N1 Grid Service Provisioning System 5.0 リリースノート

第 1 章 N1 Grid Service Provisioning System 5.0 の問題

この章では、すでに判明している N1 Grid Service Provisioning System 5.0 の問題について説明します。

インストールに関する情報

この節では、インストールに関連する既知の問題について説明します。

サポートされていないオペレーティングシステムでも Master Server のインストールを実施できる (6204115)

Red Hat Linux Advanced Server 3.0 環境での N1 Grid Service Provisioning System 5.0 の使用はサポートされていません。しかし、Master Server のインストールプログラムを使用して Red Hat Linux Advanced Server 3.0 上に Master Server をインストールすることは可能です。

対処方法: Red Hat Linux Advanced Server 3.0 上には N1 Grid Service Provisioning System 5.0 Master Server をインストールしないでください。サポートされていないオペレーティングシステムにこのプロビジョニングシステムをインストールすると、不確定な動作や予期しない動作が発生することがあります。

ローカルゾーンが設定された Solaris 10 サーバーでは CLI Client のインストールが失敗することがある (6209280)

Solaris 10 ローカルゾーンが存在する Solaris 10 サーバーで CLI Client のインストールを試みると、インストールが失敗することがあります。この場合、次のエラーメッセージが表示されます。


pkginstall: ERROR: unable to create package object 
  </N1SPS5.0-home/cli>.
    pathname does not exist
    group name <group> not found in group table(s) 
    owner name <user> not found in passwd table(s)

Installation of <SUNWspscl> on zone <xxxx> partially failed.
Error!  Failed to install SUNWspscl. Exit value was 2
Exiting..

インストールが失敗するのは、このプロビジョニングシステムのインストールプログラムがローカルゾーンではなくグローバルゾーンに N1SPS5.0-home/cli ディレクトリを作成するためです。インストールは、このプロビジョニングシステムの所有者として作成されたユーザーとグループがネームサービスの対象となっていない場合も失敗します。

対処方法: CLI Client インストールの失敗を防ぐには、インストールを開始する前に次の操作を行います。

アンインストールの問題点

このセクションでは、アンインストールに関連する既知の問題について説明します。

Windows Master Server の side-by-side アップグレード後、アンインストールが失敗する (6188943)

Windows Master Server の side-by-side アップグレードを行い、即座にアンインストールを試みると、アンインストールは失敗します。アンインストールを確実に行うには、手動の介入とリブートが必要な場合があります。

対処方法: Master Server のアンインストールを行う前に、Windows コントロールパネルの Services アプリケーションで Master Server サービスを停止してください。アンインストールが完了した時点では、Master Server サービスはまだ残っています。マシンをリブートし、Windows コントロールパネルの Services アプリケーションから Master Server サービスのエントリを削除してください。

アンインストールウィンドウに N1 Service Provisioning System 4.1 が表示される (6189043)

N1 Grid Service Provisioning System 4.1 Windows バージョンの Local Distributor または Remote Agent を N1 Grid Service Provisioning System 5.0 バージョンにアップグレードしたあとでその Local Distributor または Remote Agent をアンインストールすると、アンインストールウィンドウのタイトルとして N1 Service Provisioning System 4.1 が表示されます。

対処方法: アンインストールプログラムは正常に動作しています。タイトルの不正表示は無視してください。

ローカルゾーンが設定された Solaris 10 サーバーでは CLI Client のアンインストールが失敗する (6194834)

ローカル Solaris 10 ゾーンが 1 つ存在する Solaris 10 サーバーでは、cr_uninstall.sh スクリプトを使用して CLI Client のアンインストールを試みると、アンインストール処理は失敗します。ログファイルに次のエラーメッセージが記録されます。


N1 Grid SPS Uninstaller Log.
Uninstall started on Fri Nov 12 10:51:36 PST 2004
    Attempting to remove:  SUNWspscl SUNWspsc1
pkgrm: ERROR: cannot use -A option when non-global zones exist
pkgrm: ERROR: cannot use -A option when non-global zones exist

対処方法: CLI Client をアンインストールするには、次の操作を行います。

  1. スーパーユーザー (root) になります。


    % su root
    
  2. - A オプションを指定せずに pkgrm コマンドを実行し、手動で SUNWspsclSUNWspsc1SUNWspsj1 パッケージを削除します。


    # pkgrm SUNWspscl SUNWspsc1 SUNWspsj1
    

実行時の問題

この節では、判明している実行時の問題について説明します。

「Check In Current」処理で、この処理をサポートしないコンポーネントについてのエラーが報告されない (5063014)

「Check In Current」処理を使用することで、ユーザーは Master Server リポジトリ内のコンポーネントのバージョンを最新状態に維持できます。Master Server は、ソースホスト上のバージョンに照らしてそのコンポーネントのバージョンを確認します。この確認は、前回のチェックイン時に収集されたコンポーネント位置についてのメタデータに基づいて行われます。

「Check In Current」処理は、すべてのコンポーネントタイプに対して行えるわけではありません。一般に、ブラウザインタフェースを使用してブラウズできるコンポーネントタイプは「Check In Current」処理が行えます。

「Check In Current」処理をまとめて行う場合、「Check In Current」処理をサポートしないコンポーネントタイプを選択すると、エラーが表示されないまま処理が完了します。サポートされていないコンポーネントタイプについては、「Progress」ダイアログボックスに結果が何も表示されないこともあれば、履歴データとして現れることもあります。

対処方法: 対応策はありません。

Red Hat Linux Advanced Server 3.0 で SSL を使用する場合にシステムがハングアップすることがある (5084676)

N1 Grid Service Provisioning System を Red Hat Linux Advanced Server 3.0 で稼働させている場合、Secure Socket Layer (SSL) 接続を使用するとシステムがハングアップすることがあります。

SSL は、/dev/random を使用して乱数を生成する SecureRandom を使用します。Red Hat Linux Advanced Server 3.0 には、/dev/random のエントロピ収集を妨げるというバグがあります。十分なエントロピが収集されないと /dev/random は乱数を生成しないため、/dev/random からランダムデータを読み取ろうとしてアプリケーションはハングアップします。

対処方法: 次に示す対応策の中から、どれか 1 つを選択してください。

「Plug-Ins」ページからファイルをインポートする際にエラーが発生する (5103015)

「Plug-Ins」ページのブラウザインタフェースから 40MB を超えるファイルのインポートを試みると、インポートは失敗します。

対処方法: 40MB を超えるプラグインファイルをインポートする場合は、CLI Client で plg.p.add コマンドを使用してください。手順については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』の第 11 章「plg:プラグインの CLI コマンド」を参照してください。

単純コンポーネントの全バージョンを一括して削除できない (6173519)

ブラウザインタフェースを使用して新しいファイルコンポーネントを作成し、そのコンポーネントに対して「Check In Current」処理を実行してバージョン 1.1 を作成した場合、両方のコンポーネントバージョンを同時に削除しようとすると、次のエラーメッセージが表示されます。


The 1.0 version of the object cannot be deleted as long as other versions
of the same object exist.

対処方法: 2 つのコンポーネントをまとめて削除せず、別々に削除してください。

通知規則のためにプランの実行速度が遅くなることがある (6176243)

基準がわずかしか存在しないか、あるいはまったく基準が含まれない通知規則を作成すると、プランの実行速度が遅いように見えることがあります。プランの実行が遅いのではく、プラン結果の表示が遅いという可能性があります。

対処方法: 通知規則を作成する場合は、できるだけ多くの基準を使用してください。通知規則の基準を増やすと、ネットワーク上でプロビジョニングシステムが送信する通知電子メールの数が減ります。通知電子メールの数が少なくなると、プラン結果の表示が妨げられる可能性が低くなります。

Master Server API の中にはアクセス許可を確認しないものがある (6199565)

Master Server 上で利用できる API の一部は、アクセス許可をまったくチェックしません。アクセス許可をチェックしない状態では、認証を受けていないユーザーがこれらのサービスを起動し、Master Server に害を及ぼす可能性があります。

対処方法: Master Server と CLI Client は、未承認アクセスを防止するように設定できます。Master Server と CLI Client では、次のセキュリティオプションを利用できます。

バックアップと復元で Master Server パスが異なると復元が失敗する (6201207)

バックアップファイルの作成に使用した Master Server パス以外のパスにインストールされた Master Server にデータを復元しようとすると、その復元は失敗します。次のメッセージが表示されます。


ERROR!  Failed to restore the database successfully.
The following fatal errors were encountered
ERROR:  stat failed on file 'N1SPS5.0-MS-home/': No such file or directory

N1SPS5.0-MS-home は、バックアップファイルの作成に使用された Master Server のホームディレクトリです。

対処方法: Master Server データを復元するサーバーで、バックアップの作成に使用した Master Server と同じディレクトリに Master Server をもう一度インストールしてください。

Windows 2000 プラグインに関連する問題

この節では、Windows 2000 プラグインの既知の問題について説明します。

デフォルト値だけしか持たないレジストリキーリソースは削除できない (5061644)

タイプがレジストリキーである単一リソースを持つコンポーネントを作成できます (キャプチャするエントリは単一のデフォルト値となる)。しかし、付随するレジストリキーを指定せずにその値は配備できても、そのアンインストールや削除はできません。パスが無効であることを知らせるメッセージが表示されます。

対処方法: キャプチャするレジストリキーに含まれる値がデフォルト値のみにならないようにしてください (キーとデフォルト値を含めるなど)。

Microsoft の IIS を変更したあとで既定値に戻しても、相違があると報告される (6189034)

IIS 設定のスナップショットを含む「モデルとインストール」タイプの比較を行う場合、ターゲットサーバー上で IIS 設定をいったん変更し、そのあと元の値に戻すと、相違がまったくないにもかかわらず、比較結果に相違が報告されることがあります。特に、親ノードから継承されたメタベースプロパティ (Web サイトの読み取り / 書き込み許可やデフォルトのドキュメント設定など) ではこのような現象が発生しがちです。

対処方法: このようなケースで報告される相違は無視してください。

Windows IIS アプリケーションをアンインストールできない (6197564)

Windows IIS アプリケーションをアンインストールする場合、Master Server ブラウザインタフェースはアンインストールが正常に完了したというメッセージを表示します。しかし、COM+ アプリケーションは完全には削除されていません。COM+ アプリケーションは、コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」内に残ったままとなります。

対処方法: 残った COM+ アプリケーションを手動で削除してください。

この問題を防ぐには、アプリケーションのインストール時に shutdownDelaySecs 変数の値を増やしてください。

BEA WebLogic プラグインに関連する問題

この節では、WebLogic プラグインの既知の問題について説明します。

EJB コンポーネントがアンインストールされない (5109783)

WebLogic で管理された複数の仮想サーバーに配備されている EJB コンポーネントに対してデフォルトのアンインストール手続きを実行し、それらのサーバーの 1 つだけをアンインストールの対象として選択した場合、EJB コンポーネントがそのサーバーからアンインストールされたようには見えません。

しかし、アンインストール後、EJB をアンインストールした管理対象サーバーの WebLogic コンソール上のタブをクリックすると、EJB がもはや存在しないことが正しく報告されます。また、EJB タブをクリックすると、EJB がアンインストールされた管理対象サーバーでは現在 EJB は使用されていないことが報告されます。

しかし、EJB タブでは EJB がその管理対象サーバーに配備されていると報告されます。

管理対象であるすべてのサーバーから EJB をアンインストールすると、EJB は WebLogic コンソールから正しく除去されます。

対処方法: WebLogic プラグインは正常にアンインストールされています。不正表示は無視してください。

WebLogic Console から WebLogic アプリケーションを削除した場合、スナップショットエラーを表示して比較が失敗する (6186456)

WAR ファイルと Web アプリケーションの設定が登録されている Web アプリケーションコンテナを含む WebLogic Web アプリケーションを配備し、スナップショットを含め、その後 WebLogic Console から Web アプリケーションを削除した場合、Web アプリケーションコンポーネントについて「モデルとインストール」タイプの比較を行うと、次のエラーが表示されます。


Could not complete operation on webapp domain.
No such webapp exists on domain /domain/. (310101)

この比較では、モデルと、サーバーに実際にインストールされているものの相違が報告されるべきですが、比較は失敗に終わります。

対処方法: 対応策はありません。

比較で、配備されていないコンポーネントについての相違が報告されない (6186457)

管理対象サーバーまたはクラスタに配備されている WebLogic WAR または EJB コンポーネントを WebLogic Console を使用して削除しても、WebLogic Console にはその管理対象サーバーまたはクラスタで WAR または EJB コンポーネントがまだ使用されていると報告されます。このため、管理対象サーバーまたはクラスタの「モデルとインストール」タイプの比較を行なっても、相違が報告されません。「モデルとインストール」タイプの比較では、WebLogic Console がチェックされるため、使用中のアプリケーション (ターゲットとされたアプリケーション) は配備されているものとして報告されます。

対処方法: 対応策はありません。

オンディスクの WebLogic アプリケーションアーカイブの内容変更が比較結果に反映されない (6196108)

N1 Grid Service Provisioning System 5.0 を使用して WebLogic アプリケーションをインストールし、その後管理サーバー上のオンディスク WAR アーカイブの内容を変更した場合、比較結果にこの変更が報告されません。構成に変更を加えた場合には、この問題は発生しません。

対処方法: 拡張機能である generate と prepare を使用することで、比較作業をカスタマイズし、比較を実際に行う前にオンディスクアーカイブをあらかじめ処理することができます。このようなカスタマイズは、高度なスクリプト処理が必要になることがあります。

Service Pack 3 以降を使用している管理対象サーバーに WebLogic EAR コンポーネントを配備できない (6200140)

WebLogic 7.0 Service Pack 3 以降を使用している場合、WebLogic EAR コンポーネントを配備できません。EAR コンポーネントを配備しようとすると、次のメッセージが表示されます。


Execution ended abnormally. (025075)

対処方法: 対応策はありません。

WebLogic 管理サーバーとの SSL 接続がサポートされない (6203385)

N1 Grid Service Provisioning System 5.0 で WebLogic 管理サーバーを設定する際に「Secure」チェックボックスをクリックすると、SSL 使用した接続の設定が試みられます。この選択では、WebLogic 管理サーバーへのアクセスを要求する操作を試みるとエラーが発生します。

対処方法: WebLogic 管理サーバーとの接続は、SSL 接続を要求するように設定してください。「Secure」チェックボックスは選択しないでください。

各国語化の問題

この節では、英語ロケール以外で N1 Grid Service Provisioning System 5.0 を使用する際に発生する問題について説明します。

ロケール固有のソートがサポートされない

N1 Grid Service Provisioning System 内の文字ベースのデータは、標準の辞書目録を使用してソートされます。ロケール固有の照合はなされません。したがって、アクセント記号付きの文字は、同文字のアクセント記号なしのものと同じ場所には表示されません。