Java Desktop System Release 2 問題の解決方法

パート II Linux システム

ここでは、Linux システムにおける Java Desktop System Release 2 の問題と回避方法について説明します。

第 2 章 Linux システムのシステム上の問題

この章では、Linux システムにおける Java Desktop System Release 2 の既知の問題について説明します。

2.1 基本的な使用方法

2.1.1 カーネルモジュールのコンパイル中にバージョン不整合が発生する

問題 

Pentium 4 などのハイパースレッド対応のプロセッサを使用している場合は、カーネルモジュールのコンパイル時にバージョン不整合のエラーが発生することがあります。 

解決方法 

次の手順を実行します。

  1. 次のファイルを編集します。/usr/src/linux-2.4.19.SuSE/linux/version.h

  2. #define UTS_RELEASE "2.4.19-4GB" の行を

    #define UTS_RELEASE "2.4.19-64GB-SMP" に書き換えます。

2.1.2 /net からマウントできない

問題 

バグ ID: 4908595 

/net からのマウントが機能しません。この問題は、autofs4 ユーティリティが間違ったカーネルモジュールをデフォルトで読み込むために起こります。

解決方法 

システムのインストール時に、次の作業を実行します。 

  1. 次のファイルをテキストエディタで開きます。/etc/modules.conf

  2. 次の行のコメントを解除します。

    # alias autofs autofs4

2.1.3 インストールが失敗する

問題 

一部の Red Hat Package Managers (RPM) が、システムの基底にある Linux リリースを認識していない可能性があります。これらの RPM ファイルをシステムにインストールしようとすると、インストールに失敗する可能性があります。

解決方法 

RPM ファイルをシステムに正常にインストールするためには、特定の Linux のバージョンが /etc/SuSE-release ファイルに記載されている必要があります。

Linux のバージョンを RPM が認識するバージョンに変更します。たとえば、SuSE Linux 8.1 (i386) Version=8.1 にしてください。

2.1.4 画面表示の問題

問題 

インストールプロセスによって設定される画面の解像度は、使用しているシステムに適していない可能性があります。解像度が適切でないと、画面表示に問題が発生する可能性があります。画面の解像度は、システム設定中に、使用しているシステムのハードウェアに適した値に再設定することができます。 

解決方法 

最初の「ようこそ」画面が現れたあと、インストール画面が表示されます。次の作業を実行します。 

  1. 即座に F2 キーを押して、希望の解像度が選択されていることを確認します。

  2. 希望する解像度を選んで、Enter キーを押します。ディスプレイハードウェアの能力以上の解像度を選んだ場合、インストールの間、画面の下の部分が表示されなくなります。このような場合、インストールを再開して、低い解像度を選択します。

  3. 矢印キーを使用して「インストール」を選択し、Enter キーを押します。

画面解像度ダイアログで選択できる解像度は、その値が YaST で有効に設定されているものだけです。

2.1.5 RPM の CD が排出されない

問題 

RPM を CD からマルチユーザーモードでインストールすると、システムは CD を自動的に排出しません。 

解決方法 

eject cdrom コマンドを入力して、CD を取り出します。

2.1.6 バックスペースが間違って挿入される

問題 

Sun Ray™ クライアントまたは Solaris マシンから Java Desktop System セッションにログインした場合、キーボードで L キーを押すたびに、バックスペースが挿入されます。

解決方法 

次の解決方法のいずれかを使用します。 

  • Java Desktop System にログインした後で、xmodmap コマンドを使用して L キーを再定義します。

  • Java Desktop Systemroot としてログインし、/etc/X11/Xmodmap ファイルを削除します。

2.1.7 ログイン時にパネルがクラッシュする

問題 

システムを再起動したあとで Java Desktop System にログインすると、パネルがクラッシュすることがあります。

解決方法 

Panel アプリケーションが再起動するまで待ってください。

2.1.8 インストール更新後に起動スプラッシュ画面が表示されない

問題 

バグ ID: 5026577 

インストールを実行して以前のバージョンの Java Desktop System を更新したあと、起動スプラッシュ画面が表示されません。この問題は、/usr/share/splash/themes ディレクトリにリンクがないために発生します。

解決方法 

次の手順を実行します。 

  1. root ユーザでログインします。

  2. 次のコマンドを実行します。cd /usr/share/splash/theme

  3. 次のコマンドを実行します。execute ln -s Sun current

  4. 次のコマンドを実行します。execute mkinitrd

2.1.9 インストールの更新後、ファイルシステム RPM のインストールに失敗する

問題 

バグ ID: 5028130 

インストールを実行して以前のバージョンの Java Desktop System を更新したあと、ファイルシステム RPM のインストールに失敗します。

この問題は、Nautilus ファイルマネージャでデフォルトのオートマウンタを有効にした状態で、CD からYaST2 のシステム更新を実行した場合に発生します。この問題は、CD が /media/cdrom でマウントされた状態で、YaST2 のシステム NFS 更新を実行した場合にも発生します。

この問題は、CD からの起動が完了した後に、ネットワーク更新を実行した場合には発生しません。 

解決方法 

YaST2 のシステム更新インストールを開始する前に、次の手順を実行します。

  1. システムからすべての CD-ROM を削除します。

  2. 「起動」->「拡張設定」->「CD デバイスオプション」を選択します。

  3. 「挿入された CD をマウントする」オプションを選択解除して、「閉じる」を選択します。

  4. 通常どおりにシステムインストールの更新を継続します。

2.1.10 インストールの更新後、ウィンドウにボックスが付く

問題 

バグ ID: 5017762 

インストールを行なって Java Desktop System の以前のバージョンを更新したあと、入力方式切り替え器アプレットがデフォルトパネルに追加されません。代わりに、ウィンドウにはボックスが追加されています。

Java Desktop System Release 2 のデフォルトのパネル設定は、以前のリリースの Java Desktop System とは異なります。以前のバージョンの Java Desktop System にログインすると、この問題が発生する可能性があります。

解決方法 

パネルを右クリックし、「パネルに追加」->「ユーティリティ」->「入力方式切り替え器」を選択します。

2.2 一般的なデスクトップの問題

2.2.1 ファイルが開かない

問題 

NFS でマウントされたディレクトリからドキュメントを開こうとしたとき、そのドキュメントを所有するアプリケーションが URL として渡されたファイル名の引数を処理できない場合、ファイルマネージャはエラーを表示します。

たとえば、StarSuite™、OpenOffice、vi、acroread、および ggv などのアプリケーションは URL を処理できないため、これらのアプリケーションで NFS ファイルを開こうとするとファイルマネージャはエラーを表示します。

この問題は、Samba (SMB) でマウントスされたディレクトリにあるファイルを開く場合にも発生します。 

解決方法 

対象のファイルをローカルディレクトリにコピーします。つまり、NFS または Samba ディレクトリではないディレクトリにコピーするということです。 

2.2.2 ファイルマネージャがクラッシュする

問題 

バグ ID: 5029196 

プレーンラテン文字で 290 文字を超えるディレクトリパスを入力すると、Nautilus ファイルマネージャがクラッシュします。

解決方法 

Nautilus ファイルマネージャを使用してディレクトリ構造にアクセスしたい場合は、プレーンラテン文字で 290 文字を超えるディレクトリ構造を入力しないでください。Terminal アプリケーションを使用してファイルシステムを参照する場合は、ディレクトリ構造の文字長に制限はありません。

2.2.3 Blueprint テーマが正しく表示されない

問題 

Blueprint Beta のテーマは、評価用のみです。Blueprint Beta のテーマは通常の環境で使用しないでください。このテーマには既知のバグがあり、サポートされていません。 

解決方法 

Blueprint Beta のテーマを評価する場合は、「View Apply Theme」->「Blueprint Beta」を選択します。

2.2.4 Ghostscript から空のページが印刷される

問題 

バグ ID: 4984611 

Ghostscript 経由で CUPS が使用されると、空のページが印刷されます。

解決方法 

CUPS アカウンティング情報は通常は必要でないため、cupsomatic フィルタでアカウンティング機能を無効にできます。次の手順を実行します。

  1. root ユーザでログインします。

  2. 次のファイルを開きます。/usr/lib/cups/filter/cupsomatic

  3. 次の行を変更します。

    my $ps_accounting = 1;

    宛先:

    my $ps_accounting = 0;

/etc/foomatic/filter.conf を使用する場合は、その場所で ps_accounting を無効にします。

2.2.5 フロッピーディスクを取り出せない

問題 

バグ ID: 4948512 

デスクトップ上のフロッピーディスクアイコンを使用して、フロッピーディスクドライブからフロッピーディスクを取り出すことができません。root ユーザのみがフロッピーディスクを取り出せるというエラーメッセージが表示されます。この問題は、あるユーザによってフロッピーディスクアイコンがディスクトップにマウントされている場合に、別のユーザがログインしてそのアイコンを使用してフロッピーディスクを取り出そうとした場合に発生します。 

解決方法 

fd0/etc/fstab ファイルで、userusers に変更します。

2.2.6 CDROM を取り出せない

問題 

バグ ID: 4966284 

CDROM ドライブから CDROM を取り出すことができません。この問題は、fam デーモンが CDROM デバイスを保持しているため、ファイルマネージャがそのデバイスをアンマウントしてCDROM を排出できないために発生します。

解決方法 

CDROM ドライブから CDROM を取り出すには、次の手順を実行します。 

  1. root としてログインします。

  2. 端末ウィンドウを開きます。

  3. 次のコマンドを実行します。pkill fam

  4. 次のコマンドを実行します。eject cdrom

2.2.7 マウスホイールが動作しない

問題 

バグ ID: 4948755 

Java アプリケーションを実行していると、マウスホイールが動作しません。 

解決方法 

システムのインストール時に、次の作業を実行します。 

  1. 次のファイルをテキストエディタで開きます。XF86Config

  2. 次の行を挿入します: Option "ZAxisMapping" "4 5"

2.3 ネットワークの問題

2.3.1 PPP 接続が機能しない

問題 

ダイアルアップ PPP 接続ではネットワークに接続できません。 

解決方法 

ネットワーク接続にモデムを使用しており、ダイアルアップ PPP 接続を必要とする場合は、Linux PPP ダイアラーコマンドユーティリティの wvdial を使用してください。

2.3.2 モデムダイアルアップが機能しない

問題 

バグ ID: 4955086 

root 以外のユーザでは、モデムダイアルアップが機能しません。この問題は、pppd ユーティリティの setuid ビットが設定されていないめに発生します。wvdialsetuid ビットも設定されていません。

解決方法 

次の作業を実行します。 

  1. root ユーザでログインします。

  2. 次のコマンドを実行します。chmod +s /usr/sbin/pppd

2.3.3 ネットワークプレースが表示されない

問題 

新しいネットワークプレースが「ネットワークプレイス」ウィンドウに表示されません。

解決方法 

ログアウトして、もう一度ログインしてください。 

第 3 章 システム上のアプリケーション問題

この章では、Linux 上における Java Desktop System Release 2 の特定のアプリケーションに関する既知の問題について説明します。

3.1 電子メールとカレンダ

3.1.1 Evolution で vFolders が機能しない

問題 

バグ ID: 5018480 

Evolution で vFolders が機能しません。

解決方法 

新しい vFolders を作成したあとは、Evolution を再起動する必要があります。

3.1.2 Evolution がクラッシュする

問題 

バグ ID: 5029522 

「連絡先」の編集時に無効な文字シーケンスを「Web address」フィールドに追加すると Evolution がクラッシュすることがあります。

解決方法 

マルチバイト文字やスペースを含まない正しい URL のみを使用します。 

3.1.3 Evolution インストールがハングする

問題 

バグ ID: 5030708 

Evolution のインストールが 95% 終了したところで停止したかのように見えます。Evolution RPM のインストールは最長 8 分かかります。これは Evolution のドキュメントを Scrollkeeper に登録するために必要な時間です。

解決方法 

インストール終了まで待ちます。 

3.2 gedit テキストエディタ

3.2.1 マルチバイト文字を入力できない

問題 

バグ ID: 4937266 

gedit テキストエディタで「自動インデント」機能を有効にすると、マルチバイト文字を正しく入力できません。

解決方法 

「自動インデント」機能を無効にします。次の手順を実行します。

  1. 「編集」->「環境設定」を選択します。

  2. 「カテゴリ」リストで「エディタ」を選択し、「自動インデント」を選択します。

  3. 「自動インデントを有効にする」オプションを選択解除します。

3.3 Macromedia Flash Player

3.3.1 テキストが表示されない

問題 

発色数が 256 色および 8 ビットに設定されているとき、テキストは Macromedia Flash Player 6 では表示させません。

解決方法 

色数を 16 ビット以上に設定します。 

3.4 Mozilla

3.4.1 Mozilla がプロファイルを使用できない

問題 

Mozilla の実行中にシステムが予期せずシャットダウンした場合、プロファイルロックファイルをクリアできません。システムを再起動して、Mozilla を起動したあとに、次のようなエラーメッセージを示すダイアログが表示されます。

Mozilla cannot use the profile because it is in use. Please choose another profile or create a new one.

解決方法 

次のファイルを削除します。$HOME/.mozilla/<profilename>/<random>/lock

3.4.2 RPM ハイパーリンク の RPM をクリックすると Mozilla がクラッシュする

問題 

Linux RPM パッケージファイルへのハイパーリンクをクリックするとMozilla がクラッシュします。 

Mozilla はすべての .rpm ファイルを RealPlayer メディアとして登録しています。Linux パッケージファイルを直接クリックすると、RealPlayer プラグインは無効な .rpm ファイルを正しく処理できないために、Mozilla がクラッシュします。

解決方法 

.rpmリンクを右クリックして、メニューから 「Save Link Target As...」 を選択します。

3.4.3 Mozilla が gdict と接続できない

問題 

gdict サーバーへは、ファイアウォールを越えて接続することはできません。

解決方法 

ファイアウォールでポート 2628 を許可する必要があります。 

3.4.4 Mozilla が内部のメールサーバーに接続できない

問題 

Mozilla メールは socks サーバー経由では内部のメールサーバーに接続できません。

解決方法 

Mozilla でアプリケーションのプロキシ設定を使用する場合、「起動」->「設定」->「インターネット」設定で 「socks host」を設定しないでください。

3.4.5 テキストを貼り付けると Mozilla がクラッシュする

問題 

ほかのアプリケーションから Mozilla ウィンドウにテキストを貼り付けようとすると、Mozilla がクラッシュします。

解決方法 

ほかのアプリケーションから Mozilla にテキストをコピーする場合、正しくテキストを貼り付けるには、Ctrl + V キーを一度押して、キーを即座に放します。

テキストを貼り付けてすぐに Ctrl + V キーを放さないと、Mozilla がクラッシュします。

3.5 サウンドレコーダ

3.5.1 スライドバーおよびカウンタが動作しない

問題 

新しい .wav ファイルを録音するとき、スライドバーとタイムカウンタが動作しません。

解決方法 

録音が行われていることを示す表示もありません。 

3.5.2 サウンドファイルを 1 回しか再生できない

問題 

サウンドレコーダ の同じインスタンスでは、.wav ファイルを複数回再生できません。

解決方法 

回避策としては、サウンドレコーダの別のインスタンスを開いて、.wav ファイルを再生してください。

第 4 章 Linux システムにおける日本語化の問題

この章では、Linux システムにおける Java Desktop System Release 2 の日本語化の問題について説明します。

4.1 すべてのロケール

4.1.1 ATOK X AUX が機能しない

問題 

このリリースでは、 ATOK X 入力方式の AUX が機能しません。この問題は、次の ATOK X AUX 機能に影響します。 

  • AtokPaletteAux

  • SystemLineAux

  • CharPaletteAux

  • PropertyAux

  • CustomizerAux

  • RegWordAux

  • DicUTAux

解決方法 

ATOK X AUX 機能を使用しないでください。日本語ロケールでのみ ATOK X AUX 機能を有効にしたい場合は、次の手順を実行して RPM を置き換えます。この変更を行うと、ATOK X 以外のすべての入力方式は、すべての言語環境で使用できなくなります。 

  1. ログイン画面メニューで「端末の復旧」を選択し、root ユーザーでログインします。

  2. 次のコマンドを実行して IIIM および ATOK X デーモンを停止します。

    # sh /etc/init.d/atokx stop

    # sh /etc/init.d/IIim stop

  3. 次の RPM を削除します。

    • iiimf-csconv

    • iiimf-protocol-lib

    • iiimf-protocol-lib-devel

    • iiimf-client-lib

    • iiimf-client-lib-devel

    • iiimf-x

    • iiimf-gtk

    • iiimf-server

    • iiimf-le-Asian-koKR-sun

    • iiimf-le-Asian-thTH-sun

    • iiimf-le-Asian-zhCN-sun

    • iiimf-le-Asian-zhHK-sun

    • iiimf-le-Asian-zhTW-sun

    • iiimf-le-unit

    • iiimf-docs

    例:

    #rpm -e `rpm -q -a | grep iiimf`

  4. /usr/lib/im/locale/ja/atokserver/rpm にある次の RPM をインストールします。

    iiimf-1.2-3JDS4.i586.rpm

    iiimf_conv-1-2JDS4.i586.rpm

    例:

    # rpm -ihv /usr/lib/im/locale/ja/atokserver/rpm/*.rpm

  5. 次のコマンドを実行してシンボリックリンクを atok12aux.so に変更します。

    1. # cd /usr/lib/im/locale/ja/atokserver

    2. # rm atok12aux.so

    3. # ln -s atok12aux-iiimf10.so atok12aux.so

  6. 次のコマンドを実行して IIIM および ATOK X デーモンを起動するか、システムを再起動します。

    1. # sh /etc/init.d/IIim start

    2. # sh /etc/init.d/atokx start

 

元の設定に戻すには、次の手順を実行して RPM を置き換えます。 

  1. ログイン画面メニューで「端末の復旧」を選択し、root ユーザーでログインします。

  2. 次のコマンドを実行して IIIM および ATOK X デーモンを停止します。

    # sh /etc/init.d/atokx stop

    # sh /etc/init.d/IIim stop

    次の RPM を削除します。iiimf, iiimf_conv

    例: # rpm -e rmp -q -a| grep iiimf

  3. 次の RPM をインストールメディアからインストールします。

    • iiimf-csconv

    • iiimf-protocol-lib

    • iiimf-protocol-lib-devel

    • iiimf-client-lib

    • iiimf-client-lib-devel

    • iiimf-x

    • iiimf-gtk

    • iiimf-server

    • iiimf-le-Asian-koKR-sun

    • iiimf-le-Asian-thTH-sun

    • iiimf-le-Asian-zhCN-sun

    • iiimf-le-Asian-zhHK-sun

    • iiimf-le-Asian-zhTW-sun

    • iiimf-le-unit

    • iiimf-docs

    例:

    1. コマンド行から次のコマンドを入力します: yast2

    2. 「ソフトウェアのインストール/削除」を選択します。

    3. 「フィルタ」ドロップダウンリストから「検索」を選択します。

    4. 次の文字列を「検索」フィールドに入力します。iiimf

    5. 「検索」をクリックします。

    6. リストから iiimf パッケージを選択し、「了解」をクリックします。

  4. 次のコマンドを実行してシンボリックリンクを atok12aux.so に変更します。

    1. # cd /usr/lib/im/locale/ja/atokserver

    2. # rm atok12aux.so

    3. # ln -s atok12aux-iiimf11.so atok12aux.so

  5. 次のコマンドを実行して IIIM および ATOK X デーモンを起動するか、システムを再起動します。

    1. # sh /etc/init.d/IIim start

    2. # sh /etc/init.d/atokx start

4.1.2 PDF 印刷が機能しない

問題 

バグ ID: 4928658 

この問題は、次のロケールで発生します。 

  • アジア言語ロケール

  • ポーランド語ロケール

  • ロシア語ロケール

GNOME アプリケーションを使用して、マルチバイト文字を含む PDF 文書を作成することはできません。この問題は、libgnomeprint ライブラリを使用する Gedit およびその他の GNOME アプリケーションに影響します。

解決方法 

ファイルをポストスクリプトファイルに出力し、その後 ps2pdf ユーティリティを使用して、ポストスクリプトファイルを PDF ファイルに変換します。

4.1.3 従来のロケールがログイン画面に表示されない

問題 

バグ ID: 4884887 

UTF-8 以外の従来のロケールはログイン画面から削除されました。ログイン画面に表示されるのは、次の言語のみです。 

  • フランス語

  • ドイツ語

  • イタリア語

  • 日本語

  • 韓国語

  • スペイン語

  • スウェーデン語

  • 繁体字中国語

解決方法 

従来のロケールをログイン画面に表示する場合は、次のファイルにあるロケールのエントリに付いているコメントを外すように、システム管理者に依頼してください。/etc/X11/gdm/locale.alias

その後、システム管理者はシステムを再起動する必要があります。その後、従来のロケールがログイン画面に表示されます。 

4.1.4 ローカルハードディスク上の Windows パーティションの日本語ファイル名とディレクトリ名を表示できない

問題 

バグ ID: 4961948 

この問題は、すべてのロケールで発生します。 

Windows パーティションがハードディスクにある場合、インストーラが自動的にこのパーティションをインストール中にマウントし、/etc/fstab ファイル内の iocharset オプションまたは nls オプションを iso-8859–1 に設定します。 これは、iocharset オプションまたは nls オプションの正しい値ではありません。その結果、システムはローカライズしたファイル名またはディレクトリ名を表示できなくなります。

解決方法 

現在のロケール用に、/etc/fstab ファイル内の iocharset オプションまたは nls オプションに正しい値を割り当てる必要があります。次の表の値を使用します。

iocharset オプションおよび nls オプションの /etc/fstab ファイルの内容の例

  • /dev/sda1 /windows/C ntfs ro,users,gid=users,umask=0002,nls=utf8 0 0

  • /dev/sda2 /windows/C vfat users,gid=users,umask=0002,iocharset=utf8,codepage=932

ロケール 

ntfs 

vfat 

ja_JP.UTF-8 

nls=utf8

iocharset=utf8,codepage=932

ko_KR.UTF-8 

nls=utf8

iocharset=utf8,codepage=949

zh_CN.gb18030 

nls=gb2312 *

iocharset=gb2312,codepage=936 *

zh_TW.big5 

nls=big5 *

iocharset=big5,codepage=950 *

zh_HK.big5hkscs 

nls=big5 *

iocharset=big5,codepage=950 *

en_US.UTF-8 

de_DE.UTF-8 

es_ES.UTF-8 

fr_FR.UTF-8 

it_IT.UTF-8 

sv_SE.UTF-8 

nls=utf8

iocharset=utf8

*中国語 UTF-8 ロケールを使用する場合は、big5 および gb2312utf8 に変更してください。

4.1.5 修飾キーが正しく機能しない

問題 

バグ ID: 4996542 

インターネット入力方式またはイントラネット入力方式を使用する場合、Alt キーおよび Shift キーが修飾キーとして機能しないことがあります。次のような既知の問題があります。

  • Shift キー + 矢印キーの組み合わせを使用して、テキストを選択することはできません。代わりにラテン文字が挿入されます。

解決方法 

デフォルトの入力方式など、別の入力方式を使用してください。入力方式を切り替えるには、オブジェクト上で右クリックし「入力方式」を選択します。

4.1.6 文字列が正しくレンダリングされない

問題 

バグ ID: 4985397、4980153、4989628、4985397、5028177、5028408 

グラフィックアダプタの中には、Java Desktop System インストールのポストインストールの段階で一部の文字列が正しくレンダリングされないことがあります。この問題は、通常、サウンドカード、ネットワークカードまたはプリンタなどのハードウェアデバイスを設定した場合に起きます。

解決方法 

この問題は、Java Desktop System のインストール中にのみ起きます。ハードウェアデバイスは、インストールプロセス完了後に YaST2 アプリケーションを使用して簡単に設定できます。この問題を解決するには、インストールプロセスを完了してから、root ユーザーでログインし、必要なハードウェア設定をカスタマイズします。

4.2 中国語ロケール

4.2.1 文字がボックスで印刷される

問題 

バグ ID: 4977300 

この問題は、次のロケールで発生します。 

  • 中国語ロケール

  • 韓国語ロケール

Mozilla からポストスクリプトファイルに出力した文字は、ボックスで印刷されます。これは、ポストスクリプトプリンタが中国語または韓国語フォントを保持していないためです。ファイルを印刷する前に、CUPS は Mozilla ポストスクリプトフォントを変換する必要があります。

解決方法 

  1. 「起動」->「設定」->「プリンタ」を選択します。

  2. PostScript プリンタアイコンを右クリックし、 「プロパティ」メニューを選択します。

  3. 「詳細」タブを開きます。

  4. 「Ghostscript pre-filtering」を「Convert to PS level 1」に設定します。

4.2.2 HK ロケールで YaST2 がローカライズされていない

問題 

バグ ID: 5005385 

この問題は、次のロケールで発生します。 

  • zh_HK.big5hkscs

  • zh_HK.UTF-8

問題が発生しているロケールにログインすると、YaST2 アプリケーションがローカライズされていません。

解決方法 

zh_HK ロケールのための YaST2 メッセージは、 zh_TW ロケール用のメッセージと同じです。次の手順を実行して、zh_HK ロケールから zh_TW ロケールへのシンボリックリンクを作成します。

  1. cd /usr/share/YaST2/locale/

  2. ln -s zh_TW zh_HK

4.3 日本語ロケール

4.3.1 Evolution の添付ファイルを読むことができない

問題 

バグ ID: 5021121 

この問題は、次のロケールで発生します。 

  • アジア言語ロケール

  • 日本語ロケール

Evolution を使用して電子メールを作成し、UTF-8 以外でエンコーディングされたファイルを添付した場合、メーラーはファイルに正しいエンコーディングを適用することができません。メールの受信者は、添付物を正しく読むことができません。

解決方法 

添付されたものをファイルとして保存し、そのファイルが正しくエンコーディングされていることを確認します。