Sun Studio 12 Update 1: C++ ユーザーズガイド

A.2.116.1 値

o には、次のいずれかを指定します。

表 A–26 -xchar の値

値  

意味 

signed

char 型で定義された文字定数および変数を符号付きとして処理します。コンパイル済みコードの動作に影響しますが、ライブラリルーチンの動作には影響しません。 

s

signed と同義です。

unsigned

char 型で定義された文字定数および変数を符号なしとして処理します。コンパイル済みコードの動作に影響しますが、ライブラリルーチンの動作には影響しません。 

u

unsigned と同義です。

デフォルト

-xchar を指定しない場合は、コンパイラでは -xchar=s が指定されます。

-xchar を値なしで指定した場合は、コンパイラでは -xchar=s が指定されます。

相互の関連性

-xchar オプションは、-xchar でコンパイルしたコードでだけ、char 型の値の範囲を変更します。このオプションは、システムルーチンまたはヘッダーファイル内の char 型の値の範囲は変更されません。特に、CHAR_MAX および CHAR_MIN の値 (limits.h で定義される) は、このオプションを指定しても変更されません。したがって、CHAR_MAX および CHAR_MIN は、通常の char で符号化可能な値の範囲は表示されなくなります。

警告

-xchar=unsigned を使用するときは、マクロでの値が符号付きの場合があるため、char を定義済みのシステムマクロと比較する際には特に注意してください。これは、マクロを使用してエラーコードを戻すルーチンでもっとも一般的です。エラーコードは、一般的には負の値になっています。したがって、char をそのようなマクロによる値と比較するときは、結果は常に false になります。負の数値が符号なしの型の値と等しくなることはありません。

ライブラリを使用してエクスポートしているインタフェース用のルーチンは、-xchar を使用してコンパイルしないようにお勧めします。Solaris ABI では char 型を符号付きとして指定すると、システムライブラリが指定に応じた動作をします。char を符号なしにする影響は、システムライブラリで十分にテストされていませんでした。このオプションを使用しないで、char 型の符号の有無に依存しないようにコードを変更してください。char 型の符号は、コンパイラやオペレーティングシステムによって異なります。