Sun Studio 12: Fortran プログラミングガイド

2.1.2 名前を指定しないでファイルを開く

OPEN 文には名前を指定する必要はありません。実行時システムがいくつかの規約に従い、ファイル名を補います。

2.1.2.1 一時ファイルとして開く場合

OPEN 文で STATUS='SCRATCH' を指定すると、システムは tmp.FAAAxnnnnn という形式の名前でファイルを開きます。nnnnn は現在のプロセス ID で置き換えられます。AAA は 3 文字の文字列を示し、x は英字を示します。AAAx によってファイル名が一意になります。プログラムを終了するか、CLOSE 文を実行すると、このファイルはただちに削除されます。FORTRAN 77 互換モード (-f77) でコンパイルするときに、この一時ファイルが削除されないようにするには、CLOSE 文に STATUS='KEEP' を指定します。これは規格外の拡張機能です。

2.1.2.2 すでに開いている場合

すでにプログラムによってファイルが開かれている場合は、そのあとの OPEN 文を使用して、BLANKFORM などのファイルの特性を変更できます。この場合は、変更するファイルの論理ユニット番号とパラメータだけを指定します。

2.1.2.3 あらかじめ接続されているか暗黙の名前付きユニット

プログラムの実行開始時、3 つのユニット番号が自動的に特定の標準入出力ファイルに関連付けられます。あらかじめ接続されるユニットは、標準入力、標準出力、標準エラーです。

通常、標準入力は、ワークステーションのキーボードから入力を受け取ります。標準出力と標準エラーは、ワークステーションの画面に出力を表示します。

そのほかの場合、つまり、OPEN 文に論理ユニット番号を指定し、「FILE= 名前」を指定しない場合、ファイルは fort.n という形式の名前で開かれます。n は論理ユニット番号です。