Fortran の入出力チャネルは、装置番号で表されます。プラットフォームとして使用している SunOS オペレーティングシステムは、装置番号ではなく、ファイル記述子を扱います。Fortran の実行時のシステムが装置番号からファイル記述子に変換するので、ほとんどの Fortran プログラムはファイル記述子を認識する必要はありません。
C プログラムの多くは、標準入出力 (stdio) と呼ばれるサブルーチンセットを使用しています。Fortran の入出力関数の多くは標準入出力を使用しており、これはオペレーティングシステムの入出力呼び出しを使用しています。このような入出力システムの特性の一部を次の表に示します。
表 11–2 Fortran と C の入出力の比較
|
Fortran 装置 |
標準入出力のファイルポインタ |
ファイル記述子 |
---|---|---|---|
ファイルを開く |
読み書き用に開く |
読み取り用、書き込み用、読み書き両用、または追加用に開く。open(2) 参照 |
読み取り用、書き込み用、または読み書き両用に開く。 |
属性 |
書式付き、書式なし |
常に書式なし、ただし、書式解釈ルーチンによる読み書きは可能。 |
常に書式なし |
探査 |
直接、順番 |
物理ファイルの表現が直接探査の場合は直接探査、ただし、常に順番に読み取り可。 |
物理ファイルの表現が直接探査の場合は直接探査、ただし、常に順番に読み取り可。 |
構造 |
レコード |
バイトストリーム |
バイトストリーム |
形式 |
任意の負でない 0 から 2147483647 までの整数 |
ユーザーのアドレス空間における構造体へのポインタ |
0 から 1023 までの整数 |