管理者が複数のホスト上で実行されるサーバーインスタンスとクラスタを管理できるようにするために、Application Server は次のツールを提供します。
ブラウザベースのグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) 管理コンソール
asadmin ユーティリティーなどのコマンド行ツール。Application Server で使用可能なコマンド行ツールの完全なリストについては、表 1–1 を参照してください。
プログラム可能な Java Management Extensions (JMXTM) API
これらのツールは「ドメイン管理サーバー」と呼ばれるサーバーに接続します。このサーバーは、すべての管理タスクに介在する特別に指定された Application Server インスタンスです。ドメイン管理サーバー (DAS) は、使用するインタフェースに関係なく、管理コマンドを検証し、実行するためのセキュリティーで保護された単一のインタフェースを提供します。
「ドメイン」とは、設定データ、配備されたアプリケーション、指定された管理者によるマシンの集合体です。ドメイン定義は、複数のアプリケーション、スタンドアロンのアプリケーションサーバーインスタンス、およびクラスタの動作を記述し、その制御を可能にし、複数のマシンに配布することができます。DAS をインストールすると、domain1 という名前のデフォルトドメインが常にインストールされます。このマニュアルでは、デフォルトドメインを使用します。
Application Server ソフトウェアは、管理コンソールに加えて、管理機能を実行するためのさまざまなコマンド行ツールを提供しています。ツールを起動するには、コマンドウィンドウでツールの名前を入力します。表 1–1 で、ツールの名前 (左の列) 順に各ツールの説明 (右の列) を示します。
表 1–1 コマンド行ツール
ツールの名前 |
説明 |
---|---|
appclient |
アプリケーションクライアントコンテナを起動し、アプリケーション JAR (Java アーカイブ) ファイルにパッケージ化されたクライアントアプリケーションを呼び出します。 |
asadmin |
Application Server ソフトウェアを設定するためのサブコマンドのセットを提供する Application Server 管理ツールを起動します。 |
asant |
Jakarta Ant ツールを起動して、反復性のある開発および配備タスクを自動化できるようにします。 |
asapt |
Java EE 注釈付きの Java ソースをコンパイルします。wsimport コマンドがこのツールから自動的に呼び出されます。 |
asupgrade |
Application Server ソフトウェアをアップグレードするための Application Server 管理ツールです。 |
capture-schema |
データベースからスキーマ情報を抽出し、サーバーでコンテナ管理による持続 (CMP) に利用できるスキーマファイルを生成します。 |
jspc |
JSP ページをコンパイルします。 |
package-appclient |
アプリケーションクライアントのコンテナライブラリおよび JAR ファイルをパッケージ化します。 |
schemagen |
Java クラスで参照する名前空間ごとにスキーマファイルを作成します。 |
verifier |
DTD を使用して Java EE 配備記述子を検証します。 このツールには、グラフィカルユーザーインタフェースもあります。GUI を表示するには、-u オプションを指定します。 一部の Windows システムでは、同じ名前のドライバベリファイアユーティリティーを起動します。Application Server の verifier を起動するには、install-dir/bin ディレクトリから操作する必要があります。 |
wscompile |
サービス定義インタフェースを取得して、JAX-RPC 用のクライアントスタブまたはサーバー側スケルトンを生成します。または、指定したインタフェース用の WSDL (Web Services Description Language) 記述を生成します。 |
wsdeploy |
JAX-RPC を使用する Web サービスアプリケーションの、実装に固有ですぐに配備できる WAR ファイルを生成します。 |
wsgen |
Web サービスエンドポイントクラスを読み取り、Web サービスの配備と呼び出しに必要なすべてのアーティファクトを生成します。 |
wsimport |
SEI (サービスエンドポイントインタフェース)、サービス、wsdl:fault および soap:headerfault タグからマップされた例外クラス、wsdl:message タグから派生した非同期応答 Bean、JAXB 生成値型などの JAX-WS ポータブルアーティファクトを生成します。 |
xjc |
ソース XML スキーマを Java プログラミング言語の JAXB コンテンツクラスの集合に変換またはバインドします。 |
Windows でこれらのコマンド行ツールを実行するには、PATH と呼ばれる環境変数が install-dir /bin/ ディレクトリを指していることを確認します。
asadmin サブコマンドを実行するには、すべてのサブコマンドに asadmin を接頭辞として付けるか、install-dir/bin/ ディレクトリに asadmin プロンプトを入力 (asadmin と入力して Return キーを押す) します。