前述のように cscope は、デフォルトでは現ディレクトリ内のソースファイルを検索します。環境変数 VPATH が設定されているときは、cscope は VPATH に指定されたディレクトリ内のソースファイルを検索します。ビューパスとは、順序付けされたディレクトリのリストで、リスト内の各ディレクトリの下は同じディレクトリ構造になっています。
たとえば、ユーザーがあるソフトウェアプロジェクトのメンバーであるとします。/fs1/ofc 下のディレクトリには、正式バージョンのソースファイルがあります。メンバーはホームディレクトリ (/usr/you) を持っており、ソフトウェアシステムを変更する場合は、変更するファイルだけを /usr/you/src/cmd/prog1 にコピーします。全プログラムの正式バージョンは、/fs1/ofc/src/cmd/prog1 にあります。
cscope を使用して、prog1 を構成する 3 つのファイル (f1.c、f2.c、f3.c) を表示します。まず VPATH を /usr/you と /fs1/ofc に設定してエクスポートします。
B シェルの場合は次のように入力します。
$ VPATH=/usr/you:/fs1/ofc; export VPATH |
C シェルの場合は次のように入力します。
% setenv VPATH /usr/you:/fs1/ofc |
次に、現ディレクトリを /usr/you/src/cmd/prog1 に移動して cscope を起動します。
% cscope |
cscope はビューパスにあるすべてのファイルの位置を調べます。同じファイルが複数のディレクトリにある場合は、VPATH 内で先に現れたディレクトリの下にあるファイルを使用します。したがって、f2.c がユーザーのディレクトリにあり (3 つのファイルはすべて正式バージョン用ディレクトリの下にもある場合)、cscope は f2.c はユーザーディレクトリのものを、f1.c および f3.c は正式バージョン用のディレクトリのものを検査します。
VPATH 内の最初のディレクトリは、作業用ディレクトリの接頭辞 (通常は $HOME) でなければいけません。VPATH 内のコロンで区切られたそれぞれのディレクトリは、/ から始まる絶対パス名でなければいけません。