Sun N1 Service Provisioning System ユーザーズガイド (OS Provisioning Plug-In 3.1)

Solaris JET サーバーの設定

Solaris ブートおよびインストールサーバーは JET サーバーです。JET サーバーを設定するには、次の作業を行います。

ProcedureSolaris 10 JET サーバーで TFTP を有効にする

Solaris 8 または 9 リリースが稼働しているサーバーについては、JET は、配備用に自動的に TFTP サービスを有効にします。Solaris JET サーバーで Solaris 10 OS が稼働している場合は、JET サーバーの TFTP サービスを手動で有効にする必要があります。次の手順に従ってください。

  1. root として Solaris 10 JET サーバーにログインします。

  2. svcadm -v enable network/ftp コマンドを入力します。

    TFTP サービスが有効になり、管理サーバーを再起動するとサービスが起動します。システムを再起動したら、inetadm コマンドを使って、TFTP サービスが起動しているかどうかを確認できます。


    # inetadm
    enabled   online         svc:/network/telnet:default
    enabled   online         svc:/network/nfs/server:default
    disabled  disabled       svc:/network/echo:dgram
    disabled  disabled       svc:/network/time:stream
    enabled   online         svc:/network/ftp:default 
  3. /etc/hosts ファイルに、ループバックと JET サーバーのエントリがあることを確認します。

    1. 次のいずれかのループバックのエントリが /etc/hosts ファイルにあることを確認します。


      127.0.0.1    localhost

      または


      127.0.0.1    localhost.localdomain    localhost
    2. JET サーバーとその IP アドレスのエントリがあることを確認します。次に例を示します。


      111.11.111.11 jet.domain jet.domain
      

      111.11.111.11 は、Solaris 10 JET サーバーの IP アドレス、jet は JET サーバー名、domain は企業のドメイン名です。

      /etc/hosts ファイルは次の例のようになります。


      127.0.0.1    localhost.localdomain    localhost
      10.5.157.123 biss-jet.company.com
      
    3. /etc/hosts を保存して閉じます。

  4. JET サーバーを再起動します。

ProcedureSolaris 10 JET サーバーで NFS サービスを有効にする

Solaris 8 または 9 リリースが稼働しているサーバーについては、JET は、配備用に自動的に NFS サービスを有効にします。Solaris JET サーバーで Solaris 10 OS が稼働している場合は、JET サーバーの NFS サービスを手動で有効にする必要があります。次の手順に従ってください。

  1. root として Solaris 10 JET サーバーにログインします。

  2. svcadm -v enable network/nfs/server コマンドを入力します。

    NFS サービスが有効になり、管理サーバーを再起動するとサービスが起動します。システムを再起動したら、svcs コマンドを使って、NFS サービスが起動しているかどうかを確認できます。


    # svcs | grep nfs
    online         Apr_08   svc:/network/nfs/cbd:default
    online         Apr_08   svc:/network/nfs/client:default
    online         14:03:18 svc:/network/nfs/status:default
    online         14:03:18 svc:/network/nfs/nlockmgr:default
    online         14:03:18 svc:/network/nfs/server:default
    online         14:03:18 svc:/network/nfs/mapid:default
    online         14:03:18 svc:/network/nfs/rquota:default
  3. 共有される各ファイルシステムのエントリを /etc/dfs/dfstab ファイルに追加します。

    自動的に共有する各ファイルシステムのファイルにエントリを 1 つ追加します。各エントリは、ファイル中に 1 行で記述する必要があり、次のような構文を使用します。


    share [-F nfs] [-o specific-options] [-d description] pathname

    /etc/dfs/dfstab の説明は、dfstab(4) マニュアルページを参照してください。また、オプションの完全なリストは、share_nfs(1M) マニュアルページを参照してください。

  4. ファイルシステムを共有します。

    エントリを /etc/dfs/dfstab に追加したあと、システムをリブートするか、shareall コマンドを使用して、ファイルシステムを共有可能にします。


    # shareall
    
  5. 情報が正しいことを確認します。

    share コマンドを実行し、適切なオプションが表示されていることを確認します。


    # share
    -        /export/share/man   ro   ""
    -        /usr/src     rw=eng   ""
    -        /export/ftp    ro,public  ""

ProcedureJET Solaris イメージサーバーを作成する

N1 SPS のブラウザインタフェースまたはコマンド行インターフェースから JET イメージサーバーを作成できます。コマンド行からサーバーを作成するには、次の例のようなコマンドを入力します。


# cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/Jet-create \
-tar H:NM:biss1 -comp - -vs solaris8 + -pto 30 -nto 10

solaris8 引数の部分は、適切なリリース値に置き換えてください。

ブラウザインタフェースからサーバーを作成するには、次の手順に従います。

  1. Solaris ブートおよびインストールサーバーにするシステムにログインします。

  2. 現在 JumpStart Enterprise Toolkit を使用している場合は、これらのファイルを削除します。

    次のコマンドを使用します。# pkgrm SUNWjet

  3. N1 SPS ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  4. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「JET Solaris Image Servers」セクションで「Create」をクリックします。

  5. 「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。

  6. このプランに使用する変数を選択します。

    • 既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「JET」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。

    • 新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「JET」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。

      1. 「Create Set」をクリックします。

      2. 変数セットの名前を入力します。

      3. 変数を確認し、必要に応じて変数を変更します。

        イメージサーバーコンポーネントの変数はごく少数で、それらのほとんどは変更しません。これらの変数とそのデフォルト値のリストは、「Solaris イメージサーバーのコンポーネント変数」を参照してください。

      4. 変数セットを保存します。

      5. 「Plan Parameters」テーブルの「JET」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。

    • 別のコンポーネントの変数設定を使用する場合は、「Import Set From Component」をクリックします。

      「Import Variable Settings」ウィンドウが表示されます。

      1. 必要に応じて、変数設定のインポート元となるコンポーネントが入ったフォルダへ移動します。

      2. コンポーネントのバージョンを選択します。


        注 –

        コンポーネントのバージョンが異なると、変数設定も異なる可能性があります。現在のコンポーネントおよびインポートする変数設定があるコンポーネントが共通の変数を使用していることを確認します。変数設定のインポート元のコンポーネントと、プランで使用するコンポーネントの間で共通に使用している変数が存在しない場合、変数設定はインポートされません。


      3. 「Import Variable Settings」をクリックします。

        変数設定がインポートされ、表形式で表示されます。

      4. 「Plan Details Run」ページの「Variable Settings」ドロップダウンリストから、インポートした変数設定を選択し、「Select」をクリックします。

    • ファイルに保存されているコンポーネント変数設定を使用する場合は、次の手順に従います。

      1. 「Import Sets from File」テキストフィールドに、使用する変数設定ファイルへのパスを入力します。

        ファイルシステムをブラウズして適切なファイルを探すには、「ブラウズ」ボタンをクリックします。

      2. 「Import」をクリックします。

        変数設定がインポートされ、表形式で表示されます。


        注 –

        変数設定のインポート元のファイルと、プランで使用するコンポーネントの間で共通に使用している変数が存在しない場合、変数設定はインポートされません。


      3. 「Plan Details Run」ページの「Variable Settings」ドロップダウンリストから、インポートした変数設定を選択し、「Select」をクリックします。

  7. JET イメージサーバーを作成するホストを選択します。

  8. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

  9. JET イメージサーバーが正常に作成されたことを確認するには、プロビジョニングサーバーのウィンドウの左側にある「Hosts」リンクをクリックします。

    -jet が付加された仮想ホストの名前が表示されます。たとえば、ホスト masterserver にインストールした場合、仮想ホストは masterserver-jet となります。

注意事項

OS プロビジョニングサーバーがブートおよびインストールサーバーと同じ物理ホスト上に存在する場合は、ターゲットホストへのプロビジョニングの前にそのシステムのインタフェースを構成する必要があります。OS プロビジョニングサーバーは、ブートおよびインストールサーバーのインタフェースを自動的には構成しません。

Solaris イメージサーバーのコンポーネント変数

イメージサーバーコンポーネントには次の変数が適用されます。

表 5–1 Solaris イメージサーバーのコンポーネント変数

変数名 

説明 

デフォルト値 

installPath

JET パッケージをインストールする位置。 

/opt/SUNWjet

sps_cli

N1 SPS コマンド行インタフェースの位置。 

/opt/SUNWn1sps/N1_Service_Provisioning_System_5.2/cli/bin/cr_cli

jetHost

仮想ホスト名に使用する名前。デフォルトでは、仮想 JET ホスト名は、-jet が追加されたターゲットホストのホスト名に設定されています。

:[target]-jet

jetFolder

JET 固有の情報を格納するフォルダ。デフォルトでは、JET フォルダは /com/sun/n1osp/autogen- :[jetHost] にあります。:[jetHost] は、上記手順で定義した仮想 JET ホスト名です。

/com/sun/n1osp/autogen-:[jetHost]

templatePrefix

OS プロビジョニング JET テンプレートの特定に使用する値。 

OSP_TEMPLATE_

JET Solaris イメージサーバーへの Solaris パッチのインポート

Solaris パッチを入手していて、NFS を介して JET Solaris イメージサーバーがそれらのパッチにアクセスできる場合は、JET Solaris イメージサーバーにそれらのパッチをインポートできます。そして、それらのパッチをプロビジョニングプランに追加できます。

ProcedureJET Solaris イメージサーバーに Solaris パッチをインポートする

  1. N1 SPS ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「JET Solaris Image Servers」セクションで「Manage」をクリックします。

  3. 「Component Details」ページの「Component Procedures 」テーブルで、「import_product_patches」のチェックボックスを選択します。

  4. 「Actions」列の 「import_product_patches」行で、「Run」をクリックします。

  5. 「Plan Details Run」ページの「Current Installations」リストから、パッチのインポート先のブートおよびインストールサーバーを選択します。

  6. 「Run Selected Installations」をクリックします。

  7. 「Plan Details Run」ページで、このプランに使用する変数を指定します。

    1. 「JET Module Name」フィールドで spsra モジュールを指定します。

    2. 製品のバージョンを指定します。

      たとえば、5.2 というように指定します。

  8. パッチのアーキテクチャーを指定します。

  9. 「Media Path」フィールドでパッチへのパスを指定します。

  10. 「Run (includes preflight)」をクリックします。