Sun Studio 12 Update 1: C++ ユーザーズガイド

プリコンパイル済みヘッダーファイルの使用方法

プリコンパイル済みヘッダーファイルを使用するには、-xpch=use:pch_filename と指定します。プリコンパイル済みヘッダーファイルを作成するために使用されたソースファイルと同じインクルードファイルの並びを持つソースファイルであれば、いくつでも指定できます。たとえば、use モードで、次のようなコマンドがあるとします。CC -xpch=use:foo.Cpch foo.c bar.cc foobar.cc.

次の項目が真であれば、既存のプリコンパイル済みヘッダーファイルのみ使用します。次の項目で真ではないものがあれば、プリコンパイル済みヘッダーファイルを再作成する必要があります。

プリコンパイル済みヘッダーファイルを複数のソースファイル間で共有するために、これらのソースファイルには、最初のトークンの並びとして一連の同じインクルードファイルを使用していなければいけません。この最初のトークンの並びは、活性文字列 (viable prefix) として知られています。活性文字列は、同じプリコンパイル済みヘッダーファイルを使用するすべてのソースファイル間で一貫して解釈される必要があります。

ソースファイルの活性文字列には、コメントと次に示すプリプロセッサ指令のみを指定できます。

#include
#if/ifdef/ifndef/else/elif/endif
#define/undef
#ident (if identical, passed through as is)
#pragma (if identical)

前述の任意の指令はマクロを参照する場合があります。#else#elif#endif 指令は、活性文字列内で一致している必要があります。

プリコンパイル済みヘッダーファイルを共有する各ファイルの活性文字列内では、対応する各 #define 指令と #undef 指令は同じシンボルを参照する必要があります (#define の場合は、各指令は同じ値を参照する必要があります)。各活性文字列内での順序も同じである必要があります。対応する各プラグマも同じで、その順序もプリコンパイル済みヘッダーを共有するすべてのファイルで同じでなければいけません。

プリコンパイル済みヘッダーファイルに組み込まれるヘッダーファイルは、次の項目に違反しないようにしてください。これらの制限に違反するプログラムをコンパイルすると、結果は未定義です。