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Copyright 1999 Rogue Wave Software
Copyright 1999 Sun Microsystems, Inc.


RWTPtrDlistIterator<T>

形式

#include<rw/tpdlist.h>
RWTPtrDlist<T> dl;
RWTPtrDlistIterator<T> itr(dl);

注 - 標準 C++ ライブラリがある場合は、ここで述べるインタフェースを使用します。標準 C++ ライブラリがない場合は、付録 A に記載する RWTPtrDlistIterator への制限付きインタフェースを使用してください。

説明

RWTPtrDlistIterator には、Tools.h++ 6.x コンテナ用に用意された反復子インタフェースとの互換性を持つ Tools.h++ 7 標準 C++ ライブラリにもとづくコレクションへの反復子インタフェースが用意されています。

RWTPtrDlist に対する反復順序は、コンテナに項目が挿入された順序に依存します。

この反復子が参照する現在の項目は、作成後も、reset() の呼び出し後も定義されていません。反復子は、前置インクリメントか operator() を用いて進められた後に有効になります。

operator++operator() の場合は、最後の要素を越えて反復すると、ブール型の FALSE に相当する値を返します。このまま増分し続けると、reset() が呼び出されるまで、FALSE に相当する値を返します。operator-- の場合は、最初の要素を越えて減分すると、ブール型の FALSE に相当する値を返します。

持続性

なし

#include<rw/tpdlist.h>
#include<iostream.h>
#include<rw/cstring.h>

int main(){
   RWTPtrDlist<RWCString> a;
   RWTPtrDlistIterator<RWCString> itr(a);
   a.insert(new RWCString("John"));
   a.insert(new RWCString("Steve"));
   a.insert(new RWCString("Mark"));
   a.insert(new RWCString("Steve"));

   for(;itr();)
     cout << *itr.key() <<endl;

   return 0;
}

プログラム出力

John
Steve
Mark
Steve

公開コンストラクタ

RWTPtrDlistIterator<T>(RWTPtrDlist<T>& l);

リスト l の反復子を作成します。反復子は、未定義状態から始まり、最初の要素がアクセス可能になる前まで進める必要があります。

公開メンバー演算子

T*
operator()();

自分自身を次の要素に進め、結果反復子を間接参照し、その値を返します。反復子がコンテナ内の最後の項目を越えた場合は、ブール型の FALSE に相当する NULL ポインタの要素を返します。

RWBoolean
operator++();

自分自身を次の要素に進めます。反復子が取り消された、あるいは作成されたばかりの場合、自分自身は最初の要素を参照します。反復の前に 自分自身がリスト内の最後の値を参照した場合、自分自身は (取り消し値とは異なる) 未定義の値を参照し、FALSE に相当する値を返します。それ以外の場合は、TRUE に相当する値を返します。注 : 後置インクリメント演算子は提供されていません。

RWBoolean
operator+=(size_type n);

operator++() が n 回適用されたのと同様に機能します。

RWBoolean
operator--();

自分自身を直前の要素の後ろに移動します。反復子が取り消された、あるいは作成されたばかりの場合、自分自身演算子は FALSE に相当する値を返します。それ以外の場合は、TRUE に相当する値を返します。自分自身が最初の要素を参照する場合は、取り消し状態になります。自分自身がリストの最後の値を越えて反復した場合、自分自身はリストの最後の項目を参照します。注 : 後置インクリメント演算子は提供されていません。

RWBoolean
operator-=(size_type n);

operator-()n 回適用されたのと同様に機能します。

公開メンバー関数

RWTPtrDlist<T>*
container() const;

反復されるコレクションへのポインタを返します。

T*
findNext(const T* a);

自分自身を順方向に反復する間に遭遇する、式 (*t == *a)TRUE になるような最初の要素 t を返します。そのような要素が存在しない場合は、FALSE に相当する NULL ポインタを返します。見つかった項目か「終端を越えた」を、自分自身が参照したままにしておきます。

T*
findNext(RWBoolean(*fn)(T*, void*), void* d);

自分自身を順方向に反復することによって遭遇する、式 ((*fn)(t,d))TRUE になるような最初の要素 t を返します。fn が指すユーザー定義テスター関数は、次のプロトタイプを持っていなければなりません。

bool yourTester(const T* a, void* d);

クライアントデータは、パラメタ d を通して渡すことができます。そのような要素が存在しない場合は、FALSE に相当する NULL ポインタを返します。見つかった項目か「終端を越えた」を、自分自身が参照したままにしておきます。

void
insertAfterPoint(T* p);

自分自身が参照する要素の直後のコンテナにポインタ p を挿入します。

T*
key();

自分自身が参照する格納された値を返します。自分自身がリスト内の値を参照していない場合の影響は定義されていません。

T*
remove();

自分自身が参照する格納された値を返し、その値をコレクションから削除します。自分自身がリスト内の値を参照していない場合の影響は定義されていません。

T*
removeNext(const T*);

自分自身を順方向に反復することによって遭遇する、式 (*t == *a)TRUE になるような最初の要素 t を返して削除します。そのような要素が存在しない場合は、NULL を返します。

T*
removeNext(RWBoolean(*fn)(T*, void*), void* d);

自分自身を順方向に反復することによって遭遇する、式 ((*fn)(t,d))TRUE になるような最初の要素 t を返して削除します。fn が指すユーザー定義テスター関数は、次のプロトタイプを持っていなければなりません。

bool yourTester(const T* a, void* d);

クライアントデータは、パラメタ d を通して渡すことができます。そのような要素が存在しない場合は、NULL を返します。

void
reset();
void
reset(RWTPtrDlist<T>& l*);

あとで、前に進めると反復子がコレクションの最初の要素を参照できるように、反復子を初期状態に戻します。引数なしで reset を使用すると、現在のコンテナ上の反復子が初期状態に戻されます。reset()RWTPtrDlist<T> を使用すると、そのコンテナ上の反復子が初期状態に戻されます。