このセクションでは、インストールに関連する既知の問題について説明します。
リソース空間の管理方法の最近の変更に伴い、マスターサーバーリソースリポジトリのサイズの設定に使用される変数の名前と機能が変更されています。このため、デフォルトの構成ファイルを変更する必要があります。
新しい変数、rsrc.minMSRepoVolFreeSpace は、リソースのチェックインを拒否するしきい値となる、使用可能なディスク領域の最小バイト数を指定します。rsrc.minMSRepoVolFreeSpace に値が指定されていない場合、マスターサーバーは、ディスク全体になるまで、必要な量のディスク領域を使用できます。
対処方法: Windows マスターサーバー上で、構成変数 rsrc.maxMSRepoSize を手動で削除し、新しい構成変数 rsrc.minMSRepoVolFreeSpace を追加します。両方の変数とも、マスターサーバー上のリソースディスク領域の管理に関係しています。
Windows システムへの Sun N1 Service Provisioning System 5.2 マスターサーバーのインストールで、「I Am Ready to Specify the HTTPS configuration now」オプションを選択すると、インストールに失敗することがあります。このオプションを選択すると、インストーラから、keystore ファイルのパスと keystore パスワードの入力が求められます。このときに、次のエラーがスローされて、インストールに失敗することがあります。
Error 1720: There is a problem with this windows installer package. A script required for this install to complete could not be run. Contact your support personnel or package vendor.
このエラーの原因としては、次のことが考えられます。
keystore ファイルに指定したファイルパスが無効
keystore ファイル用に指定したパスワードが無効
対処方法: このエラーを回避するには、次のことを確認します。
ファイルパスが有効で、アクセス可能である
ファイルの種類が有効な keystore ファイルである
keystore ファイルに指定されたパスワードが有効である
「I am ready to specify the HTTPS configuration now」オプションではなく、「I will specify the HTTPS configuration after the install」オプションを選択して、キーストアの構成をあとで行うこともできます。
詳細は、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 インストールガイド』の「HTTPS 接続のキーストアファイルとキーストアパスワードの作成」を参照してください。
N1 SPS マスターサーバーは、PostgreSQL データベースを使用します。PostgreSQL の起動には、共有メモリーセグメントが必要です。PostgreSQL の共有メモリーセグメント要求が使用可能なメモリーを超えていると、データベースの起動に失敗し、コンソールに次のエラーメッセージが出力されます。
Error! Failed to initialize the database (exit value was 1). Exiting..
The installation of the Master Server is incomplete. It can be removed by using the following command:
# pkgrm SUNWspsms SUNWspsc1
また、db エラーログには、次のようなメッセージが含まれます。
IpcMemoryCreate: shmget(key=5432001, size=426688512, 03600) failed: Not enough space
マスターサーバーのインストール中は、共有メモリーを使用しているほかのすべてのプロセスを停止させることを推奨します。物理 RAM のアップグレード後もマスターサーバーをインストールできない場合は、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 インストールガイド』の第 10 章「Sun N1 Service Provisioning System 5.2 へのアップグレード」を参照してください。この章では、マスターサーバーを、このマシンから最小システム要件を満たしている別のマシンに移行するための手順が説明されています。
対処方法: この問題を回避するには、システムの物理 RAM を増設してください。最小システム構成要件を満たしていないシステムにマスターサーバーをインストールすることはできません。
マスターサーバーの最小システム構成要件は、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 インストールガイド』の「マスターサーバーのハードウェア要件」に記載されています。
また、マスターサーバーのインストールは成功したが、共有メモリーの制約で起動に失敗する場合は、次のいずれか一方または両方の方法で、マスターサーバーの共有メモリー要件を緩和することができます。
postgres 構成ファイル $BASEDIR/N1_Service_Provisioning_System_5.2/server/postgres/data/postgresql.conf 内のmax_connections および shared_buffers パラメータの値を小さくする。max_connections を 32 、shared_buffers を 8,000 に設定します。
$BASEDIR/N1_Service_Provisioning_System_5.2/server/config/config.properties ファイル内の db.maxconnections プロパティを 30 に減らす。
Windows システムにマスターサーバー、リモートエージェント、またはローカルディストリビュータをインストールするときのエラーです。Other Account で Windows サービスを実行するようにした場合は、Log on as a service 権限を持つユーザー名を入力する必要があります。無効なパスワードが入力されるか、ユーザー名に Log on as a service 権限がない場合、インストールされたサービスの起動に失敗します。
サービスの起動に失敗した場合は、状況に応じてエラーメッセージが表示されます。
マスターサーバーの場合
データベース設定を行うには、postgres サービスが実行されている必要があるため、リブート後にインストールが失敗します。Other Account に指定された資格情報が無効なため、postgres サービスの起動に失敗して、インストールがハングアップし、次のエラーメッセージが表示されます。
At least one service or driver failed during system startup. Use Event Viewer to examine the event log for details.
リモートエージェントの場合
Error 1920.Service cragent (cragent) failed to start. Verify that you have sufficient privileges to start system services.
ローカルディストリビュータの場合
Error 1920.Service crdistributor (crdistributor) failed to start. Verify that you have sufficient privileges to start system services.
このエラーは、無効なパスワードが入力されたか、ユーザー名に Log on as a service 権限がないために発生します。ユーザー名の妥当性検査では、コンピュータ上にそのユーザーが存在するかどうかだけが検査されます。そのユーザーのパスワードが有効かどうか、あるいはユーザー名に「Log on as a service」権限があるかどうかの資格検査は行われません。
対処方法: このエラーを回避するには、次のいずれかの対処をします。
Other Account に入力するパスワードが有効であること、またユーザー名に Log on as a service 権限があることを確認する。
Other Account オプションではなく、System Account オプションを選択する。この場合、ユーザー名とパスワードの入力は必要ありません。インストールは継続され、SYSTEM ユーザーでサービスが実行されます。