Sun Studio 12 Update 1: Fortran ユーザーズガイド

4.1 ソース言語の機能

f95 コンパイラは、Fortran 標準規則に対して、次のソース言語の機能および拡張機能を提供します。

4.1.1 継続行の制限

f95 では、999 行まで行を継続することができます (開始行が 1 行とそのあとの継続行が 999)。標準の Fortran 95 では、固定形式の場合で 19 行まで、自由形式の場合で 39 行までです。

4.1.2 固定形式のソースの行

固定形式のソースの場合、1 行に 73 文字以上使用できます。ただし、73 桁目以降はすべて無視されます。標準の Fortran 95 では、行の長さは 72 文字までです。

4.1.3 タブ形式

f95 の固定形式のソーステキストは、次のように定義されています。

f95 のデフォルト最大行の長さは、固定形式で 72 列および自由形式で 132 列です。-e コンパイラオプションを使用すると、固定形式のソースの行を 132 列に拡張できます。

例: 左のタブの形式のソースは、右に表示されます。


!^IUses of tabs
^ICHARACTER *3 A = ’A’
^IINTEGER B = 2
^IREAL C = 3.0
^IWRITE(*,9) A, B, C
9^IFORMAT(1X, A3,
^I1 I3,
^I2 F9.1 )
^IEND

!       Uses of tabs
        CHARACTER *3 A = ’A’
        INTEGER B = 2
        REAL C = 3.0
        WRITE(*,9) A, B, C
9       FORMAT(1X, A3,
       1 I3,
       2 F9.1 )
        END

前述の例で、「^I」はタブ文字を表し、「1」および「2」で始まる行は継続行を表しています。コードはさまざまなタブの状態を示しますが、いずれの形式も推奨しません。

f95 は、タブがあると以降その行の72行目までパディングします。そのため、次の行に継続する文字列にタブが表示される場合、予想外の結果を招くことがあります。

ソースファイル :


^Iprint *, "Tab on next line
^I1this  continuation line starts with a tab."
^Iend

コードの実行結果 :


Tab on next line                                             this  continuation
 line starts with a tab.

—f77 オプションを使用したタブ書式も可能です。

4.1.4 想定するソースの書式

f95 が想定するソースの書式は、オプション、指令、および拡張子によって異なります。

拡張子が .f または .F のファイルは、固定形式とみなされます。拡張子が .f90.f95.F90、または .F95のファイルは、自由形式とみなされます。

表 4–1 F95 ソース書式のコマンド行のオプション

オプション  

処理  

-fixed

すべてのソースファイルが Fortran の固定形式で記述されていると解釈します。

-free

すべてのソースファイルが Fortran の自由形式で記述されていると解釈します。

-free および -fixed オプションは、ファイル名の拡張子よりも優先されます。また、!DIR$ FREE 指令または !DIR$ FIXED 指令は、オプションおよびファイル名の拡張子よりも優先されます。

4.1.4.1 書式の混在

次のように、異なるソースの書式を混在させてもかまいません。

4.1.4.2 大文字・小文字の区別

Sun Fortran 95 では、デフォルトでは大文字と小文字が区別されません。すなわち、AbcDeF という変数は、abcdef と同じ文字列として扱われます。-U オプションを付けてコンパイルすると、コンパイラは大文字と小文字を区別します。

4.1.5 制限とデフォルト