Sun N1 Service Provisioning System 5.1 コマンド行インタフェース(CLI) リファレンスマニュアル

cdb.rsrc: コンポーネントの管理

cdb.rsrc コマンドでは、一般的なコンポーネント管理処理を行うことができます。

表 3–36 コンポーネントを管理する CLI コマンド

コマンド 

説明 

cdb.rsrc.ci 

特定のコンポーネントとそのリソースをリポジトリにチェックインする 

cdb.rsrc.cib 

バッチファイルに記載されているすべてのコンポーネントをチェックインする 

cdb.rsrc.co 

指定のコンポーネントをチェックアウトする 

cdb.rsrc.gd 

リソース記述子を生成する 

cdb.rsrc.rci 

コンポーネントを再度チェックインする 

cdb.rsrc.showopts 

特定の型でサポートされているチェックインオプションを表示する 

cdb.rsrc.ci

特定のコンポーネントとそのソースオブジェクトをチェックインするには、cdb.rsrc.ci コマンドを使用します。このコマンドは、必ず以下のシナリオで使用します。

cdb.rsrc.ci コマンドの呼び出しは、「チェックインジョブ」と見なされるため、チェックインジョブを管理する CLI コマンドで管理できます。たとえば、どの cdb.rsrc.ci コマンドが実行中であるのかを確認する場合は、cdb.cj.la コマンドを実行し、現在のチェックインジョブをすべて一覧表示します。cdb.rsrc.ci から返される compCheckInID 値を cdb.cj.lo の引数に指定して、特定のチェックインジョブのステータス情報を得ることもできます。

表 3–37 cdb.rsrc.ci コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

src 

[R] 

文字列 

チェックインするローカルファイルまたはディレクトリ 

dst 

[R] 

文字列 

チェックインに使用するコンポーネント名 

type 

[R] 

文字列 

コンポーネントタイプ 

platform 

[O] 

HostSetID 

コンポーネントのプラットフォーム 

desc 

[O] 

文字列 

コンポーネントの説明 

major 

[O] 

ブール型 

メジャーとマイナーのどちらのバージョン番号を増分するか。デフォルトは false 

config 

[O] 

ブール型 

コンポーネントが構成ファイルであるかどうか。デフォルトは false 

hidePrev 

[O] 

ブール型 

前回のコンポーネントを非表示にするかどうか。デフォルトは true 

includeOwners 

[O] 

ブール型 

所有者情報を含めるかどうか。デフォルトは true 

includeGroups 

[O] 

ブール型 

グループ情報を含めるかどうか。デフォルトは true 

addTo 

[O] 

ブール型 

既存のファイルを全部置き換えて新しいコンポーネントを作成するのではなく、チェックインするファイルを既存のファイルに追加して新しいバージョンのコンポーネントを作成するかどうか。 

hostID 

[O] 

HostID 

ローカルホストの ID 

redun 

[O] 

ブール型 

冗長チェックを適用するかどうか。デフォルトは true 

pickerName 

[O] 

文字列 

使用するコンポーネントピッカーの名前。デフォルトは null (デフォルトピッカー) 

extraOpts 

[O] 

Hashtable 

タイプに追加するオプションの名前と値。extraOpts 引数では、configincludeOwnersincludeGroupsaddToredun は指定できない。これらの値を指定するには、この表に記載されている同等のコマンド行オプションを使用する必要がある

extraOpts パラメータの一例として descriptorPath がある。このパラメータを使用すれば、ファイルをチェックインするときに参照する予定のリソース記述子ファイルへのパスを指定できる。詳細については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.1 XML スキーマリファレンスガイド』の第 5 章「リソース記述子スキーマ」を参照

result 

CompCheckInID 

このコンポーネントチェックインジョブの ID 

cdb.rsrc.cib

このコマンドはチェックインをバッチ処理するコマンドです。バッチファイルに記載されているすべてのコンポーネントをチェックインします。

表 3–38 cdb.rsrc.cib コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

batchfile 

[R] 

文字列 

チェックインするコンポーネントのリストが記載されたバッチファイルの名前 

haltonerror 

[O] 

ブール型 

true の場合、最初のエラーでバッチ実行が停止する。デフォルトは true 

pwdrelative 

[O] 

ブール型 

true の場合、ユーザーディレクトリからの相対パスが使用される。それ以外の場合は、バッチファイルの格納場所からの相対パスが使用される。デフォルトは false 

result 

文字列 

操作の完了を知らせるメッセージ 

バッチファイルの概要

rsrc.cib は、チェックインするコンポーネントが 1 行に 1 つずつ記載されたバッチファイルを操作します。バッチファイルを利用すると、大量のコンポーネントを 1 回のコマンド実行でチェックインできます。

バッチファイル内の各行は、単一のコンポーネントとしてチェックインされる、ローカルマシン上の単一のコンポーネントに対応しています。各行は、いくつかのフィールドをパイプ (|) で区切った形式になっています。一部のフィールドはオプションで、省略可能です。オプションフィールドを省略する場合も、rsrc.cib が各フィールドを正しく識別できるように、次のフィールドとの間にパイプ (|) を挿入する必要があります。

バッチファイルにはコメントを挿入できます。先頭にシャープ (#) が付いている行がコメント行になります。

以下の表では、バッチファイルの行の構文について説明します。

表 3–39 バッチファイル内の行の構文

内容 

オプション/必須 

ローカルマシン上のコンポーネントの格納場所 

必須 

チェックイン時にコンポーネントに割り当てられる名前 

必須 

コンポーネントタイプ 

必須 

コンポーネントが表すプラットフォーム。 「NM: <platform_name>」形式の HostSetID として表現される (<platform_name> は 表 3–40 に記載されているプラットフォーム名の 1 つ)

オプション 

コンポーネントの説明 

オプション 

このファイルが構成ファイルであるかどうかを示すブール値 

オプション (デフォルトは false) 

チェックインに「2.0」のようなメジャーバージョン番号を割り当てるかどうかを示すブール値 

オプション (デフォルトは false) 

一番最近のバージョンのコンポーネントを非表示にするかどうかを決めるブール値 

オプション (デフォルトは true) 

アクセス権情報の格納時に所有者情報を含めるかどうかを示すブール値 

オプション (デフォルトは true) 

アクセス権情報の格納時にグループ情報を含めるかどうかを示すブール値 

オプション (デフォルトは true) 

既存のファイルを全部置き換えて新しいバージョンを作成するのではなく、チェックインするファイルを既存のファイルに追加して新しいバージョンを作成するかどうかを示すブール値 

オプション (デフォルトは true) 

このコンポーネントをホストからチェックインする場合、そのホストのホスト ID 

オプション 

冗長チェックを適用するかどうかを示すブール値 

オプション (デフォルトは true) 

使用するピッカーの名前 (オプション。デフォルトは null で、デフォルトピッカーを使用する) 

 

文字列書式で表されたハッシュテーブル。そのタイプのエクスポータでサポートされる追加オプションが含まれている。extraOpts 引数では、以下のブール値は指定できない。

  • ファイルが構成テンプレートであるかどうか

  • 所有者情報を含めるかどうか

  • グループ情報を含めるかどうか

  • チェックインするファイルを既存のファイルに追加するかどうか

  • 冗長チェックを行うかどうか

これらの変数を指定するには、同等のバッチファイル書式オプションを使用します。 

 

以下の表に、バッチファイルの各行の 4 番目のフィールドで、コンポーネントのプラットフォームを指定するために使用できる名前を一覧表示します。

表 3–40 プラットフォームの名前

プラットフォーム名 

説明 

任意

Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェアでサポートされる任意のプラットフォーム 

AIX - any version

IBM AIX 5.1 または IBM AIX 5.2 

AIX 5.1

IBM AIX 5.1 

AIX 5.2

IBM AIX 5.2 

Solaris - any version

SolarisTM 6、Solaris 7、または Solaris 8 リリース

Solaris 7

Solaris 7 リリース 

Solaris 8

Solaris 8 リリース 

Solaris 9

Solaris 9 リリース 

Solaris 10

Solaris 10 リリース 

Windows 2000 Server

Microsoft Windows 2000 Server 

Red Hat Linux

Red Hat Advanced Server 2.1 

バッチファイル内の行の例

この例では、ローカルファイル home/etc/myfile を、構成ファイルではなくSolaris 7 プラットフォームのコンポーネントタイプファイルとして、「this is my file 」という説明とともに、コンポーネント名 mypath/mycomponentname でチェックインします。この場合、バッチファイルに次のような行を入力します。


/home/myfile|mypath/mycomponentname|file|NM:Solaris 7|this is my file

チェックインするファイルが構成ファイルである場合は、行末にブール値のフィールドを追加し、true を指定します。次に例を示します。


/home/myfile|mypath/mycomponentname|file|NM:Solaris 7|this is my file|true 

mycomponent の説明を省略する場合は、この行を次のように変更します (パイプ区切りが 2 つ並んでいる点に注目)。

/home/myfile|mypath/mycomponentname|file|NM:Solaris 7||true

コンポーネントをメジャーバージョン (「2.0」のようなバージョン番号。「1.7」などは不可) としてチェックインするには、メジャーバージョンチェックインのブール値のフィールドに true を追加します。

/home/myfile|mypath/mycomponentname|file|NM:Solaris 7||true |true

チェックイン後も古いコンポーネントを非表示にしない場合は、上の行を次のように変更します (最後のフィールドに false が追加されている点に注目)。

/home/myfile|mypath/mycomponentname|file|NM:Solaris 7||true |true|false

アクセス許可情報を格納するとき所有者情報やグループ情報を含めるかどうかを指定するオプションのブール値にも、これと同じ書式上の規則が適用されます。

バッチファイルの構文

Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェアは、バッチファイルの構文解析時に、次の規則を適用します。

呼び出し

テキストファイルを使ったバッチチェックイン処理は、次の形式の cdb.src.cib コマンドで呼び出します (“cib” は「check in batch (バッチチェックイン)」の頭文字)。


cdb.rsrc.cib -batchfile [batchfile location] [-haltonerror true|false]
[-pwdrelative true|false]

cdb.rsrc.cib コマンドは、コンポーネントのチェックインの前に、ファイルの構文チェックを行います。続いて、チェックインする予定のローカルファイルがすべて揃っていることを確認します。このどちらかのプロセスでエラーを検出した場合、cdb.rsrc.cib はエラーを報告し、実行を停止します。このとき、ブール引数 --haltonerror の設定は考慮されません。

haltonerror 引数

コマンド行にオプションの -haltonerror 引数を指定して (デフォルトは false)、エラーが検出されたファイル以降のファイルのチェックインを停止するかどうかを指定することができます。このブール引数は、cdb.rsrc.cib が予備エラーチェック (前の節で説明済み) を実行したあとのエラーにしか適用されません。

pwdrelative 引数

コマンド行にオプションの -pwdrelative プロビジョン (デフォルトは false) を指定して、バッチファイル内の相対パスの基準を現在の作業ディレクトリにするか (pwdrelative = true)、バッチファイルの格納場所にするか (pwdrelative = false) を指定することができます。

バッチファイル処理

バッチファイル処理は、トランザクション処理ではありません。したがって、バッチファイル処理に失敗したり、処理が途中で停止したりしても、問題の発生以前に正しくチェックインされたコンポーネントは、チェックインされた状態を保持します。これらのコンポーネントのチェックインが取り消されることはありません。

同時に複数のバッチチェックイン処理を行なった場合、その調停は行われません。2 つのバッチチェックイン処理が、同時に実行を開始する同じコンポーネントセットをターゲットにしている場合、一方のバッチファイルの処理が完了するまでもう一方の処理を抑制することはできません。近似タイミングにより、両方のバッチファイルが交互に処理されます。

cdb.rsrc.co

このコマンドは、指定されたコンポーネントをチェックアウトし、リポジトリからローカルマシンへコピーを転送します。

表 3–41 cdb.rsrc.co の引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

src 

[R] 

文字列 

転送するコンポーネントの名前 

[R] 

文字列 

コンポーネントのバージョン 

dst 

[R] 

文字列 

コンポーネントを配置する場所 

result 

文字列 

操作の完了を知らせるメッセージ 

cdb.rsrc.gd

このコマンドは、指定されたコンポーネントのリソース記述子を生成します。リソース記述子の詳細については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.1 プランとコンポーネントの開発者ガイド』「リソース記述子ファイルの概念」を参照してください。

表 3–42 cdb.rsrc.gd コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

ID

[R] 

ComponentID 

記述子が生成されるコンポーネントの ID 

例: cr_cli -cmd cdb.rsrc.gd -ID NM:component-name[:version] -u <username> -p <password>

cdb.rsrc.rci

このコマンドは、コンポーネントを再度チェックインします。チェックインジョブへの割り込みが発生した場合は、このコマンドを使って再度チェックインします。このとき、チェックインするコンポーネントのバージョン番号を人為的に大きくする必要はありません。

表 3–43 cdb.rsrc.rci コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

ID

[R] 

ComponentID 

再度チェックインするコンポーネントの ID 

result 

CompCheckInID 

結果のチェックインジョブの ID 

cdb.rsrc.showopts

このコマンドは、特定のコンポーネントタイプでサポートされるチェックインオプションを表示します。

表 3–44 cdb.rsrc.showopts コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

type 

[R] 

文字列 

コンポーネントタイプ 

result 

BrowserInfo[] 

エクスポータでサポートされるコンポーネントピッカーの名前とオプション