この節では、必須値またはデフォルト値を一般的な設定に割り当てる方法を説明します。
HTTP プロキシを設定するには、/system/http_proxy/ の設定キーの値を変更します。たとえば、HTTP プロキシホストに必須値を設定するには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.mandatory --type string --set /system/http_proxy/host proxy-name
HTTP プロキシホストにデフォルト値を設定するには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.defaults --type string --set /system/http_proxy/host proxy-name
ほかの HTTP プロキシ関連の環境を設定することもできます。ほかの HTTP プロキシ設定に関する情報については、system_http_proxy.schemas スキーマ定義ファイルを参照してください。
ワークスペースの必須の数を設定するには、次のコマンドを使用します。
# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.mandatory --type int --set /apps/metacity/general/num_workspaces integer
ワークスペースのデフォルトの数を設定するには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.defaults --type int --set /apps/metacity/general/num_workspaces integer
ほかのウィンドウマネージャの環境を設定することもできます。ほかのウィンドウマネージャの設定に関する情報については、metacity.schemas スキーマ定義ファイルを参照してください。
キーボードアクセシビリティを設定するには、 /desktop/gnome/accessibility/keyboard の設定キーの値を変更します。たとえば、キーボードアクセシビリティ機能が有効になるように必須値を設定したい場合は、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.mandatory --type bool --set /desktop/gnome/accessibility/keyboard/enable true
この設定にデフォルト値を設定するには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.defaults --type bool --set /desktop/gnome/accessibility/keyboard/enable false
ほかのキーボードアクセシビリティ環境を設定することもできます。ほかのキーボードアクセシビリティ設定に関する情報については、desktop_gnome_accessibility_keyboard.schemas スキーマ定義ファイルを参照してください。
キーボードショートカット設定を行うには、/apps/metacity/global_keybindings/panel_run_dialog にある設定キーの値を変更します。たとえば、「アプリケーションの実行」ダイアログを開くときに、ユーザーが Alt + F3 キーボードショートカットのみを使用するように設定したい場合があります。この必須値を設定するには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.mandatory --type string --set /apps/metacity/global_keybindings/panel_run_dialog '<Alt>F3'
ほかのキーボードショートカット環境を設定することもできます。ほかのキーボードショートカットの設定に関する情報については、metacity.schemas スキーマ定義ファイルを参照してください。
panel-default-setup.entries ファイルは、Java Desktop System 内のパネルについて、次の内容を指定します。
パネルの数
パネルのタイプ
パネルのプロパティ
パネルの内容
パネルおよびパネルオブジェクトを個別に設定するのは、複雑な作業になります。パネルやパネルオブジェクトを個別に設定するには、まず panel-default-setup.entries ファイルの構造を理解する必要があります。panel-default-setup.entries ファイルについては、「パネル構成ファイルの構造」を参照してください。
パネルおよびパネルオブジェクトの環境を個別に設定するには、構成ソース内の多数の設定値を設定する必要があります。パネル設定の値を設定する一番簡単な方法は、--dump および --load オプションを指定して、gconftool-2 コマンドを使用することです。パネルおよびパネルオブジェクトの設定方法については、「パネルおよびパネルオブジェクトの環境を個別に設定」を参照してください。
panel-default-setup.entries ファイルには、パネルおよびパネルの内容を指定する部分があります。また panel-default-setup.entries ファイルは、スキーマキーの値を指定します。panel-default-setup.entries ファイルは、/etc/gconf/schemas ディレクトリ内にあります。
panel-default-setup.entries ファイルの構造は、次のとおりです。
ファイル内のすべてのキーのベースパスを指定する entrylist 要素。たとえば、次の要素 (panel-default-setup.entries の抜粋) は、キーのベースパスとして /apps/panel/default_setup を指定します。
<entrylist base="/apps/panel/default_setup">
たとえば、キー general/toplevel_id_list が panel-default-setup.entries 内で参照されている場合、キーのフルパスは /apps/panel/default_setup/general/toplevel_id_list です。
デスクトップ内のパネル、パネルアプリケーション、およびその他のパネルオブジェクトの一般的な構造を指定するキー。次のキーが、デスクトップ内に表示されるパネル、パネルオブジェクト、およびパネルアプリケーションの数を指定します。
general/toplevel_id_list
general/object_id_list
general/applet_id_list
これらのキーは、各パネル、パネルオブジェクト、およびパネルアプリケーションに識別子も割り当てます。たとえば、次の panel-default-setup.entries のサンプルでは、デスクトップに表示されるパネルは 1 つです。
<entry> <key>general/toplevel_id_list</key> <schema_key>/schemas/apps/panel/general/toplevel_id_list</schema_key> <value> <list type="string"> <value> <string>bottom_panel</string> </value> </list> </value> </entry>
panel-default-setup.entries ファイルでは、識別子 bottom_panel が画面の最下部のパネルを識別します。
パネルのプロパティを指定するキー。パネル設定キーは、次のように設定されています。
toplevels/panel-name/panel-property-key
たとえば、toplevels/bottom_panel/size のキーはボトムパネルのサイズを指定します。
パネルオブジェクト、パネルオブジェクトプロパティ、およびオブジェクトが存在するパネルを指定するキー。たとえば、次の panel-default-setup.entries のサンプルでは、メインメニュー オブジェクトがボトムパネルの左側に表示されます。
<entry> <key>objects/main_menu/object_type</key> <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/object_type</schema_key> <value> <string>menu-object</string> </value> </entry> <entry> <key>objects/main_menu/toplevel_id</key> <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/toplevel_id</schema_key> <value> <string>bottom_panel</string> </value> </entry> <entry> <key>objects/main_menu/position</key> <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/position</schema_key> <value> <int>0</int> </value> </entry>
パネルアプリケーション、パネルアプリケーション設定、およびパネルアプリケーションが存在するパネルを指定するキー。たとえば、次の panel-default-setup.entries のサンプルでは、Window List
パネルアプリケーションがボトムパネルに表示されます。
<entry> <key>applets/window_list/object_type</key> <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/object_type</schema_key> <value> <string>bonobo-applet</string> </value> </entry> <entry> <key>applets/window_list/toplevel_id</key> <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/toplevel_id</schema_key> <value> <string>bottom_panel</string> </value> </entry> <entry> <key>applets/window_list/position</key> <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/position</schema_key> <value> <int>3</int> </value> </entry> . . . <entry> <key>applets/window_list/bonobo_iid</key> <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/bonobo_iid_type</schema_key> <value> <string>OAFIID:GNOME_WindowListApplet</string> </value> </entry>
OAFIID は、パネルアプリケーションの一意の識別子です。特定のパネルアプリケーションの OAFIID を検索するには、/usr/lib/bonobo/servers ディレクトリ内にあるそのパネルアプリケーションの .server ファイルを参照します。たとえば、次の GNOME_Wncklet_Factory.server
の抜粋では、Window List
パネルアプリケーションの OAFIID が示されます。
<oaf_server iid="OAFIID:GNOME_WindowListApplet" type="factory" location="OAFIID:GNOME_Wncklet_Factory">
パネルやパネル内のオブジェクトの設定を行うには、次の手順を実行します。
テストユーザーアカウントでセッションにログインします。
必要に応じてパネルを設定します。
--dump オプションを指定して gconftool-2 コマンドラインツールを使用し、使用しているパネル設定の XML 記述を含むファイルを生成します。--dump オプションは、ユーザーが指定した GConf
リポジトリディレクトリ内にあるすべての設定キーを含む一覧を生成します。
たとえば、次のコマンドはデフォルトパネル設定の XML 記述を my-panel-setup.entries というファイルに作成します。
# gconftool-2 --dump /apps/panel/profiles/default > my-panel-setup.entries
my-panel-setup.entries ファイルをテキストエディタで開き、必要に応じて修正します。
たとえば、デスクトップエントリファイルの場所を変更します。次に、--dump オプションで生成されたファイルの抜粋を示します。
<entry> <key>objects/object_16/launcher_location</key> <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/launcher_location</schema_key> <value> <string>hadjaha-00adce02f7.desktop</string> </value> </entry>
上のサンプルで、hadjaha-00adce02f7.desktop への参照を、広く使用可能な別のデスクトップエントリファイルに変更することも考えられます。
--dump オプションでパネル設定を生成すると、パネルオブジェクトの位置は絶対的な位置になります。パネルオブジェクトの位置を絶対的な位置から相対的な位置に変更したい場合もあります。パネルの一番左端のオブジェクトの position 値は 0 です。その次のオブジェクトの position 値は 1 という具合になっています。オブジェクトをパネルの右側と相対する位置に置くには、right_stick キーを true に設定します。
--load オプションを指定して gconftool-2 コマンドラインツールを使用し、デフォルトの構成ソースの値を my-panel-setup.entries ファイル内の値に設定します。たとえば、次のコマンドは、デフォルトの構成ソースのキー値を my-panel-setup.entries 内の対応するキーの値に設定します。
# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.defaults --load my-panel-setup.entries
テストユーザーアカウントからログアウトします。