IMAP プロトコルでは受信メール (受信トレイ) に対してシステムフォルダが 1 つしか定義されませんが、Outlook や Sun Java System Communications Express などのメールクライアントでは下書き、送信済みメール、および削除済みメールに対して独自のシステムフォルダが定義されます。メールクライアントは、これらのフォルダを区別する機能を持ちません。これらのシステムフォルダは、ロケールとクライアントソフトウェアに応じて別々の優先名とローカライズ名を使用して作成されます。そのため、単一の電子メールアカウントが複数の電子メールクライアントからアクセスされた場合、または同じ電子メールクライアントでも異なるロケールのマシンからアクセスされた場合、1 つのシステムフォルダに対して複数の物理 IMAP フォルダが作成されます。
Outlook のフォルダ名は次のようになります。
削除済みアイテム: Deleted Items
下書き: Drafts
送信済みアイテム: Sent Items
Communications Express のフォルダ名は次のようになります。
削除済みアイテム: Trash
下書き: Drafts
送信済みアイテム: Sent
新しい Sun Java System Microsoft Outlook 版 Connector メールシステムマッピングファイルを利用することで、Outlook と Communications Express の相互運用性が向上します。これにより、管理者はシステムフォルダのマッピング方法を設定できます。uwc_folders.map ファイルに、Communications Express のシステムフォルダのマッピング定義が含まれます。outlook_folders.map ファイルに、Microsoft Outlook 版 Connector のシステムフォルダのマッピング定義が含まれます。
Deployment Configuration Program の「メール」タブの下部で、デフォルトのシステムフォルダマッピング定義ファイルとしてマッピングフォルダファイルを 1 つ選択することができます。「Outlook スタイル」または「Communications Express スタイル」のどちらかを選択して、ユーザープログラムがユーザーの IMAP フォルダの命名に使用する標準を指定します。この選択により、ユーザーの IMAP フォルダ名のマッピングに outlook_folders.map と uwc_folders.map のどちらのマッピングファイルを使用するかが決まります。管理者はこのプログラムを実行する前に、元のファイル名を変更しないかぎり、ローカル環境の要件を満たすようにこれらのファイルを編集することもできます。
次に、Communications Express 用のシステムフォルダを定義する必要があります。 i18n.js ファイルによって、Communications Express のシステムフォルダ名を定義します。このファイルは /var/opt/SUNWmsgsr/config/html/lang ディレクトリにあります。lang は、ローカライズ言語を示します (フランス語であれば fr)。マッピングのエントリが sjoc_folders.map ファイル内のエントリと同じようになるよう、このファイルを修正する必要があります。
たとえば、フランス語の i18n.js ファイルでデフォルトのフォルダマッピングは次のようになります。
i18n[’INBOX’] = ’Inbox’ i18n[’trash folder’] = ’trash’ i18n[’draft folder’] = ’draft’ i18n[’sent folder’] = ’sent’ ... fldr[’INBOX’] = ’French Inbox’ fldr[’trash’] = ’French Trash’ fldr[’draft folder’] = ’French Draft Folder’ fldr[’sent folder’] = ’French Sent Folder’
i18n[x ] の値を使用して、IMAP ストア内にシステムフォルダが作成されます。たとえば、 i18n[’trash folder’]= ’trash’, であれば、trash というフォルダが IMAP ストア内に作成されます。クライアントインタフェースに表示するシステムフォルダ名には、fldr[y] の値が使用されます。
同様のフォルダマッピングは、sjoc_folders.map ファイルでは次のようになります。
[fr] INBOX=’Boîte de réception’ Deleted Items=’Éléments supprimés’ Drafts=’Brouillons’ Sent Items =’Éléments envoyés’
そのため、フランス語 i18n.js のフォルダマッピングを修正して、次のように sjoc_folders.map ファイルと一致させてください。
i18n[’INBOX’] = ’Boîte de réception’ i18n[’trash folder’] = ’Éléments supprimés’i18n[’draft folder’] = ’Brouillons’ i18n[’sent folder’] = ’Éléments envoyés’ ... fldr[’INBOX’] = ’Boîte de réception’ fldr[’trash’] = ’Éléments supprimés’ fldr[’Drafts’] = ’Brouillons’ fldr[’Sent’] = ’Éléments envoyés’
i18n.js ファイルで表された各言語について修正する必要があります。
i18n.js ファイルは UTF8 コードで記述されているので、UTF8 コードで保存できるエディタを使用する必要があります。
この新しいフォルダマッピング定義は、新しいユーザーにのみ有効です。
ユーザーが Communications Express にログインする前に、ユーザーの優先言語を設定する必要があります。設定するには、ldapmodify コマンドを使用して、preferredLanguage 属性または preferredLocale 属性を設定します。
次のような場合を除き、新しいユーザーには 1 セットのシステムフォルダだけを参照できるはずです。
ロケールがフランス語に設定された Outlook にログインします。その後、同じユーザーが英語を優先言語に設定した Communications Express にログインします。このユーザーには、trash、draft、sent、Éléments supprimés、Brouillons、および Éléments envoyés のシステムフォルダが Outlook と Communications Express の両方で表示されます。