Sun Studio 12 Update 1: C++ ユーザーズガイド

4.1.1 Microsoft Windows との互換性

動的ライブラリに関して Microsoft Visual C++ (MSVC++) に含まれる類似のスコープ機能との互換性を保つため、次の構文もサポートされています。

__declspec(dllexport)__symbolic と同一です。

__declspec(dllimport)__global と同一です。

Sun C++ でこの構文の利点を活用するには、-xldscope=hidden オプションを CC コマンド行に追加するべきです。結果は、MSVC++ を使用する場合と比較可能なものになります。MSVC++ を使用する場合は、定義ではなく外部シンボルの宣言のみに関して __declspec(dllimport) が使用されることが想定されます。次に例を示します。


__declspec(dllimport) int foo(); // OK 
__declspec(dllimport) int bar() { ... } // not OK  

MSVC++ は、定義に対する dllimport の許容が緩やかであり、Sun C++ を使用する場合の結果と異なります。特に、Sun C++ で定義に対して dllimport を使用する場合の結果は、シンボルがシンボリックリンケージではなくグローバルリンケージを持つことになります。Microsoft Windows 上の動的ライブラリは、シンボルのグローバルリンケージをサポートしません。この問題が発生している場合は、定義に対して dllimport ではなく dllexport を使用するようにソースコードを変更できます。その後、MSVC++ と Sun C++ で同じ結果を得ることができます。