Tools.h++ 7.0 クラスライブラリ・リファレンスマニュアル: RWTPtrDlist

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RWTPtrDlist<T>

形式

#include <rw/tpdlist.h>
RWTPtrDlist<T> list;

注 - 標準 C++ ライブラリがない場合は、ここで説明しているインタフェースを使用してください。標準 C++ ライブラリがある場合は、クラスリファレンスの説明にあるインタフェースを使用してください。

説明

このクラスは、型 T へのポインタのコレクションを保守するもので、二重リンクリストとして実装されます。これはポインタにもとづくリストです。オブジェクトへのポインタが、リストを構築するリンクにコピーされたり、取り出されます。

パラメータ T はリスト内に挿入されるオブジェクトの型を表すもので、クラスまたは組み込み型です。クラス T には次のものが必要です。

等価の意味の定義 (T::operator==(const T&))

持続性

同形

例

次の例は、ユーザー型 Dog へのポインタの二重リンクリストを処理しています。RWTValDlist<T> の例と比較して見てください。

#include <rw/tpdlist.h>
#include <rw/rstream.h>
#include <string.h>

class Dog {
  char* name;
public:
  Dog( const char* c) {
    name = new char[strlen(c)+1];
    strcpy(name, c);
  }

  ~Dog() { delete name; }

  // コピーコンストラクタを定義する
  Dog(const Dog& dog) {
    name = new char[strlen(dog.name)+1];
    strcpy(name, dog.name);
  }
  // 代入演算子を定義する
  void operator=(const Dog& dog) {
    if (this!=&dog) {
    delete name;
    name = new char[strlen(dog.name)+1];
    strcpy(name, dog.name);
    }
  }

  // 等価テスト演算子を定義する
  int operator==(const Dog& dog) const {
    return strcmp(name, dog.name)==0; }

  friend ostream& operator<<(ostream& str, const Dog& dog){
    str << dog.name;
    return str;}
};

main()  {
  RWTPtrDlist<Dog> terriers;
  terriers.insert(new Dog("Cairn Terrier"));
  terriers.insert(new Dog("Irish Terrier"));
  terriers.insert(new Dog("Schnauzer"));

  Dog key1("Schnauzer");
  cout << "The list "
       << (terriers.contains(&key1) ? "does " : "does not ")
       << "contain a Schnauzer\n";

  Dog key2("Irish Terrier");
  terriers.insertAt(
      terriers.index(&key2),
      new Dog("Fox Terrier")
    );

  Dog* d;
  while (!terriers.isEmpty()) {
    d = terriers.get();
    cout << *d << endl;
    delete d;
  }

  return 0;
}

プログラム出力:

The list does contain a Schnauzer
Cairn Terrier
Fox Terrier
Irish Terrier
Schnauzer

公開コンストラクタ

RWTPtrDlist<T>();

空のリストを作成します。

RWTPtrDlist<T>(const RWTPtrDlist<T>& c);

新しい二重リンクリストを c のシャローコピーとして作成します。作成後、ポインタは 2 つのコレクション間で共有されます。

公開演算子

RWTPtrDlist&
operator=(const RWTPtrDlist<T>& c);

自分自身に c のシャローコピーを設定します。設定後、ポインタは 2 つのコレクション間で共有されます。

T*&
operator[](size_t i);
T* const&
operator[](size_t i) const;

リスト内の i 番目の値へのポインタを返します。最初の可変要素は左辺値として使用できますが、2 番目の可変要素は使用できません。インデックス i は 0 ～ (コレクション内の項目数 -1) の範囲になければなりません。範囲外にあると RWBoundsError 型の例外が送出されます。

公開メンバー関数

void
append(T* a);

項目 a をリストの最後に追加します。

void
apply(void (*applyFun)(T*, void*), void* d);

リスト内のすべての項目に対してユーザー定義関数 applyFun を適用します。この関数には次のようなプロトタイプが必要です。

    void yourFun(T* a, void* d);

リスト内の各項目について、その項目へのポインタを第 1 引数としてこの関数を呼び出します。クライアントデータをパラメータ d として引き渡すことができます。

T*&
at(size_t i);
T* const&
at(size_t i) const;

void
clear();

コレクションからすべての項目を取り除きます。

void
clearAndDestroy();

コレクション内のすべての項目を取り除き、それぞれのデストラクタを呼び出します。

RWBoolean
contains(const T* a) const;

オブジェクト a と等しいオブジェクトがリスト内にあれば TRUE を、なければ FALSE を返します。等しいかどうかは、型 T に対するクラス定義の等価演算子で判定します。

RWBoolean
contains(RWBoolean (*testFun)(T*, void*),void* d) const;

ユーザー定義テスト関数 testFun が TRUE を返す項目がリスト内にあれば TRUE を、なければ FALSE を返します。テスト関数には次のプロトタイプが必要です。

    RWBoolean yourTester(T*, void* d);

size_t
entries() const;

現在、コレクション内にある項目の数を返します。

T*
find(const T* target) const;

オブジェクト target と等しい最初のオブジェクトへのポインタを返します。等しいオブジェクトがなければ NULL を返します。等しいかどうかは、型 T に対するクラス定義の等価演算子で判定します。

T*
find(RWBoolean (*testFun)(T*, void*),void* d,) const;

ユーザー定義テスト関数 testFun が TRUE を返す最初のオブジェクトへのポインタを返します。そのような項目がなければ NULL を返します。テスト関数には次のプロトタイプが必要です。

    RWBoolean yourTester(T*, void* d);

T*&
first();
T* const&
first() const;

リスト内の最初の項目へのポインタを返します。リストが空であると、動作の結果は不定になります。

T*
get();

リスト内の最初の項目へのポインタを返し、その項目を取り除きます。リストが空であると、動作の結果は不定になります。

size_t
index(const T* a);

リスト内のオブジェクト a に等しい最初のオブジェクトのインデックスを返します。そのようなオブジェクトがなければ RW_NPOS を返します。等しいかどうかは、型 T に対するクラス定義の等価演算子で判定します。

size_t
index(RWBoolean (*testFun)(T*, void*),void* d) const;

リスト内のユーザー定義テスト関数 testFun が TRUE を返す最初のオブジェクトのインデックスを返します。そのようなオブジェクトがなければ RW_NPOS を返します。テスト関数には次のプロトタイプが必要です。

    RWBoolean yourTester(T*, void* d);

リスト内の各オブジェクトについて、そのオブジェクトへのポインタを第 1 引数としてこの関数を呼び出します。クライアントデータをパラメータ d として引き渡すことができます。

void
insert(T* a);

オブジェクト a をリストの最後に追加します。

void
insertAt(size_t i, T* a);

インデックス位置 i にオブジェクト a を挿入します。この位置は、0 ～ (リスト内の項目数) の範囲になければなりません。範囲外にあると RWBoundsError 型の例外が送出されます。

RWBoolean
isEmpty() const;

リスト内にオブジェクトがまったくなければ TRUE を、あれば FALSE を返します。

T*&
last();
T* const&
last() const;

リスト内の最後のオブジェクトへのポインタを返します。リストが空であると、動作の結果は不定になります。

size_t
occurrencesOf(const T* a) const;

リスト内のオブジェクト a と等しいオブジェクトの数を返します。等しいかどうかは、型 T に対するクラス定義の等価演算子で判定します。

size_t
occurrencesOf(RWBoolean (*testFun)(T*, void*),void* d)const;

リスト内のユーザー定義テスト関数 testFun が TRUE を返すオブジェクトの数を返します。テスト関数には次のプロトタイプが必要です。

    RWBoolean yourTester(T*, void* d);

void
prepend(T* a);

項目 a をリストの最初に追加します。

T*
remove(const T* a);

オブジェクト a と等しい最初のオブジェクトを取り除いて、それへのポインタを返します。等しいオブジェクトがなければ NULL を返します。等しいかどうかは、型 T に対するクラス定義の等価演算子で判定します。

T*
remove(RWBoolean (*testFun)(T*, void*),void* d);

ユーザー定義テスト関数 testFun が TRUE を返す最初のオブジェクトを取り除いて、それへのポインタを返します。そのようなオブジェクトがなければ NULL を返します。テスト関数には次のプロトタイプが必要です。

    RWBoolean yourTester(T*, void* d);

size_t
removeAll(const T* a);

オブジェクト a と等しいすべてのオブジェクトを取り除いて、その数を返します。等しいかどうかは、型 T に対するクラス定義の等価演算子で判定します。

size_t
removeAll(RWBoolean (*testFun)(T*, void*),void* d);

ユーザー定義テスト関数 testFun が TRUE を返す、すべてのオブジェクトを取り除いて、その数を返します。テスト関数には次のプロトタイプが必要です。

    RWBoolean yourTester(T*, void* d);

T*
removeAt(size_t i);

インデックス i のオブジェクトを取り除き、それへのポインタを返します。i が無効なインデックスであると RWBoundsError 型の例外が送出されます。有効なインデックスの範囲は 0 ～ (リスト内の項目数 -1) です。

T*
removeFirst();

リスト内の最初の項目を取り除き、それへのポインタを返します。リストが空であると、動作の結果は不定になります。

T*
removeLast();

リスト内の最後の項目を取り除き、それへのポインタを返します。リストが空であると、動作の結果は不定になります。

RWTPtrDlist<T>

形式

説明

持続性

例

プログラム出力:

公開コンストラクタ

公開演算子

公開メンバー関数

関連の大域演算子