Sun Studio 12: パフォーマンスアナライザ

実験の記録

実験を記録する方法には、次の 3 つがあります。

アナライザ GUI のパフォーマンスツールの「収集」ウィンドウは collect による実験を実行し、IDE の「コレクタ」ダイアログボックスは dbx による実験を実行します。

collect による実験

collect コマンドを使用して実験を記録する場合、collect ユーティリティーは実験ディレクトリを作成し、libcollector.so がターゲットのアドレス空間にあらかじめ読み込まれるようにLD_PRELOAD 環境変数を設定します。その後、libcollector.so に実験名を知らせるための環境変数とデータ収集オプションを設定し、ターゲットをその上で実行します。

libcollector.so は、すべての実験ファイルの書き込みを行います。

dbx でプロセスを生成する実験

データ収集を有効にした状態で dbx を使用してプロセスを起動すると、dbx は実験ディレクトリも作成し、libcollector.so が事前に読み込まれるようにします。dbx は最初の命令の前のブレークポイントでプロセスを停止し、次にデータ収集を開始するために libcollector.so 内の初期化ルーチンを呼び出します。

Java 実験データが dbx で収集できないのは、 dbx がデバッグのために Java Virtual Machine Debug Interface (JVMDI) エージェントを使用し、そのエージェントがデータの収集に必要な Java Virtual Machine Tools Interface (JVMTI) エージェントと共存できないからです。

dbx による実行中のプロセスの実験

dbx を使用して実行中のプロセスで実験を開始すると、dbx は実験ディレクトリを作成しますが、LD_PRELOAD 環境変数を使用できません。dbx は対話式関数呼び出しをターゲット内に行なって libcollector.so を開き、次にプロセスを作成する場合と同様に libcollector.so の初期化ルーチンを呼び出します。データは、collect 実験の場合と同様に libcollector.so によって書き込まれます。

プロセスが開始したときに libcollector.so はターゲットアドレス空間になかったので、ユーザー呼び出し可能関数 (同期トレース、ヒープトレース、MPI トレース) に対する割り込み処理に依存するデータ収集は機能しない場合があります。一般に、シンボルはすでに基礎的な関数に分解されているので、割り込み処理は行えません。さらに、派生プロセスの次も割り込み処理に依存し、実行中プロセスで dbx により作成された実験に対して適切に機能しません。

dbx でプロセスを開始する前、または dbx で実行中プロセスに接続する前に明示的に libcollector.so を事前読み込みした場合は、トレースデータを収集できます。