N1 Grid Service Provisioning System 5.0 プランとコンポーネントの開発者ガイド

プランの概念

planexecution planともいい、特定のホスト上で 1 つ以上のコンポーネントを管理するために使用する命令のシーケンスです。たとえば、実行プランで 3 つのコンポーネントをインストールして、別のコンポーネントの「起動」制御を開始することができます。

プランは、ほかのプランのシーケンスを含むことができます。これにより、共通の命令シーケンスをプランとして作成し、複数のプラン間で共有できます。たとえば、3 つのコンポーネントをインストールし、別のコンポーネントに対して起動を開始するように、プランでプロビジョニングシステムに指示します。

プロビジョニングシステムは、XML schemaで表すオブジェクトのメモリー内表現を提供します。この表現は、これらのオブジェクトの妥当性検査、持続性、バージョン管理のプロセスも定義します。

プロビジョニングシステムがプランを実行するときに、コンポーネントで宣言された置換変数が実際の値に置き換えられます。プロビジョニングシステムは通知機能もサポートするので、プランの実行に関連したイベントに対して電子メールを送信できます。

プランの種類

プロビジョニングシステムがサポートするプランは、次の 2 種類です。

XML スキーマで 2 種類のプランを区別します。したがって、ほかのサブプランの呼び出しが含まれる上位レベルのプランを使用することも、単純なステップからなり、サブプランの呼び出しは含まれていない単純プランを使用することもできます。

単純プランのステップの実行が同一ターゲットホストセット上に限定されるのに対して、複合プランのステップは複数の異なるターゲットホストセット上で実行できるので、この区別は重要です。複合プランでは、含まれる単純プランごとに、ターゲットホストセットを 1 つずつ使用できます。

ステップの概要

Steps は、プランとコンポーネントの両方に組み込むことのできる単純な命令です。プロビジョニングシステムがサポートするステップの種類は、次のとおりです。

コンポーネントの参照

各種ステップは、次の状況でコンポーネントを参照できます。


例 1–1 コンポーネント参照の使い方

「Apache」コンポーネントが次の属性値とともに、ホストにインストールされているものとします。

コンポーネントインスタンス 

installPath

version

installDate

/opt

1.3 

6/1/01 6:00 p.m. 

/usr/local

1.4 

6/1/01 5:00 p.m. 

/opt

1.2 

6/2/01 5:00 p.m. 

/usr/local/bin

1.4 

6/3/01 5:00 p.m. 

/export

1.1 

6/4/01 5:00 p.m. 

以下に、installPath 属性と version 属性の組み合わせに応じて、値が供給されたときに、どのインストール済みコンポーネントが参照されるかを示します。

installPath

version

versionOp

結果 

説明 

なし 

なし 

なし 

version および installPath の値に関係なく、ターゲットホストに最後にインストールされたコンポーネントが使用されます。

/opt

なし 

なし 

version の値に関係なく、指定のインストールパスに最後にインストールされたコンポーネントが使用されます。

/usr/bin

なし 

なし 

エラー 

指定のパスにコンポーネントはインストールされていません。 

なし 

1.4 

=

installPath の値に関係なく、指定のバージョンが含まれているコンポーネントのうち、最後にインストールされたものが選択されます。

なし 

1.5 

任意 

エラー 

指定されたバージョンのコンポーネントはインストールされていません。 

/usr/local

1.4 

=, >=

指定の installPath 属性値および version 属性値と一致するコンポーネントが選択されます。

/usr/local

1.2 

=

エラー 

指定のインストール パスにこのバージョンはインストールされていません。 

/usr/local

1.2 

>, >=

installPathversion、および versionOp の値と一致したもの。

/opt

任意 

エラー 

2 つ以上のコンポーネントが同じパスにインストールされ、なおかつ名前が同じ場合は、事実上、最後にインストールされたコンポーネントがインストール済みコンポーネントを上書きします。それまでにインストールされていたコンポーネントは、直接指定してもアクセスできません。