Solaris Profile コンポーネントには各 JET モジュールの変数が含まれています。これらの変数は、次のカテゴリに分類されています。
次の表に説明する変数は、基本オペレーティングシステム構成を提供します。これらの変数は、JET base_config モジュールに直接対応します。表には、ターゲット設定可能なコンポーネントの値を使用するいくつかの変数があります。Solaris Profile 変数の目的では、ターゲット設定可能なコンポーネントはターゲットホストです。
表 B–1 base_config モジュールのコンポーネント変数
profile_additional_disks_base_co 変数は、構成および使用する追加スライスのリストを提供します。各スライスを特定するには、形式 cnt ndn を使用します。各スライスに対しては、スライスのマウントポイントとサイズを定義する変数のペアを指定します。変数を区切るにはコロンを使用します。
次の例に、2 つの追加スライスを定義する、profile_additional_disks_base_co 変数の内容を示します。
c0t0d0s3 /export/mydisk1:50MB c0t1d1s3 /export/mydisk2:100MB
networkifs_base_config 変数は、使用するネットワークインタフェースのリストを提供します。論理インタフェースには、コロン (:) ではなくアンダースコア (_) を使用します。リストにある各インタフェースに対して、インタフェースのネット名、ネットマスク、ホスト名、および IP アドレスを定義する 4 つの変数のグループを指定します。変数を区切るにはコロンを使用します。
次の例に、2 つのインタフェースを定義する、networkifs_base_config 変数の内容を示します。
le0 bkp:255.255.255.0:me-bkp:192.168.1.0 hme0 bkp2:255.255.255.0:me-bkp2:192.168.2.0
IPMP の一般的な情報については、『IP Network Multipathing Administration Guide』を参照してください。
Solaris 8 またはそれ以降の環境における IP マルチパスのデフォルトモードは、自動フェイルバックです。このモードを変更するには、/etc/default/mpathd ファイルを編集します。
インタフェースのペアを使用して IPMP グループを設定できるのは、次のいずれかの構成においてのみです。
active-standby failover — ipmp モードを s に設定し、論理ホスト名/IP アドレスのペアを 1 つ指定します。
failover with outbound load spreading — ipmp モードを l に設定し、論理ホスト名/IP アドレスのペアを 1 つ指定します。
active-active with outbound load spreading — ipmp モードを l に設定し、2 つ目のインタフェース用の別の論理ホスト名/IP アドレスのペアを指定します。
ipmp_networkifs_base_config 変数は、IPMP の制御下で定義されるインタフェースのリストを定義します。各インタフェースに関して、定義済みの追加インタフェースパラメータに対して変数のセットを含める必要があります。定義する必要があるパラメータを次に示します。
netgroup — database-net など、IPMP インタフェースグループ名を特定します。
mode — IPMP モードを指定します。有効な値は次の通りです。
s — スタンバイモード。フェイルオーバーにのみ使用されます。このモードでは、テストアドレスが最後に割り当てられます。最初のテストアドレスは、最初の物理アダプタの最初の仮想インタフェース上にあります。2 番目のテストアドレスは、2 番目の物理アダプタ上にあります。
l — ロードの拡散。active/active モードに使用されます。このモードでは、テストアドレスは最初と 2 番目両方の物理アダプタ上の、最初の仮想インタフェース上に割り当てられます。
物理アダプタにテストアドレスを強制するには、いずれかのモードのパラメータに接尾辞「p」を追加します。
一部のアプリケーションを破壊する可能性があるため、物理アダプタへのテストアドレスの強制には注意が必要です。
test1 — IPMP テストアドレス 1
このアドレスは決してホストファイルに含めず、またその他のどのような方法でも使用されないようにしてください。
test2 — IPMP テストアドレス 2
このアドレスはホストファイルに存在してはなりません。存在しているとこのアドレスが使用されます。
netmask — IPMP ペアのネットマスク
hostname — 論理 IP の一意のホスト名
log-ip — ペアの最初の i/f の論理 IP
hostname 2 — active-active 構成の場合のみ。論理 IP の一意のホスト名
log-ip2 — active-active 構成の場合のみ。ペアの 2 つ目の i/f のローカル IP
次の例に、1 つの IPMP インタフェースを定義するipmp_networkifs_base_config 変数の内容を示します。
qfe0_qfe1 database-net:l:10.0.0.1:10.0.0.2:24:oracle-db:10.0.0.3:apache:10.0.0.4
次の表に説明する変数は、N1 Grid SPS ソフトウェアの Remote Agent (RA) 構成を提供します。これらの変数は、JET spsra モジュールに直接対応します。
表 B–2 spsra モジュールのコンポーネント変数
変数名 |
説明 |
例またはデフォルト |
---|---|---|
install_spsra |
N1 Grid SPS RA ソフトウェアをインストールするかどうか。 |
y (デフォルト) |
product_version_spsra |
インストールする RA のバージョン。 |
5.0 (デフォルト) |
basedir_spsra |
RA ファイルがインストールされるベースディレクトリ。 |
/opt/SUNWn1sps (デフォルト) |
install_ra_from_snapshot_spsra |
RA ファイルを取得する場所を決定します。JET サーバーをインストールした場合、または JET サーバーを添付した場合、JET サーバー上の RA のスナップショットが自動的に取られます。結果として、この値のデフォルトは y になります。クロスアーキテクチャーインストールの場合は、この変数を n に設定します。この場合、「OS Provisioning common tasks」ページの「JET Solaris Image Servers」セクションにある「Manage」リンクを使用して、JET モジュールの製品メディアをインポートする必要があります。 |
y (デフォルト) |
username_spsra |
RA インストーラを使用する際に、RA ファイルシステムを所有するユーザー名を指定します。 |
jdoe (例) |
groupname_spsra |
RA インストーラを使用する際に、RA ファイルシステムを所有するグループ名を指定します。 |
staff (例) |
setup_user_acct_spsra |
username_spsra および groupname_spsra のユーザーおよびグループアカウントを設定するかどうかを決定します。
|
n (デフォルト) |
user_passwd_spsra |
username_spsra の暗号化されたパスワード。
|
6GR9gOi1vRVFw (例) |
userid_spsra |
username_spsra のユーザーアカウント ID。 |
505 (例) |
groupid_spsra |
groupname_spsra のグループアカウント ID。 |
505 (例) |
homedir_spsra |
RA ファイルのホームディレクトリ。 |
/opt/SUNWn1sps (デフォルト) |
jre_path_spsra |
Java Runtime Environment へのパス。値が指定されていない場合は、インストーラにより指定されるパスを使用します。パスが指定されている場合、JRE はそのパスにインストールされている必要があります。インストールされていないと、インストールが失敗します。 | |
setuid_spsra |
RA ルートアクセス権を有効にします。 |
y (デフォルト) |
conn_spsra |
RA への接続に使用する方式を決定します。デフォルトでは、ターゲット設定可能なコンポーネントに対して定義されている接続方式を使用します。 |
:[targetableComponent:sps_ra_conn] (デフォルト) |
ssl_auth_spsra |
ネットワーク接続に使用する SSL 認証。 |
1 (デフォルト) |
port_spsra |
ネットワーク接続に使用するポート。デフォルトでは、ターゲット設定可能なコンポーネントに対して定義されているポートを使用します。 |
:[targetableComponent:sps_ra_port] (デフォルト) |
adv_params_spsra |
ネットワーク接続に使用する高度なパラメータ。デフォルトでは、ターゲット設定可能なコンポーネントに対して定義されている高度なパラメータを使用します。 |
:[targetableComponent:sps_ra_adv_parms] (デフォルト) |
次の表に示す変数は、OS プロビジョニングプラグインで必要な一般的な変数です。これらの変数は技術上は JET モジュールの一部ではありませんが、OS プロビジョニングプラグインが、JET と N1 Grid SPS ソフトウェアの間のインタフェース接続を行うために必要です。
表 B–3 一般的な OS プロビジョニングコンポーネント変数
変数名 |
説明 |
例またはデフォルト |
---|---|---|
installPath |
Jumpstart Enterprise Toolkit (JET) 仮想ホスト |
myhost-jet (例) |
osp_target_host |
ターゲットホスト名 |
:[targetableComponent:installPath] (デフォルト) |
osp_profile_control_service |
OS プロビジョニング制御サーバー (TRUE、FALSE) |
:[targetableComponent:osp_control_service] (デフォルト) |
sps_ra_parent_host |
N1 Grid SPS RA の親のホスト名 |
:[targetableComponent:sps_ra_parent] (デフォルト) |
sps_ra_parent_host_type |
N1 Grid SPS RA の親のホストタイプ (MS または LD) |
:[targetableComponent:sps_ra_parent_type] (デフォルト) |
osp_jet_server |
JET サーバーのホスト名 |
myserver (例) |
osp_profile_architecture |
ターゲットホストのアーキテクチャー (sun4u、x86) |
:[targetableComponent:architecture] (デフォルト) |
osp_profile_min_disk_size |
最小ディスクサイズ |
5GB (例) |
osp_profile_description |
プロファイルの説明 | |
osp_profile_monitor_install |
OS プロビジョニングモニター (TRUE、FALSE) |
FALSE (デフォルト) |
osp_profile_boot_server_name |
Solaris ブートサーバー名 |
:[osp_jet_server] (デフォルト) |
osp_profile_BS_subnet_address |
ブートサーバーによりサービスが提供されるサブネット | |
osp_profile_BS_subnet_ip_address |
このサブネット上のブートサーバーの IP アドレス |
199.199.8.6 (例) |
osp_profile_product_ip_address |
Solaris イメージサーバーの IP アドレス |
199.199.8.6 (例) |
osp_profile_product_directory |
イメージサーバー上のイメージディレクトリへのパス |
/osp_image/Solaris9_u7_sparc (例) |
osp_profile_boot_ip_address |
Solaris ブートサーバーの IP アドレス |
199.199.8.6 (例) |
osp_profile_boot_directory |
Solaris ブートディレクトリ |
/osp_image/Solaris9_u7_sparc/Solaris_9/Tools/Boot (デフォルト) |
osp_profile_sysidcfg_ip_address |
システム ID 構成の IP アドレス |
199.199.8.6 (例) |
osp_profile_sysidcfg_directory |
システム ID 構成のディレクトリ |
/opt/SUNWjet/Clients/:[osp_target_host] (デフォルト) |
osp_profile_jumpstart_ip_address |
Jumpstart の IP アドレス |
199.199.8.6 (例) |
osp_profile_jumpstart_directory |
Jumpstart のディレクトリ |
/opt/SUNWjet (デフォルト) |
osp_profile_boot_file_name |
Solaris ブートファイル名 |
:[osp_target_host] (デフォルト) |
osp_profile_nbp_boot_file_name |
ネットワークブートファイル名 |
:[osp_target_host] (デフォルト) |