Sun N1 Service Provisioning System 5.2 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル

第 11 章 pe: プランを実行する CLI コマンド

この章では、プランの実行に必要なコマンドについて説明します。

pe コマンドの概要

pe コマンドは、プランの実行、停止、および監視のためのツールを提供します。

表 11–1 pe コマンドの概要

コマンド 

説明 

pe.h.prep

ホストのセットを準備する 

pe.p.en

<execNative> または <execJava> の手順の出力を表示する

pe.p.la

実行中のプランと完了したプランを一覧表示する 

pe.p.lo

実行中のプランや完了したプランの情報を一覧表示する 

pe.p.del

完了したプランの実行履歴を削除する 

pe.p.lp

プランのサブプランとターゲットを一覧表示する 

pe.p.run

プランを実行する 

pe.p.stop

現在実行中のプランを停止する 

pe.pi.lo

プランの実行に使用するパラメータを一覧表示する 

pe.h.prep

このコマンドは、ホストのセットを準備します。

表 11–2 pe.h.prep コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

tar 

必須 

HostIDSet 

準備するホスト ID をコンマで区切ったリスト 

result 

TaskID 

準備プラン実行 ID 

pe.p.en

このコマンドは、<execNative> または <execJava> の手順の出力を表示します。

表 11–3 pe.p.en コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

ID 

必須/任意 

StepDescriptionContainer 

表示するプラン内の手順。これは、pe.p.lo コマンドの出力から収集するか、ラベルで指定する。 

IDs 

必須/任意 

StepDescriptionContainerArray 

表示するプラン内の手順。これは、pe.p.lo コマンドの出力から収集するか、ラベルで指定する。ID を指定しない場合は IDs を指定する必要がある。ID と IDs の両方を指定した場合は、IDs が無視される。 

output 

オプション 

“so” または “se”  

下位互換性用。出力には、標準エラーと標準出力の両方が含まれる。取得可能な場合は、終了ステータスも含まれる。 

result 

ExecNativeOutputArray 

指示された手順の出力。 

コマンドの使用例

StepDescriptionContainer は、stepID とラベルのどちらでもかまいません。-ID 引数に対して、StepDescriptionContainer は 1 つだけ使用します。-IDs 引数は、StepDescriptionContainers のコンマで区切ったリストにします。この例では、次の情報を使用して有効なコマンドを作成します。

taskID

1001

stepID

2011、ラベル値は label1

2012、ラベル値は label2

hostID

3001、ホスト名は host1


例 11–1 Step ID の使用


./cr_cli -cmd pe.p.en -ID ID:2011
./cr_cli -cmd pe.p.en -ID 2011 


例 11–2 ラベルの使用


./cr_cli -cmd pe.p.en -ID L:label1:1001:NM:host1 
./cr_cli -cmd pe.p.en -ID L:label1:ID:1001:ID:3001 


例 11–3 StepDescriptionContainerArray の使用

この例で、1 つの要素は手順 ID、もう 1 つの要素はラベルです。


./cr_cli -cmd pe.p.en -IDs L:label1:ID:1001:ID:3001,2012 

pe.p.la

このコマンドは、実行中のプランと完了したプランを一覧表示します。

表 11–4 pe.p.la コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

max 

オプション 

整数 

一覧表示するプランの最大数。デフォルトは 5。指定した値よりも実行中のプランの数が多い場合、この引数は無視され、実行中のすべてのプランが表示される。実行中のプランの数が指定した最大数よりも少ない場合は、その合計数が指定された最大数になるよう、実行中のすべてのプランと完了済みのプランが返される。 

plan 

オプション 

文字列 

結果をこの名前のプランに限定 

result 

RunningPlanBeanArray 

実行中のプラン全部と完了したプランの一部 

pe.p.lo

このコマンドは、実行中または実行が完了したプランのステータスを報告し、各手順の StepID を表示します。

表 11–5 pe.p.lo コマンドの引数

引数 

構文 

説明 

ID 

必須 

TaskID 

表示するプラン実行の ID 

old 

オプション 

ブール型 

古いメッセージを表示するかどうか。デフォルトは false 

new 

オプション 

ブール型 

新しいメッセージをポーリングするかどうか。デフォルトは true 

pe.p.del

このコマンドは、完了したプランの実行履歴を削除します。

表 11–6 pe.p.del コマンドの引数

引数 

構文 

説明 

ID 

必須 

TaskID 

削除するプラン実行の ID 

pe.p.lp

このコマンドは、プランのサブプランとターゲットを一覧表示します。指定されたプランがまず表示されます。

表 11–7 pe.p.lp コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

ID

必須 

ExecutionPlanID 

実行プランの ID 

result 

SubplanPrompt- Array 

サブプランとターゲットの配列 

pe.p.run

このコマンドは、プランを実行します。プランプロンプト変数がある場合は、これにより、ユーザーに応答が求められます。

CLI を通して複合プランを実行するときは、サブプランごとに、一連のターゲット、コンポーネントのバージョン、および変数セットを指定する必要があります。構文の詳しい説明については、付録 A 「入力タイプ」を参照してください。

表 11–8 pe.p.run コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

PID 

必須 

ExecutionPlanID 

実行する実行プランの ID 

tar 

必須 

HostIDArrayArray 

サブプランプロンプトによってプランとその各サブプランが実行されるそれぞれのホストまたはホストセット 

comp 

[O/R] 

StringArrayArray 

プランおよびサブプランの一部としてインストールするコンポーネントバージョン。バージョンは、サブプランプロンプト内のコンポーネントセレクタの順に並べられる。参照されるコンポーネントは必ずこのリストに含まれていなければならない。 

コンポーネントのバージョン番号を使用するか、デフォルトの場合は「+」、推奨の場合は「#」、最新の場合は「-」を使用する。コンポーネントバージョンがない場合は指定しない 

vs 

[O/R] 

StringArrayArray 

選択されたコンポーネントバージョンで使用される変数設定 

変数設定名か「+」(デフォルト) を使用する。変数設定がない場合は指定しない 

po 

オプション 

ブール型 

プリフライトを実行する場合にかぎり true 

pdp 

オプション 

ブール型 

詳細プリフライトを実行する場合は true。デフォルトは false 

hrl 

オプション 

整数 

同時に実行されるホスト数の上限。デフォルトはサーバー構成ファイルで設定される 

pto 

必須 

TimeInterval 

プランの最大実行時間 

nto 

必須 

TimeInterval 

ネイティブ呼び出しの最大実行時間 

オプション 

ReaderWrapper 

プラン変数は、ファイルまたは標準入力によって渡される。デフォルトでは標準入力が使用される 

result 

TaskID 

プラン実行の ID 


例 11–4 単一のサブプラン、コンポーネント、変数セットによるプランの実行

この例は、1 つのホストで簡単なプランを実行する例です。

プラン名

/test/test1

プランのターゲットホスト

masterserver

変数セット名

nors

プランの実行に使う時間の最大

30 分

ネーティブ呼び出しの実行に使う時間の最大

10 分

使用するコンポーネントバージョン

デフォルト

コンポーネントと変数セットが 1 つだけの場合は、値を引用符で囲む必要はありません。


./cr_cli -cmd pe.p.run -PID NM:/test/test1 -tar H:NM:masterserver  \
-vs nors -pto 30 -nto 10 -comp + -u admin -p admin


例 11–5 複数のサブプラン、コンポーネント、変数セットによるプランの実行

この例は、2 つのサブプランを持つ複合プランの例です。


subplan1 	install compA 	install compB subplan2 	install compC 	install compD

各サブプランは別々のホストで実行され、参照する各コンポーネントに対して別々の変数セットを使用します。

プラン名

/test/test2

プランのターゲットホスト

masterserver and host2

サブプラン 1 に対する変数セット名

nors and tmc

サブプラン 2 に対する変数セット名

varset1 and varset2

プランの実行に使う時間の最大

30 分

ネーティブ呼び出しの実行に使う時間の最大

10 分

使用するコンポーネントバージョン

デフォルト


./cr_cli -cmd pe.p.run -PID NM:/test/test2  \
-tar "H:NM:masterserver;H:NM:host2" -vs "nors,tmc;varset1,varset2" \
-pto 30 -nto 10 -comp "+,+;+,+" -u admin -p admin

pe.p.stop

このコマンドは、実行中のプランを停止します。

表 11–9 pe.p.stop コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

ID 

必須 

TaskID 

実行を停止するプランの ID 

result 

ブール型 

プランが正常に停止された場合は true 

pe.pi.lo

このコマンドは、プランの実行に使用するパラメータを一覧表示します。

表 11–10 pe.pi.lo コマンドの引数と結果

引数/結果 

構文 

説明 

ID 

必須 

TaskID 

プラン実行の ID 

result 

TaskInfo 

プラン実行パラメータ