Java Desktop System では、ユーザーが複数のシステムにログインする場合、デフォルトで GConf
デーモンの複数のインスタンスが作成されます。この場合、GConf
デーモンのインスタンスを 1 つだけ使用するように Java Desktop System を設定することもできます。そのユーザーは Network File System (NFS) 上のホームディレクトリが必要です。
ユーザーが複数のシステム上で GConf
デーモンのインスタンスを 1 つ使用し、設定の値を変更すると、ユーザーがログインしているすべてのセッションに変更が適用されます。たとえば、1
つのセッションのメニューとツールバー
設定ツールでツールバーのアイコンのみを表示するように選択した場合、ユーザーがログインしているすべてのセッションで、開いているすべてのアプリケーションのツールバーがただちに更新されます。
すべてのセッションがユーザーのホームディレクトリにアクセス可能な場合のみ、ユーザーは GConf
デーモンのインスタンスを 1 つだけ使用できます。
Java Desktop System では、Common Object Request Broker Architecture (CORBA) が使用されます。CORBA によって、アプリケーションオブジェクトは、作成に使用されたプログラミング言語や実行されているオペレーティングシステムにかかわらず、互いに通信することが可能になります。
CORBA 上で、Object Request Broker (ORB) がサーバーとクライアント間で通信を行います。Java
Desktop System の ORB の 1 つが ORBit2
です。GConf
は、ORBit2
の TCP プロトコルを使用して、GConf
デーモンとユーザーがログインしているセッションの間で通信を行います。
ユーザーごとに GConf
デーモンのインスタンスが 1 つ使用されるようにシステムを設定するには、次の手順を実行します。
ユーザーがログインするすべてのシステムで、/etc/orbitrc ファイルに次の行が含まれていることを確認します。
ORBIIOPIPv4=1
GCONF_GLOBAL_LOCKS 環境変数の値を 1
に設定します。この結果、GConf
によって、ローカルシステムのディレクトリではなく、ユーザーのホームディレクトリにロックが作成されます。
GConf
デーモンを再起動します。
各ユーザーに対して GConf
デーモンのインスタンスが複数使用されるようにシステムを設定するには、GCONF_GLOBAL_LOCKS 環境変数の値を設定解除します。その後 GConf
デーモンを再起動します。
ORBit2
の TCP プロトコルは、サーバーとクライアント間の通信が暗号化されていないため、完全に安全ではありません。