Java Desktop System が提供するアプリケーションは、同じプログラミングライブラリを使用するため、いくつかの特性を共有しています。 標準GNOME プログラミングライブラリを使用するアプリケーションを、「GNOME 準拠のアプリケーション」と呼びます。 たとえば、Nautilus
ファイルマネージャおよび gedit
テキストエディタは、GNOME 準拠のアプリケーションです。
GNOME は、オペレーティングシステムが提供するライブラリ以外のライブラリも提供します。 このライブラリにより、GNOME は、GNOME 対応アプリケーションだけでなく、既存のアプリケーションも実行することができます。 たとえば、使用しているオペレーティングシステムが UNIX ベースの場合、既存の X11 アプリケーションと Motif アプリケーションを Java Desktop System から実行できます。
以下に、GNOME 対応アプリケーションの特長を示します。
一貫したルック&フィール
GNOME 対応アプリケーションは、一貫したルック&フィールを備えています。 GNOME 対応アプリケーションはルック&フィール設定を使用します。この設定は、設定ツールで指定できます。 GNOME 対応アプリケーションのルック&フィールを変更するには、以下のツールを使用します。
「メニューとツールバー」
設定ツール
「テーマ」
設定ツール
メニューバー、ツールバー、ステータスバー
ほとんどの GNOME 対応アプリケーションには、メニューバー、ツールバー、およびステータスバーがあります。 メニューバーには必ず「ファイル」メニューと「ヘルプ」メニューが含まれています。 「ファイル」メニューには必ず「終了」メニュー項目が含まれており、「ヘルプ」メニューには必ず「バージョン情報」メニュー項目が含まれています。
ツールバーは、メニューバーの下に表示されるバーです。 ツールバーには、最も一般的に使用されるコマンドのボタンが含まれています。 ステータスバーは、ウィンドウ下部にあるバーで、ウィンドウ内の現在の状態についての情報を提供します。 GNOME 対応アプリケーションには、これ以外にもバーが含まれることがあります。 たとえば、ファイルブラウザ
ウィンドウには、ロケーションバーがあります。
GNOME 対応アプリケーションの一部のバーは、切り離し可能です。 つまり、バーにはハンドルがあるので、それをつかんで別の場所にドラッグ可能です。 バーをドラッグしてウィンドウの別の面、または画面の別の部分にはめ込むことができます。 たとえば、ファイルマネージャのメニューバー、ツールバーおよびロケーションバーは切り離すことができます。
デフォルトのショートカットキー
GNOME 対応アプリケーションは、同じ操作に対して、同じショートカットキーを使用します。 たとえば、GNOME 対応アプリケーションを終了するには、Ctrl + Q キーを押します。 GNOME 対応アプリケーションでの操作を元に戻すには、Ctrl + Z キーを押します。
ドラッグ&ドロップ
GNOME 対応アプリケーションは、同じプロトコルを使用して、ドラッグ&ドロップ操作を実装しています。 このため、項目をドラッグ&ドロップすると、GNOME 対応アプリケーションからは一貫した反応が得られます。
さらに、同じプロトコルを使用することで、GNOME 対応アプリケーションは精巧な通信方法で相互操作を可能にします。 たとえば、GNOME 対応アプリケーションは、ドラッグする項目の形式を認識します。 HTML ファイルを ファイルマネージャ
ウィンドウから Web ブラウザにドラッグすると、そのファイルは HTML 形式でブラウザに表示されます。 逆に、HTML ファイルをテキストエディタにドラッグすると、このファイルはプレーンテキスト形式でテキストエディタに表示されます。