウンロードしたイメージ内のディレクトリ) に移動します。


    # cd /script-directory
    

    script-directory には、次に示す値の 1 つを指定します。

    • solaris_sparc

    • solaris_x86

    • aix

    • linux

  4. インストールするアプリケーションのインストールスクリプトを起動します。


    # cr_app_opsystem_5.0.sh [-allowForwardVersion]
    

    app には、次に示す値の 1 つを指定します。

    • ms – Master Server をインストールする

    • ra – Remote Agent をインストールする

    • ld – Local Distributor をインストールする

    • cli – CLI Client をインストールする

    opsystem には、次に示す値の 1 つを指定します。

    • solaris_sparc – Solaris OS を使用している SPARC ベースのハードウェアにアプリケーションをインストールする。Master Server または CLI Client をインストールするには、solaris_sparc_pkg を使用します。

    • solaris_x86 – Solaris OS を使用している x86 ベースのハードウェアにアプリケーションをインストールする。Master Server または CLI Client をインストールするには、solaris_x86_pk を使用します。

    • aix – IBM AIX にアプリケーションをインストールする

    • linux – Red Hat Linux にアプリケーションをインストールする

    -allowForwardVersion オプションを指定すると、N1 Grid Service Provisioning System 5.0 がそのオペレーティングシステムでサポートしている最高バージョンを超える OS バージョンに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 アプリケーションをインストールできます。-allowForwardVersion オプションを使用すると、インストールプログラムはアプリケーションがインストールされるオペレーティングシステムがサポートされているかどうかを確認しません。サポートされていないオペレーティングシステムでの N1 Grid Service Provisioning System 5.0 の使用については、Sun サービスは標準サポートを提供しません。


    注意 – 注意 –

    サポートされていないオペレーティングシステムに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 をインストールすると、不確定な動作や予期しない動作が発生することがあります。サポートされていないオペレーティングシステムに対する N1 Grid Service Provisioning System 5.0 のインストールは、テスト目的以外では行わないでください。運用環境では、サポートされていなオペレーティングシステムに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 をインストールして使用することは避けてください。


  5. インストール中に構成についての質問が表示される場合は、その質問に答えてください。

    インストールが完了すると、アプリケーションを起動するか尋ねるメッセージが表示されます。

    インストールプログラムは、/tmp/N1GridSPSInstaller.log.pidnumber ファイルにイベントログを保存します。

Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX システムへの非対話方式による Remote Agent のインストール

Remote Agent は、構成設定を示すパラメータファイルを指定することによって非対話型形式でインストールできます。インストールプログラムに対してパラメータファイルを指定すると、インストール中に構成についての選択を求めるメッセージは表示されません。インストールプログラムは、パラメータファイル内に指定された構成情報を使用します。

ProcedureSolaris OS、Red Hat Linux、および IBM AIX システムに Remote Agent を非対話方式でインストールする

始める前に

Remote Agent をインストールするには、あらかじめ Master Server をインストールする必要があります。Master Server は、Remote Agent をインストールするマシンにインストールする必要はありません。

手順
  1. Remote Agent をインストールするマシンで、Remote Agent を所有するユーザーでログインします。

    root でログインすれば、ルートユーザーでソフトウェアをインストールできます。必要に応じインストールプログラムは、どのユーザーがソフトウェアを所有すべきか指定するようにメッセージを表示します。

  2. インストールスクリプトにアクセスします。

    • CD からインストールしている場合は、該当する CD を挿入します。

      • Solaris OS、SPARC サーバーに Remote Agent をインストールする場合は、N1 Grid Service Provisioning System 5.0: Solaris, SPARC CD を挿入します。

      • Solaris OS、x86 サーバーに Remote Agent をインストールする場合は、N1 Grid Service Provisioning System 5.0: Solaris, x86 CD を挿入します。

      • IBM AIX または Red Hat Linux に Remote Agent をインストールする場合は、N1 Grid Service Provisioning System 5.0: IBM-AIX, Red Hat Linux CD を挿入します。

    • ダウンロードしたイメージからインストールする場合は、そのイメージが保存されているディレクトリに移動します。

  3. スクリプトが置かれている場所 (ソフトウェア CD 上のディレクトリまたはダウンロードしたイメージ内のディレクトリ) に移動します。


    % cd /script-directory
    

    script-directory には、次に示す値の 1 つを指定します。

    • solaris_sparc

    • solaris_x86

    • aix

    • linux

  4. Remote Agent をインストールするマシンに、インストールスクリプトをコピーします。


    % cp cr_ra_opsystem_5.0.sh RA-machine/
    

    RA-machine は、Remote Agent をインストールするマシン上のディレクトリです。opsystem には、次に示す値の 1 つを指定します。

    • solaris_sparc – Solaris OS を使用している SPARC ベースのハードウェアに Remote Agent をインストールする

    • solaris_x86 – Solaris OS を使用している x86 ベースのハードウェアに Remote Agent をインストールする

    • aix – IBM AIX に Remote Agent をインストールする

    • linux – Red Hat Linux に Remote Agent をインストールする

  5. インストールスクリプトと同じディレクトリにパラメータファイルをコピーします。

    Master Server をインストールする際に、Master Server の N1SPS5.0-MasterServer-home/server/bin ディレクトリにサンプルパラメータファイルがインストールされます。このファイル内に指定されているデフォルト値を使用することも、あるいはファイルを編集してカスタム値を追加することもできます。cr_ra_remote_params.sh サンプルパラメータファイルの内容は、「Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX システムの Remote Agent パラメータファイル (サンプル)」を参照してください。

    使用するパラメータファイルを新たに作成することもできます。パラメータファイルは、実行可能なファイルでなければなりません。

    N1SPS5.0-MasterServer-home は、Master Server をインストールしたディレクトリです。

  6. インストールスクリプトを起動します。


    % cr_ra_opsystem_5.0.sh -paramfile parameters-file.sh [-allowForwardVersion]
    

    opsystem には、次に示す値の 1 つを指定します。

    • solaris_sparc – Solaris OS を使用している SPARC ベースのハードウェアに Remote Agent をインストールする

    • solaris_x86 – Solaris OS を使用している x86 ベースのハードウェアに Remote Agent をインストールする

    • aix – IBM AIX に Remote Agent をインストールする

    • linux – Red Hat Linux に Remote Agent をインストールする

    parameters-file には、インストールプログラムに構成情報を取得させるパラメータファイルの名前を指定します。パラメータファイルは、実行可能なファイルでなければなりません。

    -allowForwardVersion オプションを指定すると、N1 Grid Service Provisioning System 5.0 がそのオペレーティングシステムでサポートしている最高バージョンを超える OS バージョンに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 Remote Agent をインストールできます。-allowForwardVersion オプションを使用すると、インストールプログラムは Remote Agent がインストールされるオペレーティングシステムがサポートされているかどうかを確認しません。サポートされていないオペレーティングシステムでの N1 Grid Service Provisioning System 5.0 の使用については、Sun サービスは標準サポートを提供しません。


    注意 – 注意 –

    サポートされていないオペレーティングシステムに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 をインストールすると、不確定な動作や予期しない動作が発生することがあります。サポートされていないオペレーティングシステムに対する N1 Grid Service Provisioning System 5.0 のインストールは、テスト目的以外では行わないでください。運用環境では、サポートされていなオペレーティングシステムに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 をインストールして使用することは避けてください。


Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX システムへの Remote Agent のリモートインストール

ネットワーク上のほかのマシンから、Remote Agent をインストールできます。Remote Agent をほかのマシンからインストールするために必要なスクリプトは、Master Server のインストール時に N1SPS5.0-MasterServer-home/server/bin ディレクトリにインストールされます。このインストールでは、環境変数を使用して非対話方式で Remote Agent のインストールと構成が行われます。この環境変数はパラメータファイル内またはコマンド行で設定することも、インストールスクリプトに入っているデフォルト値を使用することもできます。

ProcedureSolaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX にリモートマシンから Remote Agent をインストールする

Remote Agent のインストールスクリプトは、対象マシンのオペレーティングシステムに固有のものです。これらのステップは、対象マシン上で使用されている各オペレーティングシステムに合わせて行う必要があります。

始める前に

対象マシンは、次の要件を満たす必要があります。

実行時には、UNIX ユーティリティ sshscp が Master Server マシンにインストールされ、パス内に存在している必要があります。

リモートインストールプログラムは、環境変数を使用して Remote Agent のインストールと構成を行います。この環境変数は、パラメータファイルまたはコマンド行に指定するか、または、インストールスクリプトが提供するデフォルト値を使用します。以下に、必須の環境変数とデフォルト値を示します。

手順
  1. Master Server マシンで、インストールスクリプトにアクセスします。

    • CD からインストールしている場合は、該当する CD を挿入します。

      • Solaris OS、SPARC サーバーに Remote Agent をインストールする場合は、N1 Grid Service Provisioning System 5.0: Solaris, SPARC CD を挿入します。

      • Solaris OS、x86 サーバーに Remote Agent をインストールする場合は、N1 Grid Service Provisioning System 5.0: Solaris, x86 CD を挿入します。

      • IBM AIX または Red Hat Linux に Remote Agent をインストールする場合は、N1 Grid Service Provisioning System 5.0: IBM-AIX, Red Hat Linux CD を挿入します。

    • ダウンロードしたイメージからインストールする場合は、そのイメージが保存されているディレクトリに移動します。

  2. スクリプトが置かれている場所 (ソフトウェア CD 上のディレクトリまたはダウンロードしたイメージ内のディレクトリ) に移動します。


    % cd /script-directory
    

    script-directory には、次に示す値の 1 つを指定します。

    • solaris_sparc

    • solaris_x86

    • aix

    • linux

  3. インストールスクリプトを Master Server にコピーします。


    % cp cr_ra_opsystem_5.0.sh N1SPS5.0-MasterServer-home/server/bin
    

    N1SPS5.0-MasterServer-home は、Master Server をインストールしたディレクトリです。opsystem には、次に示す値のどれかを指定します。

    • solaris_sparc – Solaris OS を使用している SPARC ベースのハードウェアに Remote Agent をインストールする

    • solaris_x86 – Solaris OS を使用している x86 ベースのハードウェアに Remote Agent をインストールする

    • aix – IBM AIX に Remote Agent をインストールする

    • linux – Red Hat Linux に Remote Agent をインストールする

  4. スクリプトが置かれているディレクトリへ移動します。


    % cd N1SPS5.0-MasterServer-home/server/bin
    

    N1SPS5.0-MasterServer-home には、Master Server をインストールしたディレクトリを指定します。

  5. インストールスクリプトに構成情報をどのように提供するかを決定します。

    • 新しいパラメータファイルを作成するか、あるいは N1 Grid Service Provisioning System 5.0 によってインストールされたサンプルパラメータファイルを編集する。Master Server をインストールする際に、パラメータファイルがインストールされます。このファイルには、N1SPS5.0-MasterServer-home/server/bin/cr_ra_remote_params.sh という名前が付けられます。このファイル内に指定されているデフォルト値を使用することも、あるいはファイルを編集してカスタム値を追加することもできます。使用するパラメータファイルを新たに作成することもできます。サンプルパラメータファイルの内容は、「Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX システムの Remote Agent パラメータファイル (サンプル)」に挙げられています。パラメータファイルは、実行可能なファイルでなければなりません。

    • 環境変数を設定する


      % export CR_RA_INSTALLER_USER=username
      % export CR_RA_INSTALLER_WORKDIR=/working_directory
      % export CR_RA_INSTALLER_LEAVEFILES=yes_or_no
      % export CR_RA_INSTALLER_HOSTS=hostnames.enterprise.com,10.10.0.207
      
  6. リモートインストールを開始します。


    % cr_ra_remote.sh -paramfile path-to-file/parameters-file.sh –f
    cr_ra_opsystem_5.0.sh hostnames
    
    • cr_ra_opsystem_5.0.sh には、N1 Grid Service Provisioning System 5.0 CD または ダウンロードしたイメージからコピーしたインストールスクリプトを指定します。

    • path-to-file/parameters-file には、構成情報を取得するためにインストールプログラムが使用するパラメータファイルのパスと名前を指定します。環境変数を設定する場合と、インストールスクリプトにデフォルト値を使用させる場合は、パラメータファイルを指定する必要はありません。

    • hostnames は、インストール先となるマシンのホスト名です。ホスト名はスペースで区切ってください。パラメータファイル内で、または環境変数として CR_RA_INSTALLER_HOSTS パラメータにホスト名を指定した場合は、コマンド行でホスト名を指定する必要はありません。コマンド行でホスト名を指定すると、それらのホストにインストールされ、CR_RA_INSTALLER_HOSTS パラメータに指定したホストにはインストールされません。

  7. ログファイルの場所を記録します。

    インストールプログラムは、ログファイルが作成されていることと、そのログファイルの場所を表示します。あとで確認できるように、このファイルの場所をメモに記録しておいてください。

  8. リモートマシンのパスワードを求めるメッセージが表示された場合は、そのパスワードを指定してください。

    インストールスクリプトは、リモートマシン上にログファイルを生成します。

Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX システムでのアプリケーションの起動

次に、Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX サーバーで N1 Grid Service Provisioning System 5.0 アプリケーションを起動するコマンドを示します。N1SPS5.0-home は、アプリケーションのホームディレクトリです。


注意 – 注意 –

N1 Grid Service Provisioning System 5.0 アプリケーション (Master Server など) の起動に Bourne シェルは使用しないでください。Bourne シェルで cr_server start コマンドを使用して Master Server プロセスを起動し、Master Server を起動したシェルで、後続のコマンドに対して ^C コマンドを発行すると、データベースと Master Server のプロセスが停止します。

N1SPS5.0-home/server/bin/roxdb.out ファイルで、次のメッセージが最新のエントリとして表示されます。


DEBUG:  fast shutdown request
DEBUG:  aborting any active transactions

表 4–1 Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX アプリケーションの起動コマンド

アプリケーション 

コマンドのパス 

起動用のコマンド 

Master Server 

N1SPS5.0-home/server/bin/

cr_server start

Local Distributor 

N1SPS5.0-home/ld/bin/

cr_ld start

Remote Agent 

N1SPS5.0-home/agent/bin/

cr_ra start

CLI Client 

N1SPS5.0-home/cli/bin/

cr_cli CLI-command

Jython バージョンの CLI Client 

N1SPS5.0-home/cli/bin/

cr_clij CLI-command