Oracle Solaris Studio 12.2: パフォーマンスアナライザ

ヒープトレース (メモリー割り当て) データ

正しく管理されていないメモリー割り当て関数やメモリー割り当て解除関数を呼び出すと、データの使い方の効率が低下し、プログラムパフォーマンスが低下する可能性があります。ヒープトレースでは、C 標準ライブラリメモリー割り当て関数 mallocreallocvallocmemalign、および割り当て解除関数 free で割り込み処理を行うことによって、コレクタはメモリーの割り当てと割り当て解除の要求をトレースします。mmap への呼び出しはメモリー割り当てとして扱われ、これによって Java メモリー割り当てのヒープトレースイベントを記録することが可能になります。Fortran 関数 allocate および deallocate は C 標準ライブラリ関数を呼び出すため、これらのルーチンは間接的にトレースされます。

Java プログラムのヒーププロファイリングはサポートされません。

ヒープトレースデータは、次のメトリックスに変換されます。

表 2–3 メモリー割り当て (ヒープトレース) メトリックス

メトリック 

定義 

割り当て 

メモリー割り当て関数の呼び出し回数。 

割り当てバイト数 

メモリー割り当て関数の呼び出しごとに割り当てられるバイト数の合計。 

リーク 

対応するメモリー割り当て解除関数が存在しなかったメモリー割り当て関数の呼び出し回数。 

リークバイト数 

割り当てられたが割り当て解除されなかったバイト数。 

ヒープトレースデータの収集は、プログラム内のメモリーリークを特定したり、メモリーの割り当てが不十分な場所を見つける上で役立ちます。

dbx デバッグツールなどで使用されることの多い、メモリーリークの別の定義では、メモリーリークとは、プログラムのデータ空間内のいずれかを指しているポインタを持たない、動的に割り当てられるメモリーブロックです。ここで使用されているリークの定義にはこの代替定義が含まれますが、ポインタが存在するメモリーも含まれます。