N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェアのオブジェクトは、フォルダを使用して、いくつかの方法で編成できます。
フォルダとはディレクトリ型のオブジェクトで、いくつかの方法でプロビジョニングシステムを編成できます。フォルダを使用すると、オブジェクトにアクセス許可を設定したり、必要に応じてグループ化できます。オブジェクトをグループ化し、アクセス許可を操作することで、コンポーネントやプランを用途に応じて編成できます。
ユーザーグループ別に編成
すべてのユーザーグループに、ワークスペースが割り当てられます。ユーザーグループは、ワークスペース内に存在するフォルダに対して、完全なアクセス権と制御権を所有します。たとえば、組織内の特定の部署が、自分のグループに影響するプランやコンポーネントを制御したいとします。この場合、自分のユーザーグループ内のメンバーのみがフォルダ内のプランを実行し、コンポーネントを修正できるようにフォルダを設定できます。これにより、部外者がプランおよびコンポーネントを作成したり実行することはできません。
プロジェクト別または用途別に編成
プロジェクト別または用途別に異なるフォルダを作成すると、誰がどのプロジェクトで作業するかを制御できます。複数の異なるプロジェクトに属するオブジェクトを使用する場合、そのオブジェクトの共有フォルダを作成し、ユーザーグループに共有フォルダに対するアクセス許可を割り当てます。
フォルダの特性
フォルダは、ユーザーにすべてのフォルダ、コンポーネント、およびプランに対する読み取り許可を与えます。
各フォルダには、所有者と書き込み/実行許可があるため、そのフォルダ内のオブジェクトに対するタスクを実行できるユーザーが制限されます。
フォルダのアクセス許可と所有者ユーザーグループは、ほかのフォルダには適用されません。
新規フォルダは親フォルダのアクセス許可を継承しますが、最初のフォルダが作成されたあとは、サブフォルダのアクセス許可を直接操作できます。
各フォルダは、それぞれのネームスペースとして機能します。
フォルダ内では、さまざまなオブジェクトに同じ名前を付けられます。
同じタイプの 2 つのオブジェクトは、異なるフォルダに存在する場合にのみ同じ名前を持つことができます。
コンポーネント、プラン、およびフォルダの表示において、フォルダパスは維持されます。特定のフォルダ内にいるときに、その同じフォルダ内から異なるビュー間をナビゲートできます。
ユーザーは、プラグインによって作成されたフォルダに、コンポーネント、プラン、またはサブフォルダを追加できません。
ルートフォルダの名前は、変更、移動、または削除できません。
新規フォルダを作成して、コンポーネントとプランをさらに細かく編成できます。
新規フォルダを作成した場合、そのフォルダのパスは、新規フォルダが作成されたときに選択したフォルダにより決まります。フォルダの作成後にフォルダのパスを変更するには、「フォルダを移動する」を参照してください。
新規フォルダのユーザーグループとアクセス許可は、デフォルトで親フォルダのアクセス許可と同じになります。フォルダのアクセス許可を変更するには、「ユーザーグループのフォルダアクセス許可を変更する」を参照してください。
コンポーネントまたはプランが作成されても、フォルダは自動的に作成されません。従来の方式でフォルダを作成するスクリプトがある場合、フォルダに格納するプランやコンポーネントを作成する前に、そのフォルダを明示的に作成するようにスクリプトを更新する必要があります。
ここでは、ブラウザインタフェース を使用してフォルダを作成する方法について解説します。また、次のコマンドを使用してフォルダを作成することもできます。
fdb.f.add – 新規フォルダを作成します。
フォルダを作成するには、親フォルダに対する書き込み許可が必要です。
サブフォルダを作成するときに、フォルダの所有者ユーザーグループに属する必要はありません。ただし、新規フォルダの所有者ユーザーグループまたはデフォルトのアクセス許可を変更するためには、所有者ユーザーグループに属する必要があります。
サブフォルダを追加するフォルダを表示します。
目的の「Folders」ページに移動する方法については、「フォルダを表示する」を参照してください。
「Folders 」ページの表の 1 行目に、フォルダ名を入力し、所有者ユーザーグループを選択します。新規フォルダに関する短い説明を入力して、「Create」をクリックします。
新規フォルダの「Edit」ページが表示されます。
正しいフォルダ名、所有者ユーザーグループ、および説明が表示されていることを確認します。
(省略可能) 所有者ユーザーグループのメンバーは、フォルダの所有者ユーザーグループを変更したり、新規フォルダにアクセスできる各ユーザーグループのアクセス許可を設定したりできます。
ユーザーグループのフォルダアクセス許可を構成したあと、「Add」をクリックします。「Add」をクリックしなければ、フォルダを保存するときにユーザーグループのアクセス許可は失われます。
フォルダのアクセス許可を変更する方法については、「ユーザーグループのフォルダアクセス許可を変更する」を参照してください。
「保存」をクリックします。
新規フォルダの作成に失敗した場合、以下の条件を確認します。
フォルダを作成するときに、フォルダのパスが 512 文字を超えていないこと (スラッシュ / を含む)。
フォルダの名前に文字、数字、ダッシュ (-)、アンダースコア (_)、ピリオド (.)、およびスペース (' ') 以外が使用されていないこと。
新規フォルダの名前が、親フォルダの既存のフォルダ名と競合しないこと。
親フォルダがプラグインで作成されていないこと。
サブフォルダを新規作成できるのは、プラグインの改訂版、またはそのプラグインに依存するプラグインのみです。
フォルダを表示するには、「階層表示」と「フラット表示」の 2 通りの方法があります。それぞれの表示では、フォルダパス、そのフォルダに格納されるフォルダのリストと、そのフォルダの所有者が示されます。
デフォルトは階層表示であり、現在のフォルダに対するアクセス許可と、そのフォルダの 1 つ下のサブフォルダが示されます。フラット表示は、現在のフォルダ情報と、現在のフォルダの下にフォルダ階層全体を示します。
システム内のすべてのフォルダを表示するには、上位レベルのフォルダに移動し (/) 、「In Flat View」を選択します。
ここでは、ブラウザインタフェース を使用してフォルダを表示する方法について解説します。また、次のコマンドを使用してフォルダを表示することもできます。
fdb.f.la – すべてのフォルダを表示します。
fdb.f.lo – 特定のフォルダに関する詳細情報を表示します。
ナビゲーションメニューから、「Folders」を選択します。
フォルダリストのページに、そのフォルダに格納されるフォルダのリストと、そのフォルダの所有者が示されます。
「Folders 」ページで、表示するフォルダを選択し、「Details」をクリックします。
「Folder」表に、表示したいフォルダが含まれていない場合は、「Change Folder」をクリックします。「Folder」ツリーからフォルダを選択し、「Change to Selected Path」をクリックします。
「Details」ページには、アクセス許可、フォルダにアクセスできるユーザーグループ、およびフォルダで実行できるほかのタスクへのリンクが表示されます。
(省略可能) フォルダにある、サブフォルダの階層全体を表示するには、「Show Flat View」を選択します。
フラット表示は、選択されたフォルダに入れ子になっているすべてのフォルダを、1 つの表に表示します。
(省略可能) フォルダの内容を表示するには、「Show」メニューを使用してコンポーネント、プラン、サブフォルダを切り替えます。
フォルダを移動することで、ワークスペースを柔軟に操作できます。プロジェクトの変更や、チームのワークフローの変更に伴い、フォルダを移動しなければならないことがあります。
フォルダを移動すると、そのフォルダに格納されるオブジェクトもすべて移動されます。すべてのコンポーネント、プラン、およびサブフォルダが移動されるだけでなく、コンポーネントおよびプランへの参照も、新しい階層を反映して自動的に更新されます。
移動するフォルダのアクセス許可と所有者グループが移動先のフォルダと異なる場合でも、それらは維持されます。
一度に複数のフォルダを移動するには、フォルダのリストページから操作します。一度に複数のフォルダを移動すると、すべてのフォルダが同じ移動先フォルダに移されます。ただし、その中の 1 つのフォルダが移動できなければ、ほかのすべてのフォルダも移動されません。
ここでは、ブラウザインタフェース を使用してフォルダを移動する方法について解説します。また、次のコマンドを使用してフォルダを移動することもできます。
fdb.f.mv – 1 つのフォルダを移動または名前を変更します。
フォルダを移動するには、移動するフォルダの親フォルダ、および移動先フォルダに対する書き込み許可が必要です。フォルダの移動によって影響を受けるほかのオブジェクトへの書き込み許可は不要です。
移動するフォルダの「Details」ページを表示します。
フォルダの「Details」ページに移動する方法については、「フォルダを表示する」を参照してください。
「移動」をクリックします。
「Move Folder」ウィンドウが表示されます。
フォルダの移動先フォルダを選択します。
以下のいずれかの方法で、新規親フォルダを選択します。
フォルダツリー内を移動して、親フォルダを選択します。
「Move to Folder」フィールドに親フォルダの名前を入力します。
「移動」をクリックします。
移動が完了すると、フォルダの「Details」ページに、フォルダの新しいパスが表示されます。
フォルダの移動に失敗した場合、以下の条件を確認します。
移動されるフォルダの名前が、移動先フォルダ内にある既存のフォルダ名と競合していないこと。
フォルダを新しいパスに移動しても、フォルダパスが 512 文字を超えていないこと。
フォルダ、そのサブフォルダ、および移動先フォルダがプラグインによって作成されていないこと。
ここでは、ブラウザインタフェース を使用し、フォルダの名前と説明を変更する方法について解説します。また、次のコマンドを使用してフォルダの名前を変更することもできます。
fdb.f.mv – フォルダを移動または名前を変更します。
フォルダの名前を変更すると、古いフォルダへの参照も自動的に更新されます。
フォルダの名前を変更するには、親フォルダに対する書き込み許可が必要です。フォルダの名前変更によって影響を受けるほかのオブジェクトへの書き込み許可は不要です。
名前変更するフォルダの「Details」ページを表示します。
フォルダの「Details」ページに移動する方法については、「フォルダを表示する」を参照してください。
「Rename」をクリックします。
「Rename Folder」ウィンドウが表示されます。
テキストフィールドに新規フォルダ名を入力して、「Rename」をクリックします。
フォルダの「Details」ページに、フォルダの新しい名前が表示されます。
フォルダの名前変更に失敗した場合、以下の条件を確認します。
新しいフォルダ名に、特殊文字が含まれていないこと。
フォルダの名前変更により、パスが 512 文字を超えていないこと。
フォルダの新しい名前が、親フォルダ内のの既存のフォルダ名と競合していないこと。
フォルダと、そのすべてのサブフォルダがプラグインで作成されていないこと。
ここでは、ブラウザインタフェース を使用してフォルダの説明文を変更する方法について解説します。また、次のコマンドを使用してフォルダの説明文を変更することもできます。
fdb.f.mod – フォルダの説明文を変更します。
フォルダの説明文を変更するには、変更するフォルダに対する書き込み許可が必要です。
編集するフォルダの「Details」ページを表示します。
フォルダの「Details」ページに移動する方法については、「フォルダを表示する」を参照してください。
「編集」をクリックします。
「Description」フィールドに新しい説明文を入力します。
「保存」をクリックします。
フォルダのアクセス許可を変更するには、フォルダからユーザーグループを追加または削除するか、現在のユーザーグループに対して付与されているアクセス許可の種類を変更します。
ここでは、ブラウザインタフェースを使用してフォルダアクセス許可を変更する方法について解説します。また、次のコマンドを使用し、特定のグループにアクセス許可を追加したり、アクセス許可を無効にしたりできます。
fdb.f.mp – フォルダアクセス許可を変更し、フォルダにユーザーグループを追加します。
フォルダの作成時にアクセス許可を追加する予定の場合は、親フォルダの所有者ユーザーグループのメンバーである必要があります。ただし、フォルダを作成したあとは、そのフォルダの所有者ユーザーグループでなければなりません。
編集するフォルダの「Details」ページを表示します。
フォルダの「Details」ページに移動する方法については、「フォルダを表示する」を参照してください。
「Details」ページで、「編集」をクリックします。
「Permissions」表にユーザーグループを追加したり、削除したりします。
ユーザーグループを追加します。
「Permissions」表で、フォルダアクセス許可を割り当てるユーザーグループを選択します。
ユーザーグループに割り当てるアクセス許可を選択します。
アクセス許可に関する詳細については、「フォルダ固有のアクセス許可」を参照してください。
ユーザーグループの新しいアクセス許可を登録するには、「Add」をクリックします。
「Action」列から「Remove」を選択し、ユーザーグループを削除します。
「保存」をクリックします。
フォルダの管理アクセス許可を別のグループに割り当てるには、そのフォルダの所有者ユーザーグループを変更します。新しいサブフォルダを作成し、そのサブフォルダに含まれるすべてのオブジェクトに対する完全な制御権を別のユーザーグループに割り当てる場合、フォルダの所有者ユーザーグループは変更する必要があります。
ここでは、ブラウザインタフェースを使用してフォルダの所有者を変更する方法について解説します。また、次のコマンドを使用してフォルダの所有者を変更することもできます。
fdb.f.co – フォルダの所有者を変更します。
フォルダの所有者ユーザーグループを変更するには、現在の所有者ユーザーグループのメンバーでなければなりません。ただし、新規所有者ユーザーグループのメンバーである必要はありません。
自分も含め、現在の所有者グループのほかのメンバーから、所有者アクセス許可を削除できます。
編集するフォルダの「Details」ページを表示します。
フォルダの「Details」ページに移動する方法については、「フォルダを表示する」を参照してください。
「Details」ページで、「編集」をクリックします。
「Owner User Group」メニューから、新規所有者ユーザーグループを選択します。
変更内容を保存するには、「保存」をクリックします
フォルダを削除すると、そのフォルダに含まれるコンポーネント、プラン、およびほかのフォルダも含むすべてが削除されます。オブジェクトのどれかが削除されずに残ると、ほかのオブジェクトも削除されず、フォルダも残ります。
一度に複数のフォルダを削除するには、フォルダのリストページから操作します。複数のフォルダを削除する場合、削除されないフォルダがあっても、それ以外のフォルダは削除されます。
ここでは、ブラウザインタフェース を使用してフォルダを削除する方法について解説します。また、次のコマンドを使用してフォルダを削除することもできます。
fdb.f.del – フォルダを削除します。
フォルダを削除するには、そのフォルダ、親フォルダ、および削除するフォルダに含まれるすべてのフォルダに対する書き込み許可が必要です。
削除するフォルダの「Details」ページを表示します。
フォルダの「Details」ページに移動する方法については、「フォルダを表示する」を参照してください。
ページの下にある「Delete」ボタンをクリックします。
削除を確認または中止するプロンプトが表示されます。
削除するフォルダを確認して、「Continue to Delete」ボタンをクリックします。
削除されたフォルダは、親フォルダの表には表示されません。
フォルダの削除に失敗した場合、以下の条件を確認します。
フォルダと、そのフォルダに含まれるすべてのオブジェクト (プランやコンポーネントなど) が使用されていないこと。
コンポーネントとプランの削除に関する詳細については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 プランとコンポーネントの開発者ガイド』を参照してください。
削除しようとしたフォルダが、プラグインによって作成されたものでないこと。
プラグインで作成されたフォルダは、プラグインを削除しなければ削除できません。
削除しようとしたフォルダに、プラグインで作成されたサブフォルダが含まれていないこと。