Sun Studio 12: パフォーマンスアナライザ

Java 処理の表現

Java プログラミング言語で書かれたアプリケーションについては、パフォーマンスデータを表示するための表現方法として、Java ユーザー表現、Java 上級表現、マシン表現があります。デフォルトでは、データが Java ユーザー表現をサポートする場合は、Java ユーザー表現で表示されます。以降では、これらの 3 つの表現の主な違いをまとめます。

ユーザー表現

ユーザー表現は、コンパイルされた Java メソッドとインタプリタされた Java メソッドを名前で表示し、ネイティブメソッドをそれらの自然な形式で表示します。実行中は、特定の Java メソッドのインスタンスが、多数存在する場合があります。つまり、インタープリタされたバージョンと、場合によっては 1 つ以上のコンパイルされたバージョンです。Java ユーザー表現では、すべてのメソッドが 1 つのメソッドとして集計された状態で表示されます。アナライザでは、この表現がデフォルトで選択されます。

Java メソッド (Java ユーザー表現内) の PC は、メソッド ID とそのメソッドへのバイトコードのインデックスに対応し、ネイティブ関数の PC はマシン PC に対応します。Java スレッドの呼び出しスタックには Java PC とマシン PC が混ざり合っていることがあります。この呼び出しスタックには、Java ユーザー表現を持たない Java ハウスキーピングコードに対応するフレームはありません。状況によっては、JVM ソフトウェアは Java スタックを展開することができず、特別な関数 <Java 呼び出しスタックが記録されていません> を持つシングルフレームが返されます。これは通常、合計時間の 5 〜 10% にしかなりません。

Java ユーザー表現の関数リストは、Java メソッドと呼び出された任意のネイティブメソッドに対するメトリックを示します。呼び出し元 - 呼び出し先のパネルには、呼び出しの関係が Java ユーザー表現で示されます。

Java メソッドのソースは、コンパイル元の .java ファイル内のソースコードに対応し、各ソース行にメトリックがあります。Java メソッドの逆アセンブリは作成されたバイトコードのほか、各バイトコードに対するメトリックとインタリーブされた Java ソース (入手可能な場合) を示します。

Java ユーザー表現のタイムラインは、Java スレッドのみを示します。各スレッドの呼び出しスタックが、その Java メソッドとともに示されます。

すべての Java プログラムは、通常は monitor-enter ルーチンを呼び出すことで明示的同期化を実行できます。

Java ユーザー表現の同期遅延トレースは、JVMPI 同期イベントをベースとします。通常の同期トレースのデータは、Java ユーザー表現では表示されません。

Java ユーザー表現のデータ空間プロファイリングは、現在サポートされていません。

上級ユーザー表現

Java 上級表現は、JVM 内部要素の詳細のいくつかを除いては Java ユーザー表現に似ています。Java ユーザー表現では表示されない JVM 内部要素の詳細のいくつかが、Java 上級表現に表されます。Java 上級表現では、タイムラインがすべてのスレッドを示し、ハウスキーピングスレッドの呼び出しスタックはネイティブ呼び出しスタックです。

マシン表現

マシン表現には、JVM ソフトウェアでインタプリタされるアプリケーションからの関数でなく、JVM ソフトウェア自体からの関数が表示されます。また、コンパイルされたメソッドとネイティブメソッドがすべて表示されます。マシン表現は、従来の言語で書かれたアプリケーションの表現と同じように見えます。呼び出しスタックは、JVM フレーム、ネイティブフレーム、およびコンパイル済みメソッドフレームを表示します。JVM フレームの中には、インタプリタされた Java、コンパイルされた Java、およびネイティブコードの間の変移コードを表すものがあります。

コンパイルされたメソッドからのソースは Java ソースに対照して表示され、データは選択されたコンパイル済みメソッドの特定のインスタンスを表します。コンパイルされたメソッドの逆アセンブリは、Java バイトコードでなく作成されたマシンアセンブラコードを示します。呼び出し元 - 呼び出し先の関係はすべてのオーバーヘッドフレームと、インタプリタされたメソッド、コンパイルされたメソッド、ネイティブメソッドの間の遷移を表すすべてのフレームを示します。

マシン表現のタイムラインはすべてのスレッド、LWP または CPU のバーを示し、それぞれの呼び出しスタックはマシン表現呼び出しスタックになります。

マシン表現では、スレッド同期が _lwp_mutex_lock への呼び出しに委譲されます。これらの呼び出しはトレースされないので同期データは表示されません。