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Copyright 1999 Rogue Wave Software
Copyright 1999 Sun Microsystems, Inc.

RWTPtrSet<T,C>

形式 

#include <rw/tpset.h>
RWTPtrSet<T,C> s;

標準 C++ ライブラリ依存

注 - RWTPtrSet には標準 C++ ライブラリが必要です。

説明

このクラスは、型 C の比較オブジェクトに従って順序が付けられるポインタにもとづく値のコレクションを維持します。クラス T はコレクションの項目が指す型です。C は、次の公開メンバーを介して、型 T の要素に対する全順序付けを誘導しなければなりません。

bool operator()(const T& x, const T& y)
これは、コレクション内において、x が y より前になる場合、TRUE を返します。C++ 標準ヘッダーファイル <functional> からの構造体 less<T> がその例です。コレクションの項目は比較前に間接参照されることに注意してください。

RWTPtrSet<T,C> は、コレクション内の既存の項目と等しい項目は受け付けません (RWTPtrMultiSet<T,C> には、互いに等しい複数の項目を含めることができます)。等しいかどうかは、== 演算子ではなく、比較オブジェクトにもとづいて判定されます。比較オブジェクト comp を使用するとき、キー a と b は次の場合に等しくなります。

    !comp(a,b) && !comp(b,a)

持続性

同形

例

この例では、RWCString のポインタにもとづくセットを使用しています。

//
//tpset.cpp
//
#include <rw/tpset.h>
#include <rw/cstring.h>
#include <iostream.h>
#include <function.h>

main(){
  RWTPtrSet<RWCString, less<RWCString> > set;

  set.insert(new RWCString("one"));
  set.insert(new RWCString("two"));
  set.insert(new RWCString("three"));
  set.insert(new RWCString("one"));  // 拒絶：エントリの複製

  cout << set.entries() << endl;   // 「3」を出力する

  set.clearAndDestroy();
  cout << set.entries() << endl;   // 「0」を出力する

  return 0;
}

関連クラス

クラス RWTPtrMultiSet<T,C> は、互いに等しい複数の項目を受け付けるポインタにもとづくコレクションに対して同じインタフェースを提供します。RWTPtrMap<K,T,C> は、キー値ペアのポインタにもとづくコレクションです。

クラス set<T*,rw_deref_compare<C,T>,allocator> は、RWTPtrSet<T,C> の基礎となる実装として使用される C++ 標準コレクションです。

公開 Typedef 

typedef rw_deref_compare<C,T>                  container_comp;
typedef set<T*, container_comp,allocator>      container_type;
typedef container_type::size_type              size_type;
typedef container_type::difference_type        difference_type;
typedef container_type::iterator               iterator;
typedef container_type::const_iterator         const_iterator;
typedef T*                                     value_type;
typedef T*const&                               reference;
typedef T*const&                               const_reference;

公開コンストラクタ 

RWTPtrSet<T,C>(const container_comp& comp = container_comp());

空のセットを作成します。 

RWTPtrSet<T,C>(const RWTPtrSet<T,C>& rws);

コピーコンストラクタ。 

RWTPtrSet<T,C>(const container_type& s);

s からすべての要素をコピーすることによって、ポインタにもとづくセットを作成します。 

RWTPtrSet<T,C>(T* const* first,T* const* last,const container_comp&
comp = container_comp());

first が指す T* の配列から last が指す要素まで (ただし、その要素は含みません)、要素をコピーすることによって、セットを作成します。

公開メンバー演算子 

RWTPtrSet<T,C>&
operator=(const container_type& s);
RWTPtrSet<T,C>&
operator=(const RWTPtrSet<T,C>& s);

自分自身のすべての要素を消去し、s のすべての要素をコピーすることによって、それらを置き換えます。 

bool
operator<(const RWTPtrSet<T,C>& s);

自分自身が辞書形式で s より小さい場合は TRUE を返し、等しいか大きい場合は FALSE を返します。各コレクションの項目は比較前に間接参照されます。型 T に明確に規定された less-than 意味論があると仮定します。 

bool
operator==(const RWTPtrSet<T,C>& s);

自分自身が s と等しい場合は TRUE を返し、それ以外の場合は FALSE を返します。2 つのコレクションのエントリ数が同じで、両方のコレクションを反復したときに個々の要素が互いに等しい場合、両者は等しいと言えます。要素は比較前に間接参照されます。

公開メンバー関数 

void
apply(void (*fn)(const T*,void*), void* d) const;

fn が指すユーザー定義関数を、コレクション内の各項目に適用します。この関数は次のプロトタイプを持っていなければなりません。 

   void yourfun(const T* a, void* d);

クライアントデータは、パラメータ d を通して渡すことができます。 

iterator
begin();
const_iterator
begin() const;

自分自身内の最初の要素の位置にある反復子を返します。 

void
clear();

自分自身から項目をすべて削除することによって、コレクションを消去します。 

void
clearAndDestroy();

コレクションからすべての項目を削除し、delete 演算子を使用して、これらの項目が指すオブジェクトを破棄します。 

bool
contains(const T* a) const;

自分自身内に *a と等しい要素 t が存在する場合は TRUE を返し、それ以外の場合は FALSE を返します。 

bool
contains(bool (*fn)(const T*,void*), void* d) const;

自分自身内に式 ((*fn)(t,d)) が TRUE になるような要素 t が存在する場合は、TRUE を返します。それ以外の場合は、FALSE を返します。fn が指すユーザー定義テスター関数は、次のプロトタイプを持っていなければなりません。 

   bool yourTester(const T* a, void* d);

クライアントデータは、パラメータ d を通して渡すことができます。 

void
difference(const RWTPtrSet<T,C>& s);

(self- s) で与えられる差集合を自分自身に設定します。各集合からの要素は、比較前に間接参照されます。 

iterator
end();
const_iterator
end() const;

自分自身内の最後の要素の「直後」にある反復子を返します。 

size_type
entries() const;

自分自身内の項目数を返します。 

const T*
find(const T* a) const;

自分自身内に *a と等しい要素 t が存在する場合は、t を返します。それ以外の場合は、rwnil を返します。 

const T*
find(bool (*fn)(const T*,void*), void* d) const;

自分自身内に式 ((*fn)(t,d)) が TRUE になるような要素 t が存在する場合は、t を返します。それ以外の場合は、rwnil を返します。fn が指すユーザー定義テスター関数は、次のプロトタイプを持っていなければなりません。 

   bool yourTester(const T* a, void* d);

クライアントデータは、パラメータ d を通して渡すことができます。 

bool
insert(T* a);

項目 a をコレクションに追加します。挿入が正常に行われた場合は TRUE を返し、それ以外の場合は FALSE を返します。コレクションが同値キーとの要素を持たない限り、この関数は TRUE を返します。 

void
intersection(const RWTPtrSet<T,C>& s);

自分自身と s との積集合に自分自身を設定します。各集合からの要素は、比較前に間接参照されます。 

bool
isEmpty() const;

コレクション内に項目が存在しない場合は TRUE を返し、それ以外の場合は FALSE を返します。 

bool
isEquivalent(const RWTPtrSet<T,C>& s) const;

自分自身と s が集合的に等しい場合は TRUE を返し、それ以外の場合は FALSE を返します。 

bool
isProperSubsetOf(const RWTPtrSet<T,C>& s) const;

自分自身が s の真部分集合の場合は TRUE を返し、それ以外の場合は FALSE を返します。 

bool
isSubsetOf(const RWTPtrSet<T,C>& s) const;

自分自身が s の部分集合である場合、あるいは自分自身が s と集合的に等しい場合は TRUE を返し、それ以外の場合は FALSE を返します。 

size_type
occurrencesOf(const T* a) const;

*a と等しい自分自身内の要素 t の数を返します。 

size_type
occurrencesOf(bool (*fn)(T*,void*), void* d);
size_type
occurrencesOf(bool (*fn)(const T*,void*), void* d) const;

式 ((*fn)(t,d)) が TRUE になるような自分自身内の要素 t の数を返します。fn が指すユーザー定義テスター関数は、次のプロトタイプを持っていなければなりません。 

   bool yourTester(const T* a, void* d);

クライアントデータは、パラメータ d を通して渡すことができます。 

T*
remove(const T* a);

*a と等しい自分自身内の最初の要素を削除して返します。そのような要素が存在しない場合は、rwnil を返します。 

T*
remove(bool (*fn)(const T*,void*), void* d);

式 ((*fn)(t,d)) が TRUE になるような自分自身の最初の要素 t を削除して返します。そのような要素が存在しない場合は、rwnil を返します。fn が指すユーザー定義テスター関数は、次のプロトタイプを持っていなければなりません。 

   bool yourTester(const T* a, void* d);

クライアントデータは、パラメータ d を通して渡すことができます。 

size_type
removeAll(const T* a);

*a と等しい自分自身内の要素 t をすべて削除します。削除した項目数を返します。 

size_type
removeAll(bool (*fn)(const T*,void*), void* d);

式 ((*fn)(t,d)) が TRUE になるような自分自身内の要素 t をすべて削除します。削除した項目数を返します。fn が指すユーザー定義テスター関数は、次のプロトタイプを持っていなければなりません。 

   bool yourTester(const T* a, void* d);

クライアントデータは、パラメータ d を通して渡すことができます。 

set<T*, container_comp,allocator>&
std();
const set<T*, container_comp,allocator>&
std() const;

自分自身に対する実装として使用される、基礎となる C++ 標準コレクションへの参照を返します。 

void
symmetricDifference(const RWTPtrSet<T,C>& s);

自分自身と s との対称差集合に自分自身を設定します。各集合からの要素は、比較前に間接参照されます。 

void
Union(const RWTPtrSet<T,C>& s);

自分自身と s との和集合に自分自身を設定します。各集合からの要素は、比較前に間接参照されます。C++ の予約語との競合を避けるために、Union の「U」は大文字になっていることに注意してください。

関連の大域演算子 

RWvostream&
operator<<(RWvostream& strm, const RWTPtrSet<T,C>& coll);
RWFile&
operator<<(RWFile& strm, const RWTPtrSet<T,C>& coll);

出力ストリーム strm にコレクション coll を保存するか、すでに保存されている場合は、そのコレクションに対する参照を保存します。 

RWvistream&
operator>>(RWvistream& strm, RWTPtrSet<T,C>& coll);
RWFile&
operator>>(RWFile& strm, RWTPtrSet<T,C>& coll);

コレクション coll の内容を入力ストリーム strm から復元します。 

RWvistream&
operator>>(RWvistream& strm, RWTPtrSet<T,C>*& p);
RWFile&
operator>>(RWFile& strm, RWTPtrSet<T,C>*& p);

入力ストリーム strm 上の次のオブジェクトを調べて、ヒープから新しいコレクションを作成してそれを指すように p を設定するか、または前に読み込んだインスタンスを指すように p を設定します。コレクションをヒープから作成した場合、ユーザーはそれを削除する責任があります。