このオプション 1 つで、いくつものパフォーマンスオプションを選択したことになります。
このオプションは、リリースごと、またはコンパイラごとに変更されることのあるほかのオプションを選択する機能として定義されています。-fast により選択されるいくつかのオプションはすべてのプラットフォームで使用できない可能性があります。-fast の展開を表示するには、-dryrun フラグを使用してコンパイルしてください。
-fast により選択されるいくつかのオプションはすべてのプラットフォームで使用できない可能性があります。 しかし、オプションによっては、アプリケーションで使用できない場合があります。-fast を使用して、最大のパフォーマンスを得るためにアプリケーションをコンパイルしてください。しかし、さらに調整が必要な場合があります。-fast を指定してコンパイルしたプログラムが正しく動作しない場合、-fast を形成している個々のオプションを調査して、プログラムを正しく動作させるオプションだけを呼び出してください。
また、-fast でコンパイルされたプログラムは、使用するデータセットにより、高いパフォーマンスと正確な結果を実現できないことがあります。浮動小数点演算の特定プロパティーに依存しているプログラムは、-fast を使用してコンパイルしないでください。
-fast で選択されたオプションの一部は暗黙的にリンクするため、コンパイルとリンクを別々に行う場合は、リンク時も必ず -fast を使用してください。
-fast では次のオプションが選択されます。
-dalign
-depend
-fns
-fsimple=2
-ftrap=common
-fround=nearest (Solaris のみ)
-libmil
-xtarget=native
-O5
-xlibmopt (Solaris のみ)
-pad=local (SPARC のみ)
-xvector=lib (SPARC のみ)
-nofstore (x86 のみ)
-xregs=frameptr (x86 のみ)
-fast は、コンパイラの最適化能力のほとんどを簡単に引き出すための方法です。複合オプションは個別にも指定できます。また、それぞれに注意すべき副作用があります (『Fortran ユーザーズガイド』を参照)。-fast の実際の展開内容は、コンパイラのリリースが変わるたびに変更される可能性があることに注意してください。-dryrun を付けてコンパイルすると、すべてのコマンド行フラグの展開内容を見ることができます。
-fast のあとに別のオプションを追加して、さらに最適化を指定できます。たとえば、次のようにします。
f95 -fast -m64 ...
64 ビット対応のプラットフォーム向けにコンパイルします。
-fast には、-dalign、-fns、-fsimple=2 が含まれます。このため、-fast を指定してプログラムをコンパイルすると、結果として、非標準の浮動小数点演算、非標準のデータ配列、式評価の非標準の順序になる可能性があります。これらの選択オプションは、ほとんどのプログラムに適していない可能性があります。