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Copyright 1999 Rogue Wave Software
Copyright 1999 Sun Microsystems, Inc.


RWTValSlist<T>

形式

#include <rw/tvslist.h>
RWTValSlist<T> list;

注 - 標準 C++ ライブラリがない場合は、ここで説明しているインタフェースを使用してください。標準 C++ ライブラリがある場合は、クラスリファレンスの説明にあるインタフェースを使用してください。

説明

このクラスは一重リンクリストとして実装され、値のコレクションを保守します。これは値にもとづくリストです。リストを構築するリンクにオブジェクトをコピーしたり取り出したりします。侵入的リスト (「RWTIsvSlist<T>」を参照) と異なり、オブジェクトをリンククラスから継承する必要はありません。ただし、挿入のたびにヒープから新しいリンクを割り当てて、そのリンクにオブジェクトをコピーする必要があるので、侵入的リストよりも多少効率が悪くなります。

パラメータ T はリスト内に挿入されるオブジェクトの型を表すもので、クラスまたは組み込み型です。クラス T には次のものが必要です。

持続性

同形

次の例は、RWDates の一重リンクリストを処理しています。

#include <rw/tvslist.h>
#include <rw/rwdate.h>
#include <rw/rstream.h>

main()  {
  RWTValSlist<RWDate> dates;
  dates.insert(RWDate(2, "June", 52));     // 6/2/52
  dates.insert(RWDate(30, "March", 46));   // 3/30/46
  dates.insert(RWDate(1, "April", 90));    // 4/1/90

  // 日付の 1 つを探す
  RWDate ret;
  if (dates.find(RWDate(2, "June", 52), ret)){
    cout << "Found date " << ret << endl;
  }

  // 逆順に取り除く
  while (!dates.isEmpty())
    cout << dates.removeLast() << endl;

  return 0;
}

プログラム出力:

Found date June 2, 1952
April 1, 1990
March 30, 1946
June 2, 1952

公開コンストラクタ

RWTValSlist<T>();

空のリストを作成します。

RWTValSlist<T>(const RWTValSlist<T>& list);

リスト list のコピーを作成します。コピーコンストラクタ T の性質上、リスト内のすべての項目をコピーしなければならないので時間がかかります。

公開演算子

RWTValSlist&
operator=(const RWTValSlist<T>& list);

自分自身にリスト list のコピーを設定します。コピーコンストラクタ T の性質上、リスト内のすべての項目をコピーしなければならないので時間がかかります。

T&
operator[](size_t i);

インデックス i の項目への参照を返します。結果を左辺値として使用できます。i が無効なインデックスであると RWBoundsError 型の例外が発生します。有効なインデックスの範囲は 0 〜 (リスト内の項目数 -1) です。

const T&
operator[](size_t i) const;

インデックス i の項目のコピーを返します。結果を左辺値として使用できません。i が無効なインデックスであると RWBoundsError 型の例外が発生します。有効なインデックスの範囲は 0 〜 (リスト内の項目数 -1) です。

公開メンバー関数

void
append(const T& a);

項目 a をリストの最後に追加します。

void
apply(void (*applyFun)(T&, void*), void* d);

リスト内のすべての項目に対して、ユーザー定義関数 applyFun を適用します。この関数には次のようなプロトタイプが必要です。

    void yourFun(T& a, void* d);

クライアントデータをパラメータ d として引き渡せます。

T&
at(size_t i);

インデックス i の項目への参照を返します。結果を左辺値として使用できます。i が無効なインデックスであると RWBoundsError 型の例外が発生します。有効なインデックスの範囲は 0 〜 (リスト内の項目数 -1) です。

const T&
at(size_t i) const;

インデックス i の項目のコピーを返します。結果を左辺値として使用できません。i が無効なインデックスであると RWBoundsError 型の例外が発生します。有効なインデックスの範囲は 0 〜 (リスト内の項目数 -1) です。

void
clear();

リストからすべての項目を取り除き、それぞれのデストラクタがあればそれを呼び出します。

RWBoolean
contains(const T& a) const;

オブジェクト a と等しいオブジェクトがリスト内にあれば TRUE を、なければ FALSE を返します。等しいかどうかはクラス定義の等価演算子で判定します。

RWBoolean
contains(RWBoolean (*testFun)(const T&, void*), void* d)
         const;

ユーザー定義テスト関数 testFunTRUE を返す項目がリストにあれば TRUE を返します。そのような項目がなければ FALSE を返します。テスト関数には次のプロトタイプが必要です。

   RWBoolean yourTester(const T&, void* d);

リスト内の各項目について、その項目を第 1 引数としてこの関数を呼び出します。クライアントデータをパラメータ d として引き渡すことができます。

size_t
entries() const;

現在、コレクションにある項目の数を返します。

RWBoolean
find(const T& target, T& k) const;

オブジェクト target と等しいオブジェクトがリスト内にあれば TRUE を返し、そのオブジェクトのコピーを k にセットします。等しいオブジェクトがなければ FALSE を返し、k は変わりません。等しいかどうかは、クラス定義の等価演算子で判定します。オブジェクトのコピーが必要ない場合は contains() を使用してください。

RWBoolean
find(RWBoolean (*testFun)(const T&, void*),void* d, T& k)
     const;

ユーザー定義テスト関数 testFunTRUE を返すオブジェクトがリスト内にあれば TRUE を返し、そのオブジェクトのコピーを k にセットします。そのような項目がなければ FALSE を返し、k は変わりません。テスト関数には次のプロトタイプが必要です。

   RWBoolean yourTester(const T&, void* d);

リストの各項目について、その項目を第 1 引数としてこの関数を呼び出します。クライアントデータをパラメータ d として引き渡すことができます。オブジェクトのコピーを必要としない場合は、contains() を使用してください。

T&
first();
const T&
first() const;

リスト内の最初の項目を返します (ただし、取り除きません)。リストが空であると、動作は不定になります。

T
get();

リストの最初の項目を返し、その項目を取り除きます。リストが空であると、動作は不定になります。

size_t
index(const T& a);

オブジェクト a と等しい最初のオブジェクトのインデックスを返します。そのようなオブジェクトがなければ RW_NPOS を返します。等しいかどうかはクラス定義の等価演算子で判定します。

size_t
index(RWBoolean (*testFun)(const T&, void*),void* d) const;

ユーザー定義テスト関数 testFunTRUE を返す最初のオブジェクトのインデックスを返します。そのようなオブジェクトがなければ RW_NPOS を返します。テスト関数には次のプロトタイプが必要です。

   RWBoolean yourTester(const T&, void* d);

リスト内の各項目について、その項目を第 1 引数としてこの関数を呼び出します。クライアントデータをパラメータ d として引き渡すことができます。

void
insert(const T& a);

項目 a をリストの最後に追加します。

void
insertAt(size_t i, const T& a);

インデックス位置 i に項目 a を挿入します。この位置は 0 〜 (リスト内の項目数) の範囲になければなりません。範囲外にあると RWBoundsError 型の例外が発生します。

RWBoolean
isEmpty() const;

リスト内に項目がまったくなければ TRUE を、あれば FALSE を返します。

T&
last();
const T&
last() const;

リスト内の最後の項目を返します (ただし、取り除きません)。リストが空であると、動作は不定になります。

size_t
occurrencesOf(const T& a) const;

リスト内のオブジェクト a と等しいオブジェクトの数を返します。等しいかどうかはクラス定義の等価演算子で判定します。

size_t
occurrencesOf(RWBoolean (*testFun)(const T&, void*),void* d)
              const;

リスト内のユーザー定義テスト関数 testFunTRUE を返すオブジェクトの数を返します。テスト関数には次のプロトタイプが必要です。

   RWBoolean yourTester(const T&, void* d);

リスト内の各項目について、その項目を第 1 引数としてこの関数を呼び出します。クライアントデータをパラメータ d として引き渡すことができます。

void
prepend(const T& a);

項目 a をリストの最初に追加します。

RWBoolean
remove(const T& a);

オブジェクト a と等しい最初のオブジェクトを取り除いて TRUE を返します。等しいオブジェクトがなければ FALSE を返します。等しいかどうかはクラス定義の等価演算子で判定します。

RWBoolean
remove(RWBoolean (*testFun)(const T&, void*), void* d);

ユーザー定義テスト関数 testFunTRUE を返す最初のオブジェクトを取り除いて TRUE を返します。そのようなオブジェクトがなければ FALSE を返します。テスト関数には次のプロトタイプがなければなりません。

   RWBoolean yourTester(const T&, void* d);

リスト内の各項目について、その項目を第 1 引数としてこの関数を呼び出します。クライアントデータをパラメータ d として引き渡すことができます。

size_t
removeAll(const T& a);

オブジェクト a と等しいすべてのオブジェクトを取り除き、その数を返します。等しいかどうかはクラス定義の等価演算子で判定します。

size_t
removeAll(RWBoolean (*testFun)(const T&, void*),void* d);

ユーザー定義テスト関数 testFunTRUE を返す、すべてのオブジェクトを取り除き、その数を返します。テスト関数には次のプロトタイプが必要です。

   RWBoolean yourTester(const T&, void* d);

リスト内の各項目について、その項目を第 1 引数としてこの関数を呼び出します。クライアントデータをパラメータ d として引き渡すことができます。

T
removeAt(size_t i);

インデックス i のオブジェクトを取り除き、それを返します。i が無効なインデックスであると RWBoundsError 型の例外が発生します。有効なインデックスの範囲は 0 〜 (リスト内の項目数 -1) です。

T
removeFirst();

リスト内の最初の項目を取り除き、それを返します。リストが空であると、動作は不定になります。

T
removeLast();

リスト内の最後の項目を取り除き、それを返します。リストが空であると、動作は不定になります。一重リンクリストの最後のリンクを取り除く場合、この関数は最後の 1 つ前のリンクにアクセスする必要があり、結果としてリスト全体を検索するため、処理速度はあまり速くありません。

関連の大域演算子

RWvostream&
operator<<(RWvostream& strm, const RWTValSlist<T>& coll);
RWFile&
operator<<(RWFile& strm, const RWTValSlist<T>& coll);

出力ストリーム strm にコレクション coll を保存するか、すでに保存されている場合は、そのコレクションに対する参照を保存します。

RWvistream&
operator>>(RWvistream& strm, RWTValSlist<T>& coll);
RWFile&
operator>>(RWFile& strm, RWTValSlist<T>& coll);

コレクション coll の内容を入力ストリーム strm から復元します。

RWvistream&
operator>>(RWvistream& strm, RWTValSlist<T>*& p);
RWFile&
operator>>(RWFile& strm, RWTValSlist<T>*& p);

入力ストリーム strm 上の次のオブジェクトを調べて、ヒープから新しいコレクションを作成してそれを指すように p を設定するか、または前に読み込んだインスタンスを指すように p を設定します。コレクションをヒープから作成した場合、ユーザーはそれを削除する責任があります。