この付録では、Ximian Evolution のトラブルシューティングについて説明します。
Evolution を起動すると、最後に使用したフォルダが表示されます。 たとえば、「受信箱」を表示し、その後 Evolution を終了した場合、次回 Evolution を開いたときは「受信箱」が表示されます。
Evolution をコマンド行から起動でき、開きたいフォルダを指定することもできます。 次の表は、典型的な Evolution フォルダと、そのフォルダを表示して Evolution を起動する場合に使用するコマンドを示しています。
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フォルダ |
コマンド |
|---|---|
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「カレンダ」 |
evolution-1.4 evolution:/local/Calendar |
|
「連絡先」 |
evolution-1.4 evolution:/local/Contacts |
|
「受信箱」 |
evolution-1.4 evolution:/local/Inbox |
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「サマリ」 |
evolution-1.4 evolution:/local/Summary |
|
任意のフォルダ |
evolution-1.4 evolution:/folder-path |
次の電子メールアプリケーションは、 Evolution が読み取りまたはインポートできない専用形式を使用しています。
Microsoft Outlook
バージョン 4 以降の Outlook Express
Microsoft Outlook およびバージョン 4 以降の Outlook Express から電子メールをインポートするには、以下に示す回避策をとってください。
Windows で、Microsoft Outlook または Outlook Express の電子メールを mbox 形式を使用する電子メールアプリケーションにインポートします。 たとえば、電子メールを Mozilla、Netscape、または Eudora にインポートします。
Evolution に使用するシステムまたはパーティションに電子メールをコピーします。
Evolution インポートアシスタントを使用して電子メールをインポートします。
Netscape バージョン 4.x から電子メールをインポートする前に、Netscape Messenger ウィンドウで「ファイル」-> 「Compact All Folders」を選択します。 この操作を実行しないと、Evolution は「ゴミ箱」フォルダのメッセージをインポートして削除を解除します。
バージョン 4 以降の Outlook Express から連絡先をインポートするには、次の手順を実行します。
Outlook Expressで、連絡先と連絡先リストをそれぞれ Vcard ファイルでエクスポートします。
Outlook Express で、 Vcard 形式のファイルをそれぞれメッセージに添付し、そのメッセージを Evolution アカウントに送信します。
Evolution でメッセージを受信します。
Evolution で、メッセージから連絡先または連絡先リストをインポートするには、「添付」ボタンの左側の右矢印アイコンをクリックして、「インライン表示」を選択します。 連絡先または連絡先リストがメッセージに表示されます。 「アドレス帳に保存」ボタンをクリックして、連絡先または連絡先リストをインポートします。
この手順を繰り返して、メッセージからほかの連絡先または連絡先リストをインポートします。
Evolution は、データの格納に標準形式を使用します。 Evolution からほかのアプリケーションへのデータのエクスポートは簡単に行えます。 次の表は、Evolution がデータの格納に使用する形式を示しています。
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アプリケーション |
形式 |
|---|---|
|
電子メール |
mbox |
|
カレンダ |
iCalendar |
|
Contacts |
.db3 データベースの Vcard 形式 |
電子メールメッセージの「件名」フィールドには、Ctrl + V ショートカットキーを使用して内容を貼り付けることができません。 その代わりに、Shift + Insert ショートカットキーを使用してください。
暗号化された署名を電子メールメッセージに追加すると、次のエラーが表示されることがあります。
Failed to GPG sign: Broken pipe gpg: skipped '<KEY>': secret key not available gpg: signing failed: secret key not available
このエラーを修正するには、次の手順を実行します。
次のファイルを開きます。 $HOME/.gnupg/gpg.conf
次の行をコメントアウトします。 use-agent
Evolution を Java System Calendar Server と使用すると、次の問題が発生する場合があります。
Evolution で Calendar Server アカウントからの一連のアポイント内のアポイントを変更したり削除することはできません。 Calendar Server はこの機能をサポートしません。
ローカルのカレンダフォルダと Calendar Server フォルダでは、繰り返しのアポイントの「プレビュー」セクションにおける動作が異なります。 ローカルフォルダでは、簡単な繰り返しアポイントを開いてから、「繰り返し」タブをクリックします。 「プレビュー」セクションを使用できます。 Calendar Server フォルダでは、一連のアポイント内のアポイントを変更したり削除ができないため、繰り返しタブの「プレビュー」セクションは無効にされています。
ローカルフォルダでは、Calendar はローカルの「タスク」フォルダにあるタスクを表示します。 Calendar Server フォルダでは、 「個人用カレンダ」はデフォルトのタスクフォルダにあるタスクを表示します。 デフォルトのタスクフォルダは変更できます。 デフォルトのタスクフォルダを変更する方法については、フォルダ環境の設定を参照してください。 デフォルトのタスクフォルダを変更後、Evolution を再起動して変更を有効にする必要があります。
Calendar Server はアポイントまたは会議ごとに 1 つのリマインダしかサポートしません。 ただし、ローカルのカレンダには、各アポイントまたは会議に複数のリマインダを追加できます。
Evolution のタイムゾーンは、Calendar Server のタイムゾーンと異なります。 このタイムゾーンの違いは、Evolution だけに存在するタイムゾーンを処理する場合にいくつかの問題の原因となります。
たとえば、Evolution では「アジア/ウルムチ」というタイムゾーンを利用できますが 、Calendar Server では利用できません。 「アジア/ウルムチ」タイムゾーンで新しいアポイントを作成すると、Evolution はアポイントを Calendar Server のデフォルトタイムゾーンで保存します。
Calendar Server アカウントに間違ったプロトコルを選択した場合、Evolution の「Evolution 設定」ダイアログでこのプロトコルを修正できません。 Calendar Server アカウントのプロトコル設定を修正するには、次の手順を実行します。
Calendar Server フォルダを右クリックして、ポップアップメニューから「パスワードの紛失」を選択します。
Evolutionを終了して再起動します。
「パスワードの入力」ダイアログで、「取消し」をクリックします。
「Evolution 設定」ダイアログで Calendar Server の正しいプロトコルを選択します。
PDA と Evolution を使用すると、次の問題が発生する可能性があります。
USB ポートを使用して同期させるとき、コンピュータが動かなくなる場合があります。 たとえば、Caps Lock LED や Scroll Lock LED が点滅することがあります。 この問題の原因としては、USB モジュールの問題、カーネルの問題、またはハードウェアの問題が考えられます。
Evolution は Pocket PC とは直接同期をとることができません。 ただし、Sync や MultiSync などのオープンソースツールを使用すれば、Evolution は Pocket PC と直接同期をとることができます。
「Send Link」 や 「Send Page」を選択したときに Evolution が起動しないように Mozilla を構成するには、次の手順を実行します。
次のうち、いずれかのファイルを開きます。
Mozilla を個々のユーザー用に構成します。
Mozilla をすべてのユーザー用に構成します。
ファイル内で次の行を見つけます。
pref("network.protocol-handler.external.mailto", true)
この行を次の行に変更します。
pref("network.protocol-handler.external.mailto", false)
Evolution は CDE カレンダアプリケーションと一緒には使用できません。