Sun Java System Web Server 7.0 管理ガイド

第 2 章 構成、インスタンス、およびノード

前の章では、Web Server 7.0 の新しい概念をいくつか紹介しました。管理者の主なタスクは、サーバーの実行時サービスを構成および管理することです。この章では、構成を管理するためのさまざまな方法や、構成を配備してノード上でインスタンスを起動する方法について説明します。

概要

インスタンスとは、ある特定のノード上における Web サーバーデーモンの環境のことであり、構成やログファイルを含むほか、ロックデータベースやキャッシュ、一時ファイルといったその他の実行時アーティファクトも含みます。

ノードとは、サーバーやホストなどのネットワークリソースのことです。典型的なデータセンターでは、ノードのネットワークは「サーバーファーム」と呼ばれます。この節では、管理コンソール GUI を使ってノードを構成する方法について説明します。

1 つのノードには、1 つまたは多数のインスタンスを配備できます。また、同じインスタンスを複数のノードに配備し、それらのインスタンスがそれぞれ異なるクラスタの一部となるようにすることもできます。

インスタンスを管理する目的で、インスタンスの起動、停止、再起動、および動的再構成が可能となっています。

構成の管理

構成の作成

Web Server を使い始めるには、構成を作成する必要があります。

新しい構成を作成するには、次のタスクを実行します。

  1. 構成」タブをクリックします。

  2. 新規」ボタンをクリックします。

構成作成時に利用可能な設定を案内するウィザードが表示されます。次の各節では、各ウィザードページで利用可能なフィールドについて説明します。

手順 1 – 構成の情報を設定します

このウィザードページでは、新しい構成の全般情報を設定できます。

このウィザードページで設定するパラメータは、次のとおりです。

手順 2 — 構成のリスナーを作成します

このウィザードページでは、新しい構成の HTTP リスナーのプロパティーを設定できます。

このウィザードページで設定するパラメータは、次のとおりです。

手順 3 — Java、CGI、および SHTML を構成します。

このウィザードページでは、Java/CGI と SHTML に関するプロパティーを構成できます。

このウィザードページで設定するパラメータは、次のとおりです。

手順 4 — インスタンスを作成します

このウィザードページでは、新しい構成のインスタンスを作成できます。

このウィザードページで設定するパラメータは、次のとおりです。


注 –

CLI の使用

CLI 経由で構成を作成するには、次のコマンドを実行します。


wadm> create-config --user=admin --password-file=admin.pwd 
--host=serverhost --port=8989 --http-port=8800 --server-user=user 
--server-name=servername config1

config1 は新しい構成の名前です。

CLI リファレンスの create-config(1) を参照してください。


サーバー構成の複製

サーバー構成をコピーして新しい構成を作成できます。新しくコピーされた構成は既存の構成と同一です。ただし、コピー元の構成がインスタンスを持っていたとしても、新しい構成はインスタンスを持ちません。

構成を複製するには、次のタスクを実行します。

  1. 構成」タブをクリックします。

  2. リストから構成を選択します。

  3. コピー」ボタンをクリックします。

  4. ポップアップウィンドウで新しい構成の名前を入力し、「了解」をクリックします。


注 –

CLI の使用

CLI 経由でこのアクションを実行するには、次のコマンドを実行します。


wadm> copy-config --user=admin --password-file=admin.pwd --host=serverhost 
--port=8989 --config=config1 copyconfig1

copyconfig1 は新しい構成の名前です。

CLI リファレンスの copy-config(1) を参照してください。


サーバー構成の配備

構成をノードに配備するには、まず構成を作成する必要があります。

既存の構成を配備するには、次のタスクを実行します。

  1. 構成」タブをクリックします

  2. 構成のチェックボックスを選択することで構成を特定します。

  3. 構成アクションリストから「配備の構成」を選択します。

サーバー構成の削除


注 –

ある構成のインスタンスがノードに配備されている場合、その構成を削除することはできません。配備済みのインスタンスが停止中であっても、そのサーバー構成を削除することはできません。構成を削除するには、稼働中のインスタンスを停止し、その配備を取り消します。


構成を削除するには、次のタスクを実行します。

  1. 構成」タブをクリックします

  2. 構成のチェックボックスを選択することで構成を特定します。

  3. 構成アクションリストから「構成を削除」を選択します。

サーバーインスタンスの管理

サーバーインスタンスの作成

新しいサーバーインスタンスを作成する前に、次のチェックを行います。

  1. 構成が作成済みかどうかをチェックします。新しいサーバーインスタンスを作成するときには、既存のインスタンス構成を指定する必要があります。

  2. サーバーファーム内の利用可能なすべてのノードに、要求された構成のインスタンスがすでに存在していないかチェックします。重複するインスタンスを作成することはできません。

新しいサーバーインスタンスを作成するには、次のタスクを実行します。

  1. 構成」タブをクリックし、アクションリストから「新規インスタンス 」を選択します。

  2. 「新規インスタンスウィザード」ページで、インスタンスを作成する必要のある構成を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。

  3. 「手順 2」で選択された構成のインスタンスが存在すべきノードを選択します。次へ」ボタンをクリックします。

  4. 選択の概要を表示します。「次へ」ボタンをクリックして処理の結果を表示します。


注 –

CLI の使用

サーバーインスタンスを作成するには、次のコマンドを実行します。


wadm> create-instance --user=admin --password-file=admin.pwd 
--host=serverhost --port=8989 --config=config1 serverhost

CLI リファレンスの create-instance(1) を参照してください。

サーバーインスタンスの起動

  1. ノード」タブをクリックすることで、サーバー内で構成されているノードのリストを表示します。

  2. ノード名のチェックボックスを選択してノードを選択します。

  3. インスタンスを起動」ボタンをクリックします。そのノードによって制御されているすべてのインスタンスのリストを含むページウィンドウが開きます。

  4. インスタンスを選択し、「インスタンスを起動」ボタンをクリックします。そのインスタンスが起動されます。

  5. インスタンスの状態が「稼働中」になっているか確認し、ウィンドウを閉じます。


注 –

CLI の使用

CLI 経由でサーバーインスタンスを起動するには、次のコマンドを実行します。


wadm> start-instance --user=admin --password-file=admin.pwd --host=serverhost 
--port=8989 --config=config1 nodehost1

CLI リファレンスの start-instance(1) を参照してください。

サーバーインスタンスの停止

  1. ノード」タブをクリックすることで、サーバー内で構成されているノードのリストを表示します。

  2. ノード名のチェックボックスを選択してノードを選択します。

  3. インスタンスを停止」ボタンをクリックします。そのノードによって制御されているすべてのインスタンスのリストを含むページウィンドウが開きます。

  4. インスタンスを選択し、「インスタンスを停止」ボタンをクリックします。そのインスタンスが停止します。

  5. インスタンスの状態が「停止中」になっているか確認し、ウィンドウを閉じます。


注 –

CLI の使用

CLI 経由でサーバーインスタンスを停止するには、次のコマンドを実行します。


wadm> stop-instance --user=admin --password-file=admin.pwd --host=serverhost 
--port=8989 --config=config1 nodehost1

CLI リファレンスの stop-instance(1) を参照してください。


サーバーインスタンスの再起動

  1. ノード」タブをクリックすることで、サーバー内で構成されているノードのリストを表示します。

  2. ノード名のチェックボックスを選択してノードを選択します。

  3. インスタンスを再起動」ボタンをクリックします。そのノードによって制御されているすべてのインスタンスのリストを含むページウィンドウが開きます。

  4. インスタンスを選択し、「インスタンスを再起動」ボタンをクリックします。そのインスタンスが再起動されます。

  5. インスタンスの状態が「稼働中」になっているか確認し、ウィンドウを閉じます。


注 –

CLI の使用


wadm> restart-instance --user=admin --password-file=admin.pwd 
--host=serverhost --port=8989 --config=config1 nodehost1

CLI リファレンスの restart-instance(1) を参照してください。


サーバーインスタンスの再構成

構成に変更を加えてもインスタンスを再起動する必要がない場合があります。管理サーバーは、サーバーインスタンスを再構成して構成ストアへの変更を取得する機能をサポートしています。この場合、サーバーを再起動しなくても構成の変更がインスタンスに反映されます。対象となるのは、動的再構成可能な構成変更だけです。


注 –

user、temp-path、log、thread-pool、pkcs11、statistics、CGI、DNS、DNS-cache、file-cache、ACL-cache、SSL-session-cache、access-log-buffer、および JVM (except log-level ) の設定を変更した場合、その変更は再構成後も有効になりません。そのような再起動を必要とする変更はすべて、再構成実行時にログに記録されます。ファイルキャッシュを再構成した場合、サーバーを再起動する必要があります。


  1. ノード」タブをクリックすることで、サーバー内で構成されているノードのリストを表示します。

  2. ノード名のチェックボックスを選択してノードを選択します。

  3. インスタンスを再構成」ボタンをクリックします。そのノードに配備されているすべてのインスタンスのリストを含むページウィンドウが開きます。

  4. インスタンスを選択し、「インスタンスを再構成」ボタンをクリックします。そのインスタンスが再構成されます。

  5. インスタンスの状態が「稼働中」になっているか確認し、ウィンドウを閉じます。


注 –

CLI の使用

CLI 経由でサーバーインスタンスを再構成するには、次のコマンドを実行します。


wadm> reconfig-instance --user=admin --password-file=admin.pwd 
--host=serverhost --port=8989 --config=config1 serverhost

CLI リファレンスの reconfig-instance(1) を参照してください。


サーバーインスタンスの削除


注 –

稼働中のサーバーインスタンスは削除できません。


  1. 構成」タブをクリックして利用可能な構成のリストを表示します。

  2. 構成のリストから構成を選択します。

  3. インスタンス」サブタブをクリックします。

  4. ノード」セクションの下にある配備済みインスタンスのリストから、インスタンスを選択します。

  5. アクションドロップダウンリストから「インスタンスを削除」を選択します。選択されたインスタンスが削除されます。


注 –

CLI の使用

CLI 経由でサーバーインスタンスを削除するには、次のコマンドを実行します。


wadm> delete-instance --user=admin --password-file=admin.pwd --host=serverhost 
--port=8989 --config=config1 serverhost

CLI リファレンスの delete-instance(1) を参照してください。


インスタンスの自動構成

スケジュールされたイベントに基づいてインスタンスを再構成または再起動できます。特定の時刻や間隔を設定することで、インスタンスの自動再構成をスケジュールできます。

イベントをスケジュールするには、次のタスクを実行します。

  1. 構成」タブをクリックし、構成を選択します。

  2. 一般」サブタブ>「スケジュールされたイベント」サブタブをクリックします。

Procedureスケジュールされたイベントを追加する

  1. 構成を選択します。

    「構成」タブのクリック後に表示されるリストから、構成を選択します。

  2. 「一般」>「スケジュールされたイベント」サブタブをクリックします。

  3. 「新規」ボタンをクリックします。

  4. 次のプロパティーを構成します。

    • イベント

      • インスタンスの再起動 — このスケジュールされたイベントは、この構成のすべての稼働中の配備済みインスタンスを再起動します。

      • インスタンスの再構成 — このスケジュールされたイベントは、この構成のすべての稼働中の配備済みインスタンスを再構成します。

      • カスタムコマンド行 — 実行されるファイルへの絶対パスを提供します。

    • スケジュール

      構成されたイベント起動時刻。ドロップダウンボックスから時間と分の値を選択します。

      • 毎日 — 指定されたイベントを指定された時刻に毎日起動します。

      • 指定日 — 指定されたイベントを指定された日に起動します。

        1. 曜日 — 日曜から土曜までの間で、任意の曜日を指定します。

        2. 日付 — 1 から 31 までの間で、任意の日付をコンマ区切りエントリとして指定します。例: 4,23,9

      • 指定月 — 指定された月の指定された時刻に指定されたイベントを起動します。1 月から 12 月までの間で、月を指定します。

      • 間隔

        この期間後に指定されたイベントを起動します。

        1. 時間おき — ドロップダウンボックスから時間数を選択します。

        2. 秒おき — テキストフィールドに秒数を入力します。


    注 –

    CLI の使用

    CLI 経由でイベントをスケジュールするには、次のコマンドを実行します。


    wadm> create-event --user=admin --password-file=admin.pwd --host=serverhost 
    --port=8989 --config=config1 --time=10:10 --command=restart

    CLI リファレンスの create-event(1) を参照してください。


Procedureスケジュールされたイベントを削除する

  1. 構成を選択します。

    「構成」タブのクリック後に表示されるリストから、構成を選択します。

  2. 「一般」>「スケジュールされたイベント」サブタブをクリックします。

  3. スケジュールされたイベントを選択し、「削除」ボタンをクリックします。