Oracle Solaris Studio 12.2: パフォーマンスアナライザ

大域 (標本収集) データ

大域データは、コレクタによって標本パケットと呼ばれるパケット単位で記録されます。各パケットには、ヘッダー、タイムスタンプ、ページフォルトや I/O データなどのカーネルからの実行統計情報、コンテキストスイッチ、および各種のページの常駐性 (ワーキングセットおよびページング) 統計情報が含まれます。標本パケットに記録されるデータはプログラムに対して大域的であり、パフォーマンスメトリックスには変換されません。標本パケットを記録するプロセスを標本収集と言います。

標本パケットは、次の状況で記録されます。

パフォーマンスツールは、標本パケットに記録されたデータを使用して、時間期間別に分類します。この分類されたデータを標本と呼びます。特定の標本セットを選択することによってイベントに固有のデータをフィルタできるので、特定の期間に関する情報だけを表示させることができます。各標本の大域データを表示することもできます。

パフォーマンスツールは、標本ポイントのさまざまな種類を区別しません。標本ポイントを解析に利用するには、1 種類のポイントだけを記録対象として選択してください。特に、プログラム構造や実行シーケンスに関する標本ポイントを記録する場合は、定期的な標本収集を無効にし、dbx がプロセスを停止したとき、collect コマンドによってデータ記録中のプロセスにシグナルが送られたとき、あるいはコレクタ API 関数が呼び出されたときのいずれかの状況で記録された標本を使用します。