Sun N1 Service Provisioning System 5.1 プランとコンポーネントの開発者ガイド

用語集

抽象コンポーネント

ほかのコンポーネントを拡張するためのベースコンポーネントとしてのみ機能するコンポーネント。抽象コンポーネントはインストールすることはできません。また、抽象的な子要素を宣言できるのは抽象コンポーネントのみです。

呼び出しの互換性

システムサービスコンポーネントの互換性タイプの 1 つ。この互換性は、API 互換性やインタフェース互換性とも呼ばれます。

カテゴリ

複数のフォルダに保存されたグループオブジェクトをグループ化できる一般的なクラス。

子コンポーネント

コンテナコンポーネントが参照するコンポーネント。包含コンポーネント ともいいます。

container componentも参照してください。

比較

ホストとコンポーネントモデル間の相違点を検索し、特定する機能。プロビジョニングシステムは、次に示す 3 種類の比較をサポートします。

  • モデルとモデル – マスターサーバー上に保存された 2 つのホストの配備リポジトリと履歴が検査され、差分が報告されます。

  • モデルとインストール – ホストにインタフェース済みであるとマスターサーバーから報告された内容とホストに実際にインストールされている内容が比較され、差分が報告されます。

  • インストールとインストール – 2 つのホストのファイルシステムの内容が検査され、差分が報告されます。

コンポーネント

アプリケーションを定義するソース情報の論理グループ。コンポーネントは、ソース情報の管理方法を指定する一連の命令も含みます。

コンポーネントの XML 表現には、以下のものが含まれます。

  • アプリケーションが使用するリソースの一覧

  • インストール手順

  • アンインストール手順

  • 依存関係

コンポーネントの互換性

コンポーネントを別のコンポーネントで安全に置換できること。プロビジョニングシステムは、コンポーネントの互換性として呼び出しの互換性とインストールの互換性の 2 種類をサポートします。

コンポーネントの継承

コンポーネントが、別のコンポーネントの属性と動作を取得するための手法。作成したコンポーネントは、対応づけられたコンポーネントタイプから変数、スナップショット、および手続きを継承します。

コンポーネント手続き

コンポーネントの配備を制御するコンポーネント内のプログラム。インストール、アンインストール、管理、スナップショットのキャプチャなどの手続きがあります。管理手続きは、制御ブロックで定義されます。

コンポーネントリポジトリ

コンポーネントとそのリソースが登録される、マスターサーバー上の場所。

コンポーネントタイプ

ほかのコンポーネントが再利用できる動作をカプセル化する、特殊なコンポーネント。コンポーネントは、拡張によって特定のコンポーネントタイプの動作を継承できます。

コンポーネント変数

ユーザー定義が可能な、名前と値の組み合わせ。コンポーネント変数は、外部のオブジェクトからコンポーネントの一部にアクセスして設定できるようにするために使用されます。

複合コンポーネント

ほかのコンポーネント (単純コンポーネントおよび複合コンポーネント) の参照だけを含むコンポーネント。複合コンポーネントはリソースを含むことはできません。

複合プラン

サブプラン (単純サブプランまたは複合サブプラン) だけから成るプラン。 異なるターゲットセットで各サブプランが実行される可能性があるため、複合プランを直接のターゲットとすることはできません。

構成生成エンジン

置換変数参照を適切な変数設定値に置換する、マスターサーバー上のソフトウェアエンジン。このエンジンは、ユーザーがプランを実行してコンポーネントを配備する際に、ホストリポジトリおよびコンポーネントリポジトリとやりとりしながら値を解決します。

包含コンポーネント

ほかのコンポーネントが参照するコンポーネント。

コンテナコンポーネント

ほかのコンポーネントへの参照が含まれるコンポーネント。

制御

配備されたアプリケーションの制御に使用できるコンポーネントによって定義される手続き。たとえばアプリケーションの起動や停止などを制御できます。制御サービスとも呼ばれます。

配備

コンポーネントに対して行われる、プランまたはコンポーネント手続きを実行します。コンポーネントのライフサイクルとしては、インストール、アンインストール、アプリケーション管理などがあります。

直接実行手続き

ブラウザインタフェースを使用してコンポーネントから直接実行できるコンポーネント手続きです。

ダウンストリーム

Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェアのネットワーク階層では、マスターサーバーまでの階層的距離がより遠いサーバー。たとえば、マスターサーバーはダウンストリームをローカルディストリビュータに接続します。このローカルディストリビュータに接続されるリモートエージェントはすべて、ローカルディストリビュータから見てダウンストリームになります。

execNative 呼び出し

プランまたはコンポーネントの XML からカスタムスクリプトに対して行われるオプション呼び出しです。

実行プラン

planを参照してください。

拡張

コンポーネントタイプによって定義された変数と手続きをコンポーネントが継承するように、コンポーネントタイプをベースにしてコンポーネントを作成すること。コンポーネントは、そのコンポーネントタイプで定義された変数値と手続き定義を上書きできます。

最終コンポーネント

ほかのコンポーネントによって拡張できないコンポーネント。

フォルダ

コンポーネント、プラン、サブフォルダをまとめることができる、ディレクトリに似たコンテナ。コンテナにはアクセス許可を設定できます。

ゴールドサーバー

アプリケーションを構成するファイル、ディレクトリ、およびその他のリソースを格納する参照サーバー。これらのリソースは、ゴールドサーバーによってマスターサーバーにチェックインされます。

ホスト

プロビジョニングシステムが管理するサーバー。

ホストセット

1 つ以上の属性 (物理的な場所や機能グループなど) を共有するホストを論理的にグループ化したもの。ホストセットはユーザー定義が可能です。ホストセットを使用すると、セット内の全ホストのアプリケーションを簡単にすばやく更新できます。また、2 つのホスト間で「モデルとインストールの比較」を実施するのにも利用できます。

ホストタイプ

ユーザー定義が可能な一連の共通属性によってバインドされる、サーバーの基本クラス。ホストタイプを使用することで、ホストを論理グループとして分類し、ホスト検索の効率を高めることができます。

ホスト検索

ホストリポジトリに対して行われるクエリー。この結果、指定されたものに一致する属性を持つホストの一覧が表示されます。ホスト検索を行うことで、ホストタイプが同じであるホスト、同じアプリケーションを実行しているホスト、同じサブネットマスクが設定されているホストなどの一覧を作成できます。

インストールの互換性

コンポーネントタイプの互換性タイプの 1 つです。この互換性は、構造上の互換性とも呼ばれます。

Java Runtime Environment (JRE)

実行環境を再配布するユーザーおよび開発者用の Java Development Kit (JDK®) のサブセット。Java Runtime Environment は、Java 仮想マシン (JVM)、Java コアクラス、サポートファイルから構成されます。

Java 仮想マシン (JVM)

Java Runtime Environment (JRE) の一部であり、バイトコードを解釈します。

Jython

オブジェクト指向の高度な動的言語 Python の実装の 1 つ。Java プラットフォームとシームレスに統合されます。Jython の前身である JPython は、100% ピュア Java として認定されています。

ラベル

プロビジョニングシステムのバージョン番号という域を越えてコンポーネントバージョンをマークする手段。たとえば、コンポーネントバージョン番号はコンポーネントのバージョンを示すために使用できます。一方ラベルは、コンポーネントが表現するアプリケーションのバージョンを示すために使用できます。

ローカルディストリビュータ (Local Distributor)

サーバーにインストールされるアプリケーション。ローカルディストリビュータアプリケーションは次の方法で、プロビジョニングシステム内のそのほかのサーバー間のリンクとして動作します。

  • マスターサーバーとリモートエージェントの間のリンク

  • マスターサーバーとほかのローカルディストリビュータの間のリンク

  • ローカルディストリビュータとリモートエージェントの間のリンク

ローカルディストリビュータには帯域幅の効率と速度を最大化する効果があるほか、制限された環境をナビゲートするための安全なネットワーク接続も提供できます。

マスターサーバー

プロビジョニングシステムを管理するサーバー上にインストールされているアプリケーション。マスターサーバーアプリケーションは、プロビジョニングシステムによって管理される任意のデータセンター環境に接続できます。マスターサーバーは、一元的なデータストレージ、データ処理、ユーザーインタフェースなどを実現します。

モデル化

プロビジョニングシステムで配備するアプリケーションを表すコンポーネントおよびプランを作成すること。

入れ子のコンポーネント

インストールされたとき、そのコンテナコンポーネントにのみサービスを提供する包含コンポーネント。入れ子の包含コンポーネントは、コンテナコンポーネントが必要とする、よりきめの細かい機能単位を定義します。ただし、ほかのコンポーネントにとっては有用ではありません。

ネットワークプロトコル

ネットワーク上のデバイス間でデータを転送する方法。Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェアは TCP/IP、SSH、および SSL を使用します。

通知電子メール

システム、管理、またはカスタムイベントが発生したことを通知するために、プロビジョニングシステムにより送信される電子メール。システム管理者は、電子メールを送信するタイミングと電子メールの送信先アドレスを決定するための規則を指定します。

通知規則

電子メール通知を送信するかどうかを決定するためにプロビジョニングシステムにより使用される基準。システム管理者は、電子メール通知が送信される場合の決定に使用される基準を定義します。

親コンポーネント

ほかのコンポーネントへの参照が含まれるコンポーネント。コンテナコンポーネントとも呼ばれます。

contained componenも参照してください。

物理ホスト

ネットワークに接続される物理サーバー。プロビジョニングシステムでは、物理ホストはリモートエージェントまたはローカルディストリビュータとして機能できます。

プラン

1 つ以上のコンポーネントを操作するために使用される一連の命令。プランは、ほかの一連のプランの一部になることもあります。これにより、共通の命令シーケンスを 1 つ以上のプランで共有できるようになります。

Plan executor

プリフライトと配備を行う、マスターサーバー上のソフトウェアエンジンです。

プリフライト

シミュレートされた UNIX 環境でのプランのシミュレーション。配備に影響を及ぼす可能性のあるエラーや潜在的なエラーを検出し報告します。予備テストは必ず、配備に先行しますが、単独の処理として実行できます。

手続き

component procedureを参照してください。

プロビジョニングシステム

サーバーにインストールされると、Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェアを形成するソフトウェアアプリケーション。

リモートエージェント

コンポーネントの配備先であるプロビジョニングシステムの任意のサーバーにインストールするアプリケーション。リモートエージェントアプリケーションは、ソフトウェアのインストール、サービスの制御、マスターサーバーへ配布する情報の収集などの作業を管理します。

リソース

プランが実行されると、ホストに配備されるファイル。ディレクトリ、シンボリックリンク、または別の種類のファイルを使用できます。

リソース記述子ファイル

単純コンポーネントのリソースを構成するファイルとディレクトリに使用される、所有者、グループ、およびアクセス許可の設定を指定する XML ファイル。リソース記述子ファイルを使用することで、コンポーネントのチェックイン時に決定されるアクセス許可を上書きできます。

サーバー

リソースを管理し、クライアントにサービスを提供するコンポーネント。Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェアでは、サーバーはプロビジョニングシステムアプリケーションの 1 つがインストールされているコンピュータです。

セッション

ユーザーがログインしたときに開始される一定期間。セッションは、ユーザーがログアウトするまで、または非アクティブな状態によりセッションが終了するまで続きます。論理上、セッションは、特定のユーザーの認証済みの資格情報を表します。セッションにより、再認証されなくても、一連の関連要求を通してユーザーが識別されます。

セッション変数

ユーザーセッションに関連する変数。ユーザーはログインセッションごとに、セッション変数の値を変更できます。セッション変数値をセキュリティー保護して保管し、以後のセッションで再利用することもできます。

単純コンポーネント

単一リソースからなるコンポーネント。単純コンポーネントには、ほかのコンポーネントへの参照を含めることはできません。

単純プラン

特定のターゲットサーバー (複数) で実行される手順の順次リスト。単純プランにはほかのプランは含まれず、ほかのプランを呼び出すこともありません。

スナップショット

配備時にホストに格納されるリソースのキャプチャ。スナップショットは、ホストと、マスターサーバー上のそのモデルを比較する場合に使用されます (モデルとインストールの比較)。

ステップ

プランまたはコンポーネントの一部をなす命令。

置換変数

プラン、コンポーネント、または構成ファイルに現れる変数で、配備中に構成生成エンジンに置換されます。

システムサービス

ホストを準備するときに、該当するすべてのホストに自動配備されるコンポーネント。システムサービスは、ほかのコンポーネントも使用するユーティリティコントロールやリソースを定義します。

ターゲット作成可能コンポーネント

インストールされたときに、ほかのコンポーネントの配備ターゲットとなるホストを作成するコンポーネント。ターゲット作成可能コンポーネントをアンインストールすると、そのコンポーネントによって作成されたホストが自動的に削除されます。

上位レベルコンポーネント

インストールされると、プランによって直接インストールされたかのように、どのコンポーネントでも使用される包含コンポーネント。上位レベルの包含コンポーネントは、コンテナコンポーネントやほかのコンポーネントによって使用されるサービスを定義します。

アップストリーム

プロビジョニングシステムネットワーク階層では、マスターサーバーに近いサーバー。たとえば、マスターサーバーはローカルディストリビュータから見てアップストリームになります。ローカルディストリビュータは、そのローカルディストリビュータに接続されたどのリモートエージェントから見てもアップストリームになります。

変数

component variableを参照してください。

変数設定値

1 つ以上のコンポーネント変数のデフォルト値を無効にする、変数値の集まり。使用する変数設定値に基づいて、コンポーネント変数にさまざまな値を指定できます。プランを実行するときの変数設定を指定できます。

仮想ホスト

ほかのサービスのホストとして機能するサービス。たとえば、仮想ホストは Web アプリケーションのホストとして機能するアプリケーションサーバーになることができます。

XML スキーマ

プロビジョニングシステムがプランやコンポーネントの作成において使用する言語。