この章では、Linux および UNIX システムに Sun N1 Service Provisioning System 5.2 をインストールする手順について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
製品メディアから該当するインストールスクリプトを選択し、各アプリケーションを個別にインストールします。各 Sun N1 Service Provisioning System 5.2 アプリケーションのインストールスクリプトは、初めに同じ予備作業を実行し、ディレクトリ、ファイル、および JavaTM Runtime Environment (JRE) についての同じ質問を表示します。続いて、インストールするアプリケーションに固有の、構成に関する質問を表示します。
「Sun N1 Service Provisioning System 5.2 のインストール – 手順の概要」のインストール手順の概要を確認してください。アプリケーションのインストール前に必要な作業があれば、それらを済ませます。
そのアプリケーションを所有するユーザーでログインします。
root でログインすれば、ルートユーザーでソフトウェアをインストールできます。必要に応じインストールプログラムは、どのユーザーがソフトウェアを所有すべきか指定するようにメッセージを表示します。
マスターサーバーまたは CLI Client を Solaris サーバーにインストールする場合は、root でログインする必要があります。
インストールスクリプトにアクセスします。
DVD からインストールする場合は、その DVD を挿入します。:
ダウンロードしたイメージからインストールする場合は、そのイメージが保存されているディレクトリに移動します。
スクリプトが置かれている場所 (ソフトウェア DVD 上のディレクトリまたはダウンロードしたイメージ内のディレクトリ) に移動します。
# cd /script-directory |
script-directory には、次に示す値の 1 つを指定します。
solaris_sparc
solaris_x86
aix
linux
hpux
インストールするアプリケーションのインストールスクリプトを起動します。
# cr_app_opsystem_5.2.sh [-allowForwardVersion] |
app には、次に示す値の 1 つを指定します。
ms – マスターサーバーをインストールする
ra – リモートエージェントをインストールする
ld – ローカルディストリビュータをインストールする
cli – CLI Client をインストールする
opsystem には、次に示す値の 1 つを指定します。
solaris_sparc – Solaris OS を使用している SPARC ベースのハードウェアにアプリケーションをインストールする。マスターサーバーまたは CLI Client をインストールするには、solaris_sparc_pkg を使用します。
solaris_x86 – Solaris OS を使用している x86 ベースのハードウェアにアプリケーションをインストールする。マスターサーバーまたは CLI Client をインストールするには、solaris_x86_pk を使用します。
aix – IBM AIX にアプリケーションをインストールする
linux_i386 – Red Hat Linux および SUSE Linux Enterprise Server (32–ビット) にアプリケーションをインストールする
linux_x86_64 – Red Hat Linux および SUSE Linux Enterprise Server (64–ビット) にアプリケーションをインストールする
hpux – HP-UX を実行している PA-RISC ベースのシステムにアプリケーションをインストールする
-allowForwardVersion オプションを指定すると、Sun N1 Service Provisioning System 5.2 がそのオペレーティングシステムでサポートしている最高バージョンを超える OS バージョンに Sun N1 Service Provisioning System 5.2 アプリケーションをインストールできます。-allowForwardVersion オプションを使用すると、インストールプログラムはアプリケーションがインストールされるオペレーティングシステムがサポートされているかどうかを確認しません。サポートされていないオペレーティングシステムでの Sun N1 Service Provisioning System 5.2 の使用については、Sun サービスは標準サポートを提供しません。
サポートされていないオペレーティングシステムに Sun N1 Service Provisioning System 5.2 をインストールすると、不確定な動作や予期しない動作が発生することがあります。サポートされていないオペレーティングシステムに対する Sun N1 Service Provisioning System 5.2 のインストールは、テスト目的以外では行わないでください。運用環境では、サポートされていなオペレーティングシステムに Sun N1 Service Provisioning System 5.2 をインストールして使用することは避けてください。
インストール中に構成についての質問が表示される場合は、その質問に答えてください。
「マスターサーバーのワークシート」 にあるワークシートには、表示される質問、値の例、インストール前に収集しておくオプションの概要が示されています。
マスターサーバーのインストールパス (BASEDIR) は、Solaris では最大 37 文字です。
マスターサーバーのインストールパス (BASEDIR) は、Linux では最大 35 文字です。
インストールが完了すると、アプリケーションを起動するか尋ねるメッセージが表示されます。
インストールプログラムでは、イベントのログが /tmp/N1SPSInstaller.log.pid ファイルに保存されます。
pid には、インストーラのプロセス ID が入ります。
この時点では、次のパッケージがインストールされています。
リモートエージェントは、構成設定を示すパラメータファイルを指定することによって非対話型形式でインストールできます。インストールプログラムに対してパラメータファイルを指定すると、インストール中に構成についての選択を求めるメッセージは表示されません。インストールプログラムは、パラメータファイル内に指定された構成情報を使用します。
リモートエージェントをインストールするには、あらかじめマスターサーバーをインストールする必要があります。マスターサーバーは、リモートエージェントをインストールするマシンにインストールする必要はありません。
リモートエージェントをインストールするマシンで、リモートエージェントを所有するユーザーでログインします。
root でログインすれば、ルートユーザーでソフトウェアをインストールできます。必要に応じインストールプログラムは、どのユーザーがソフトウェアを所有すべきか指定するようにメッセージを表示します。
インストールスクリプトにアクセスします。
DVD からインストールする場合は、その DVD を挿入します。
ダウンロードしたイメージからインストールする場合は、そのイメージが保存されているディレクトリに移動します。
スクリプトが置かれている場所 (ソフトウェア CD 上のディレクトリまたはダウンロードしたイメージ内のディレクトリ) に移動します。
% cd /script-directory |
script-directory には、次に示す値の 1 つを指定します。
solaris_sparc
solaris_x86
aix
linux
hpux
リモートエージェントをインストールするマシンに、インストールスクリプトをコピーします。
% cp cr_ra_opsystem_5.2.sh RA-machine/ |
RA-machine は、リモートエージェントをインストールするマシン上のディレクトリです。opsystem には、次に示す値の 1 つを指定します。
solaris_sparc – Solaris OS を使用している SPARC ベースのハードウェアにリモートエージェントをインストールする
solaris_x86 – Solaris OS を使用している x86 ベースのハードウェアにリモートエージェントをインストールする
aix – IBM AIX にリモートエージェントをインストールする
linux_i386 – Red Hat Linux および SUSE Linux Enterprise Server (32–ビット) にリモートエージェントをインストールする
linux_x86_64 – Red Hat Linux および SUSE Linux Enterprise Server (64–ビット) にリモートエージェントをインストールする
hpux – HP-UX を実行している PA-RISC ベースのシステムにアプリケーションをインストールする
インストールスクリプトと同じディレクトリにパラメータファイルをコピーします。
マスターサーバーをインストールする際に、N1SPS5.2-MasterServer-home/server/bin ディレクトリのマスターサーバーにサンプルパラメータファイルがインストールされます。このファイル内に指定されているデフォルト値を使用することも、あるいはファイルを編集してカスタム値を追加することもできます。cr_ra_remote_params.sh サンプルパラメータファイルの内容と設定可能な変数の説明は、「Linux および UNIX システム向けのリモートエージェントパラメータサンプル」を参照してください。
使用するパラメータファイルを新たに作成することもできます。パラメータファイルは、実行可能なファイルでなければなりません。
N1SPS5.2-MasterServer-home は、マスターサーバーをインストールしたディレクトリです。
CR_RA_SUID とCR_RA_CTYPE 変数の値は、サンプルパラメータファイルには設定されていません。これらの変数の値は設定する必要があります。設定されていない場合、インストールスクリプトが中止されます。raw や認証なしの SSL 暗号化などのセキュリティー保護されていない接続タイプを使用することを選択した場合は、CR_RA_CTYPE_CONFIRM 変数の値を true に設定する必要があります。
CR_RA_SUID 変数の値を y に設定できるのは、接続タイプが ssh の場合だけに限られます。この条件を満たさない場合は、インストーラが終了します。
インストールスクリプトを起動します。
% cr_ra_opsystem_5.2.sh -paramfile parameters-file.sh [-allowForwardVersion] |
opsystem には、次に示す値の 1 つを指定します。
solaris_sparc – Solaris OS を使用している SPARC ベースのハードウェアにリモートエージェントをインストールする
solaris_x86 – Solaris OS を使用している x86 ベースのハードウェアにリモートエージェントをインストールする
aix – IBM AIX にリモートエージェントをインストールする
linux_i386 – Red Hat Linux および SUSE Linux Enterprise Server (32–ビット) にリモートエージェントをインストールする
linux_x86_64 – Red Hat Linux および SUSE Linux Enterprise Server (64–ビット) にリモートエージェントをインストールする
hpux – HP-UX を実行している PA-RISC ベースのシステムにアプリケーションをインストールする
parameters-file には、インストールプログラムに構成情報を取得させるパラメータファイルの名前を指定します。パラメータファイルは、実行可能なファイルでなければなりません。
-allowForwardVersion オプションを指定すると、Sun N1 Service Provisioning System 5.2 がそのオペレーティングシステムでサポートしている最高バージョンを超える OS バージョンに Sun N1 Service Provisioning System 5.2 リモートエージェントをインストールできます。-allowForwardVersion オプションを使用すると、インストールプログラムはリモートエージェントがインストールされるオペレーティングシステムがサポートされているかどうかを確認しません。サポートされていないオペレーティングシステムでの Sun N1 Service Provisioning System 5.2 の使用については、Sun サービスは標準サポートを提供しません。
サポートされていないオペレーティングシステムに Sun N1 Service Provisioning System 5.2 をインストールすると、不確定な動作や予期しない動作が発生することがあります。サポートされていないオペレーティングシステムに対する Sun N1 Service Provisioning System 5.2 のインストールは、テスト目的以外では行わないでください。運用環境では、サポートされていなオペレーティングシステムに Sun N1 Service Provisioning System 5.2 をインストールして使用することは避けてください。
ネットワーク上のほかのマシンから、リモートエージェントをインストールできます。リモートエージェントをリモートインストールするために必要なスクリプトは、マスターサーバーのインストール時に N1SPS5.2-MasterServer-home /server/bin ディレクトリにインストールされます。このインストールでは、環境変数を使用して非対話方式でリモートエージェントのインストールと構成が行われます。この環境変数はパラメータファイル内またはコマンド行で設定することも、インストールスクリプトに入っているデフォルト値を使用することもできます。
リモートエージェントのインストールスクリプトは、対象マシンのオペレーティングシステムに固有のものです。これらのステップは、対象マシン上で使用されている各オペレーティングシステムに合わせて行う必要があります。
対象マシンは、次の要件を満たす必要があります。
UNIX ユーティリティー sshd が実行されており、ソースマシンに対して直接 IP 接続を確立できる
hostname UNIX コマンドをサポートしている必要がある。リモートマシンのインストールスクリプトがこのコマンドを呼び出します。リモートエージェントは、hostname コマンドが返すホスト名の IP アドレスで待機するように構成する必要があります。
実行時には、UNIX ユーティリティー ssh と scp がマスターサーバーマシンにインストールされ、パス内に存在している必要があります。
リモートインストールプログラムは、環境変数を使用してリモートエージェントのインストールと構成を行います。環境変数は、パラメータファイルまたはコマンド行で設定できます。次の環境変数の値を宣言する必要があります。
CR_RA_CTYPE=raw – リモートエージェントは、暗号化を行わずに マスターサーバーまたはローカルディストリビュータに接続する。有効な値は、raw、ssh、および ssl です。
CR_RA_SUID – setuid root 権限でリモートエージェントをインストールします。値 yes を指定するには、インストールスクリプトをスーパーユーザー (root) で実行する必要があります。有効な値は y と n です。
CR_RA_SUID 変数の値を y に設定できるのは、接続タイプが ssh の場合だけに限られます。この条件を満たさない場合は、インストーラが終了します。
CR_RA_INSTALLER_HOSTS – コマンド行で、または環境変数としてホスト名を指定しないと、インストールスクリプトはエラーを生成して終了します。有効な値の例を次に示します。 CR_RA_INSTALLER_HOSTS=host1,host3.enterprise.com,10.10.0.207.
マスターサーバーマシンで、インストールスクリプトにアクセスします。
DVD からインストールする場合は、その DVD を挿入します。
ダウンロードしたイメージからインストールする場合は、そのイメージが保存されているディレクトリに移動します。
スクリプトが置かれている場所 (ソフトウェア DVD 上のディレクトリまたはダウンロードしたイメージ内のディレクトリ) に移動します。
% cd /script-directory |
script-directory には、次に示す値の 1 つを指定します。
solaris_sparc
solaris_x86
aix
linux
hpux
インストールスクリプトをマスターサーバーにコピーします。
% cp cr_ra_opsystem_5.2.sh N1SPS5.2-MasterServer-home/server/bin |
N1SPS5.2-MasterServer-home は、マスターサーバーをインストールしたディレクトリです。opsystem には、次に示す値のどれかを指定します。
solaris_sparc – Solaris OS を使用している SPARC ベースのハードウェアにリモートエージェントをインストールする
solaris_x86 – Solaris OS を使用している x86 ベースのハードウェアにリモートエージェントをインストールする
aix – IBM AIX にリモートエージェントをインストールする
linux_i386 – Red Hat Linux および SUSE Linux Enterprise Server (32–ビット) にリモートエージェントをインストールする
linux_x86_64 – Red Hat Linux および SUSE Linux Enterprise Server (64–ビット) にリモートエージェントをインストールする
hpux – HP-UX を実行している PA-RISC ベースのシステムにアプリケーションをインストールする
スクリプトが置かれているディレクトリへ移動します。
% cd N1SPS5.2-MasterServer-home/server/bin |
N1SPS5.2-MasterServer-home には、マスターサーバーをインストールしたディレクトリを指定します。
インストールスクリプトに構成情報をどのように提供するかを決定します。
新しいパラメータファイルを作成するか、あるいは Sun N1 Service Provisioning System 5.2 によってインストールされたサンプルパラメータファイルを編集する。マスターサーバーをインストールする際に、パラメータファイルがインストールされます。このファイルには、 N1SPS5.2-MasterServer-home/server/bin/cr_ra_remote_params.sh という名前が付けられます。このファイル内に指定されているデフォルト値を使用することも、あるいはファイルを編集してカスタム値を追加することもできます。使用するパラメータファイルを新たに作成することもできます。サンプルパラメータファイルの内容と設定可能な変数の説明は、「Linux および UNIX システム向けのリモートエージェントパラメータサンプル」を参照してください。パラメータファイルは、実行可能なファイルでなければなりません。
CR_RA_SUID とCR_RA_CTYPE 変数の値は、サンプルパラメータファイルには設定されていません。これらの変数の値は設定する必要があります。設定されていない場合、インストールスクリプトが中止されます。raw や認証なしの SSL 暗号化などのセキュリティー保護されていない接続タイプを使用することを選択した場合は、CR_RA_CTYPE_CONFIRM 変数の値を true に設定する必要があります。
CR_RA_SUID 変数の値を y に設定できるのは、接続タイプが ssh の場合だけに限られます。この条件を満たさない場合は、インストーラが終了します。
環境変数を設定する
% export CR_RA_INSTALLER_USER=username % export CR_RA_INSTALLER_WORKDIR=/working_directory % export CR_RA_INSTALLER_LEAVEFILES=yes, no % export CR_RA_CTYPE=raw, ssh, ssl % export CR_RA_SUID=y, n % export CR_RA_INSTALLER_HOSTS=hostnames.enterprise.com,10.10.0.207 |
リモートインストールを開始します。
% cr_ra_remote.sh -paramfile path-to-file/parameters-file.sh –f cr_ra_opsystem_5.2.sh hostnames |
cr_ra_opsystem_5.2.sh は、Sun N1 Service Provisioning System 5.2 CD またはダウンロードしたイメージからコピーしたインストールスクリプトを指定します。
path-to-file/parameters-file には、構成情報を取得するためにインストールプログラムが使用するパラメータファイルのパスと名前を指定します。環境変数を設定する場合と、インストールスクリプトにデフォルト値を使用させる場合は、パラメータファイルを指定する必要はありません。
hostnames は、インストール先となるマシンのホスト名です。ホスト名はスペースで区切ってください。パラメータファイル内で、または環境変数として CR_RA_INSTALLER_HOSTS パラメータにホスト名を指定した場合は、コマンド行でホスト名を指定する必要はありません。コマンド行でホスト名を指定すると、それらのホストにインストールされ、CR_RA_INSTALLER_HOSTS パラメータに指定したホストにはインストールされません。
ログファイルの場所を記録します。
インストールプログラムは、ログファイルが作成されていることと、そのログファイルの場所を表示します。あとで確認できるように、このファイルの場所をメモに記録しておいてください。
リモートマシンのパスワードを求めるメッセージが表示された場合は、そのパスワードを指定してください。
インストールスクリプトは、リモートマシン上にログファイルを生成します。
次の表に、Linux および UNIX システムで Sun N1 Service Provisioning System 5.2 アプリケーションを起動するコマンドを示します。N1SPS5.2-home は、アプリケーションのホームディレクトリです。
Sun N1 Service Provisioning System 5.2 アプリケーション (マスターサーバーなど) の起動に Bourne シェルは使用しないでください。Bourne シェルで cr_server start コマンドを使用してマスターサーバープロセスを起動し、マスターサーバーを起動したのと同じシェルで、後続のコマンドに対して ^C コマンドを実行すると、データベースとマスターサーバーのプロセスが停止します。
N1SPS5.2-home/server/bin/roxdb.out ファイルで、最近のエントリとして次のメッセージが表示されます。
DEBUG: fast shutdown request DEBUG: aborting any active transactions |
アプリケーション |
コマンドのパス |
起動用のコマンド |
---|---|---|
マスターサーバー |
N1SPS5.2-home/server/bin/ |
cr_server start |
ローカルディストリビュータ |
N1SPS5.2-home/ld/bin/ |
cr_ld start |
リモートエージェント |
N1SPS5.2-home/agent/bin/ |
cr_agent start |
CLI Client |
N1SPS5.2-home/cli/bin/ |
cr_cli CLI-command |
Jython バージョンの CLI Client |
N1SPS5.2-home/cli/bin/ |
cr_clij CLI-command |