LD_LIBRARY_PATH 環境変数を使用して、-llibrary オプションで指定したライブラリをリンカーが検索すべきディレクトリパスを指定します。
複数のディレクトリはコロンで区切って指定できます。通常、 LD_LIBRARY_PATH 変数は、コロンで区切ったディレクトリのリストを、次のようにセミコロンで区切って 2 つ持ちます。
dirlist1;dirlist2
最初に、dirlist1 のディレクトリが検索され、次に、コマンド行上で明示的に指定された -Ldir ディレクトリが検索され、最後に、dirlist2 と標準ディレクトリが検索されます。
つまり、次のように、複数の -L でコンパイラが呼び出された場合
f95 ... -Lpath1 ... -Lpathn ...
検索順序は次のようになります。
dirlist1 path1 ... pathn dirlist2 standard_paths
LD_LIBRARY_PATH 変数に、コロンで区切ったディレクトリリストが 1 つだけ含まれる場合、そのリストは dirlist2 として解釈されます。
Solaris オペレーティング環境では、64 ビットの依存関係を検索するときに、類似の環境変数 LD_LIBRARY_PATH_64 を使用して LD_LIBRARY_PATH を無効にできます。詳細は、Solaris の『リンカーとライブラリ』および ld(1) マニュアルページを参照してください。
32 ビット SPARC プロセッサでは、LD_LIBRARY_PATH_64 は無視されます。
LD_LIBRARY_PATH だけを定義している場合は、32 ビットと 64 ビットの両方のリンクに使用されます。
LD_LIBRARY_PATH と LD_LIBRARY_PATH_64 を定義している場合は、32 ビットのリンクには LD_LIBRARY_PATH が使用され、64 ビットのリンクには LD_LIBRARY_PATH_64 が使用されます。
実際に運用するソフトウェアでは、可能なかぎり LD_LIBRARY_PATH 環境変数を使用しないでください。実行時リンカーの検索パスに影響を与える一時的なメカニズムとしては便利ですが、この環境変数を参照できる動的な実行可能ファイルはすべてその検索パスを変更します。そのため、予想できない結果になるか、パフォーマンスが低下する可能性があります。