N1 Grid Service Provisioning System 5.0 インストールガイド

Remote Agent と Local Distributor のアップグレード

N1 Grid Service Provisioning System 5.0 には、Master Server のブラウザインタフェースを使用して Remote Agent と Local Distributor をアップグレードできる自動アップグレードユーティリティがあります。この自動ユーティリティを使用する前に、すべての Remote Agent と Local Distributor を N1 Grid Service Provisioning System 5.0 がサポートするオペレーティングシステムのバージョンで稼働させる必要があります。サポートされないオペレーティングシステムのバージョンで自動アップグレードを開始した場合、Remote Agents または Local Distributor の一部がアップグレードされなかったことを知らせるメッセージが表示されることがあります。この場合、それらを各サーバーで手動でアップグレードする必要があります。詳細は、「Remote Agent と Local Distributor を現在サポートされていないオペレーティングシステムから手動でアップグレードする」を参照してください。

ProcedureRemote Agent と Local Distributor をアップグレードする

N1 Grid Service Provisioning System 5.0 がサポートしないオペレーティングシステムのバージョンで Remote Agent と Local Distributor を稼働している場合は、まずサーバーを N1 Grid Service Provisioning System の 4.1 バージョンと 5.0 バージョンの両方でサポートされるオペレーティングシステムにアップグレードします。その後、ブラウザインタフェースを使用してネットワーク内のすべての Remote Agent と Local Distributor をアップグレードします。アプリケーションのアップグレードが完了したところで、サーバーを上位バージョンのオペレーティングシステムにアップグレードできます (そのバージョンが N1 Grid Service Provisioning System 5.0 でサポートされている場合)。

例として、4.1 バージョン の Remote Agent を Red Hat Linux 7.1 サーバーで稼働しており、このサーバーを Red Hat Linux 3.0 Advanced Server にアップグレードする場合を考えてみましょう。まず、このサーバーを、N1 Grid Service Provisioning System の 4.1 バージョンと 5.0 バージョンの両方でサポートされる Red Hat Linux Advanced Server 2.1 にアップグレードする必要があります。次に、Master Server のブラウザインタフェースを使用して、すべての Remote Agent をアップグレードします。最後に、サーバーを Red Hat Linux 3.0 にアップグレードします。

始める前に

Remote Agent と Local Distributor をアップグレードする前に Master Server を移行します。

手順
  1. N1 Grid Service Provisioning System 5.0 がサポートしないオペレーティングシステムで、4.1 の Remote Agent または Local Distributor を稼働するサーバーがないか確認します。

    サポートされるオペレーティングシステムの一覧は、「サポートされているオペレーティングシステム」を参照してください。

  2. N1 Grid Service Provisioning System 5.0 がサポートしないオペレーティングシステムで 4.1 の Remote Agent または Local Distributor を稼働する各サーバーで、そのオペレーティングシステムを 4.1 バージョンと 5.0 バージョンの両方の N1 Grid Service Provisioning System でサポートされるバージョンにアップグレードします。

  3. N1 Grid Service Provisioning System 5.0 Master Server のブラウザインタフェースにログインします。

  4. 「Hosts」をクリックします。

  5. 「masterserver」をクリックします。

  6. 「Update Entire N1 SPS network...」ボタンをクリックします。

    ウィンドウが開かれ、アップグレード中のホストの一覧と、アップグレードの進捗状態が表示されます。処理が完了したところで、次のメッセージが表示されます。


    Host Update not yet complete.
  7. 「Close」ボタンをクリックします。

  8. アップグレードの第 2 段階を完了するために、「Update Entire N1 SPS network...」ボタンをもう一度クリックします。

    アップグレード中のホストの一覧と、アップグレードの進捗状態が表示されます。処理が完了したところで、各ホストのステータスが「Updated」と表示されます。

  9. 「Close」ボタンをクリックします。

    以上でアップグレードが完了します。

  10. アップグレードしたホストの準備作業を行います。

    アップグレードしたホストでプランを実行する前に、そのホストの準備作業を行う必要があります。ホストの準備作業を行うには、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 システム管理者ガイド』「物理ホストを準備する」の説明に従ってください。

  11. (省略可能) 必要に応じ、サーバーで使用されているオペレーティングシステムを上位バージョンにアップグレードできます。

    アップグレード後のオペレーティングシステムバージョンは、N1 Grid Service Provisioning System 5.0 がサポートするバージョンでなければなりません。

ProcedureRemote Agent と Local Distributor を現在サポートされていないオペレーティングシステムから手動でアップグレードする

Remote Agent と Local Distributor を自動的にアップグレードする前に、N1 Grid Service Provisioning System 5.0 が現在サポートしていないオペレーティングシステムを実行するサーバーのアップグレードを行わなかった場合は、それらのシステムを手動でアップグレードする必要があります。

手順
  1. アップグレードする 4.1 の Remote Agent または Local Distributor を稼働しているサーバーで、4.1 バージョンの Remote Agent または Local Distributor をインストールしたユーザーでマシンにログインします。

  2. アプリケーションスクリプトが入っているディレクトリに移動します。


    % cd /N1SPS4.1-home/app/bin/
    

    N1SPS4.1-home には、アプリケーションをインストールしたディレクトリを指定します。

    app には、Remote Agent の場合 agent を、Local Distributor の場合 ld を指定します。

  3. 4.1 バージョンの Remote Agent または Local Distributor を停止します。


    % ./cr_app stop
    

    app には、Remote Agent の場合 agent を、Local Distributor の場合 ld を指定します。

  4. システムの起動スクリプトによるシステムのリブート時に 4.1 バージョンの Remote Agent または Local Distributor が自動的に起動しないことを確認します。

  5. サーバーのオペレーティングシステムを N1 Grid Service Provisioning System 5.0 でサポートされているバージョンにアップグレードします。

  6. 4.1 バージョンの Remote Agent または Local Distributor を、サーバー上の一時的な場所に移動させます。


    % mv /N1SPS4.1-home/app /temporary_directory
    

    N1SPS4.1-home には、アプリケーションをインストールしたディレクトリを指定します。

    app には、Remote Agent の場合 agent を、Local Distributor の場合 ld を指定します。

    temporary_directory には、アプリケーションの移動先である一時ディレクトリを指定します。

  7. 5.0 バージョンの Remote Agent または Local Distributor を、4.1 アプリケーションがインストールされているディレクトリにインストールします。

    手順については、「Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX システムに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 をインストールする」を参照してください。

  8. 5.0 バージョンの Remote Agent または Local Distributor のスクリプトが入っているディレクトリに移動します。


    % cd /N1SPS5.0-home/app/bin/
    

    N1SPS5.0-home には、アプリケーションをインストールしたディレクトリを指定します。

    app には、Remote Agent の場合 agent を、Local Distributor の場合 ld を指定します。

  9. データを 5.0 バージョンの Remote Agent または Local Distributor に移行します。


    % ./migrateNode_4.1-5.0.sh -n /N1SPS5.0-home/app -o /temporary_directory/N1SPS4.1-home/app
    

    N1SPS5.0-home には、5.0 アプリケーションをインストールしたディレクトリを指定します。

    /temporary_directory/N1SPS4.1-home には、4.1 アプリケーションを移動させたディレクトリを指定します。

    app には、Remote Agent の場合 agent を、Local Distributor の場合 ld を指定します。

    移行スクリプトによって次のファイルが移行されます。

    • config.properties

    • transport.config

    • キーストア

    • Remote Agent 上のスナップショット

  10. 5.0 バージョンの Remote Agent または Local Distributor を起動します。


    % ./cr_app start
    

    app には、Remote Agent の場合 agent を、Local Distributor の場合 ld を指定します。