Sun Studio 12: Fortran プログラミングガイド

9.1.1.2 -On

-O オプションを明示的に、あるいは、-fast などのマクロオプションで暗黙的に指定しないかぎり、コンパイラは最適化を行いません。ほとんどすべての場合、コンパイル時に最適化レベルを指定すると、プログラムの実行パフォーマンスは上がります。一方、最適化レベルを上げるほど、コンパイル時間が増え、コードのサイズも大きくなる可能性があります。

ほとんどの場合、パフォーマンス、コードのサイズ、コンパイル時間をもっともバランスよくコンパイルするのはレベル -O3 です。 -O4 は、呼び出し側と同じソースファイルに入っているルーチンの呼び出しの自動インライン化を追加します。副プログラム呼び出しのインライン化の詳細については、『Fortran ユーザーズガイド』を参照してください。

レベル -O5 は、低いレベルには適用できない、さらに積極的な最適化テクニックを追加します。一般的に、-O3 より上のレベルは、プログラム中でもっとも計算が多い、つまりパフォーマンスが上がる見込みが大きい部分のルーチンだけに指定するものです。ちなみに、異なる最適化レベルでコンパイルしたプログラムをいっしょにリンクしても何の問題もありません。