大域データは、コレクタによって標本パケットと呼ばれるパケット単位で記録されます。各パケットには、ヘッダー、タイムスタンプ、ページフォルトや I/O データなどのカーネルからの実行統計情報、コンテキストスイッチ、および各種のページの常駐性 (ワーキングセットおよびページング) 統計情報が含まれます。標本パケットに記録されるデータはプログラムに対して大域的であり、パフォーマンスメトリックスには変換されません。標本パケットを記録するプロセスを標本収集と言います。
IDE のデバッグ中や dbx で、プログラムが何らかの理由 (ブレークポイントなど) により停止したとき (このためのオプションが設定されている場合)。
標本収集の間隔の終了時 (定期的な標本収集を選択している場合)。標本収集の間隔は整数値 (秒単位) で指定します。デフォルト値は 1 秒です。
dbx collector sample record コマンドを使用し、標本を手動で記録したとき。
このルーチンに対する呼び出しがコードに含まれている場合に collector_sample を呼び出したとき (「データ収集のプログラム制御」を参照)。
collect コマンドで -l オプションが使用されている場合に指定したシグナルが送信されたとき (collect(1) のマニュアルページを参照)。
収集が開始および終了したとき。
dbx collector pause コマンドで収集を一時停止したとき (一時停止の直前)、および dbx collector resume コマンドで収集を再開したとき (再開の直後)。
派生プロセスが作成される前後。
パフォーマンスツールは、標本パケットに記録されたデータを使用して、時間期間別に分類します。この分類されたデータを標本と呼びます。特定の標本セットを選択することによってイベントに固有のデータをフィルタできるので、特定の期間に関する情報だけを表示させることができます。各標本の大域データを表示することもできます。
パフォーマンスツールは、標本ポイントのさまざまな種類を区別しません。標本ポイントを解析に利用するには、1 種類のポイントだけを記録対象として選択してください。特に、プログラム構造や実行シーケンスに関する標本ポイントを記録する場合は、定期的な標本収集を無効にし、dbx がプロセスを停止したとき、collect コマンドによってデータ記録中のプロセスにシグナルが送られたとき、あるいはコレクタ API 関数が呼び出されたときのいずれかの状況で記録された標本を使用します。