N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェアは、データセンターへのアプリケーションの配備、構成、および分析を自動化する、エンタープライズクラスのソフトウェアプラットフォームです。
プロビジョニングするソフトウェアは、以下に対してオブジェクト指向型のアプローチを使用します。
アプリケーションコンポーネント
アプリケーションコンポーネントに対して IT オペレータが実行する構成、配備、分析などのタスク
このオブジェクト指向型のアプローチでは、アプリケーションが実行されるごとに、自動的にそのアプリケーションに関する情報がすべて考慮されます。このような一貫性により、データセンターの運用をより正確に実施でき、エラーが削減されます。IT オペレータは、アプリケーション全体が必要とするものを把握することで、アプリケーションおよびデータセンターの運用を高度に制御できます。
プロビジョニングシステムでは、以下のタスクを実行できます。
ソフトウェアの配布、パッチ、アップグレードの自動化と管理
既存の配備プロセスのモデル化
ホストにインストールされているソフトウェアの識別
ホストの構成の比較
文書化された、一貫的な構成の監視と保守
さまざまなプロビジョニングシステムアプリケーションについては、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 インストールガイド』の「N1 Grid Service Provisioning System 5.0 アプリケーションの概要」を参照してください。
プロビジョニングシステムを構成する前に、Master Server、Remote Agent、および Local Distributor を起動しておく必要があります。
次の表は、 Solaris OS、Red Hat Linux、および IBM AIX システムで N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェアアプリケーションを起動するコマンドをまとめたものです。N1SPS-home は、アプリケーションのホームディレクトリです。
Bourne シェルを使用し、Master Server やその他の N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェアアプリケーションを起動しないでください。Bourne シェルで cr_server start コマンドを使用して Master Server プロセスを起動し、Master Server を起動したシェルで、後続のコマンドに対して ^C コマンドを発行すると、データベースと Master Server のプロセスが停止します。
N1SPS5.0-home/server/bin/roxdb.out ファイルで、最近のエントリとして次のメッセージが表示されます。
DEBUG: fast shutdown request DEBUG: aborting any active transactions |
アプリケーション |
コマンドへのパス |
起動するコマンド |
---|---|---|
Master Server |
N1SPS5.0-home/server/bin/ |
cr_server start |
Local Distributor |
N1SPS5.0-home/ld/bin/ |
cr_ld start |
Remote Agent |
N1SPS5.0-home/agent/bin/ |
cr_ra start |
CLI Client |
N1SPS5.0-home/cli/bin/ |
cr_cli CLI-command |
Jython バージョンの CLI Client |
N1SPS5.0-home/cli/bin/ |
cr_clij CLI-command |
Windows システムでは、「サービス」パネルで Master Server、Local Distributor、および Remote Agent を起動します。CLI Client は、DOS ウィンドウから起動します。
Master Server、Local Distributor、または Remote Agent を起動するには、「スタート」メニューをクリックし、「プログラム」、「管理ツール」、「サービス」の順にクリックします。「サービス」パネルで、このアプリケーションの名前を見つけ、起動します。
表 1–2 Windows Master Server、Local Distributor、および Remote Agent を起動するサービス名
アプリケーション |
起動するサービス名 |
---|---|
Master Server |
N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェア Server N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェア PostgresSQL Server N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェア IPC Daemon N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェア Database Preparer |
Local Distributor |
N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェア Distributor |
Remote Agent |
N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェア Agent |
プロビジョニングシステムアプリケーションを起動したあと、3 つのインタフェースを使用してプロビジョニングシステムにアクセスできます。
プロビジョニングシステムへのプライマリインタフェースであり、Master Server の組み込み Web サーバーを通じて Master Server と相互作用します。オブジェクト指向型の設計になっているため、すばやくナビゲートすることができるほか、コマンドを使用しなくてもシステムを監視できます。自動化を使用することで、コンポーネントやプランの作成を簡単に行えます。一括移動手順など、一部の操作は、このインタフェースを使用してのみ実行可能です。
ブラウザインタフェースへのアクセス方法については、「ブラウザインタフェースを起動する」を参照してください。
CLI モードでは、シェルから Master Server に対して、単一コマンドを発行できます。また、CLI を使用して、Jython 以外の言語でスクリプトを作成できます。
非対話型 CLI インタフェースへのアクセスと使用方法については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』を参照してください。
この CLI モードでは、CLI コマンドを高度なオブジェクト指向型スクリプトに埋め込めます。Jython Interpreter を使用すると、複数の CLI コマンドを Master Server に送信できます。
CLI Jython インタフェースへのアクセスと使用方法については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』を参照してください。
Master Server がインストールされ、稼動している必要があります。Master Server の起動については、「N1 Grid Service Provisioning System アプリケーションの起動」を参照してください。
Web ブラウザで、Master Server のホームページに移動します。
Master Server の URL は、インストール手順の間に構成されます。使用している Master Server の Web アドレスが分からない場合は、N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェアをインストールし、構成した担当者に問い合わせてください。
デフォルトの場所は、http://masterserver-hostname:8080 です。
該当するフィールドにユーザー名とパスワードを入力します。
プロビジョニングシステムは admin という管理者アカウントでインストールされます。このアカウントのパスワードは、インストール時に構成されます。
admin ユーザーアカウントについては、「デフォルトユーザーアカウント」を参照してください。
「Log In」をクリックします。
マウスを使用せずにログインするには、パスワードを入力したあとに Tab キーを押します。Return キーを押して、ログインプロセスを開始します。
単一コマンド CLI インタフェースへのアクセスと使用方法については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』を参照してください。
CLI Client アプリケーションがインストールされているマシンで、実行するコマンドを入力します。
N1SPS-home/cli/bin/cr_cli -cmd subsystem.object.command -u user -p password |
コマンド構文とコマンド出力形式については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』の第 1 章「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。
CLI Jython インタフェースへのアクセスと使用方法については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』を参照してください。