Oracle Solaris Studio 12.2: パフォーマンスアナライザ

関数リストを制御するコマンド

ここでは、関数情報の表示を制御するコマンドを説明します。

functions

現在選択されているメトリックスとともに関数リストを書き込みます。関数リストには、関数を表示するために選択されたロードオブジェクトに含まれているすべての関数、および object_select コマンドで非表示にされた関数を持つロードオブジェクトが含まれます。

書き込む行数は、limit コマンドを使用して制限できます (「出力を制御するコマンド」を参照)。

出力されるデフォルトのメトリックスは、排他的および包括的ユーザー CPU 時間で、秒数および全プログラムのメトリックの割合 (百分率) で示されます。表示する現行メトリックスを変更するには、metrics コマンドを使用します。これは、functions コマンドを発行する前に行う必要があります。また、.er.rc ファイル内の dmetrics コマンドを使用して、デフォルト値を変更することもできます。

Java プログラミング言語で書かれたアプリケーションの場合、表示される関数情報は表示モードがユーザー、上級、マシンのどれに設定されているかによって異なります。

3 つのモードすべてにおいて、データは、Java ターゲットによって呼び出された C、C++、または Fortran コードの通常の方法で報告されます。

metrics metric_spec

関数リストに表示するメトリックスを指定します。metric_spec には、キーワードの default (デフォルトのメトリック選択を復元します) またはコロンで区切ったメトリックキーワードのリストを指定できます。次に、メトリックリストの指定例を示します。


% metrics i.user:i%user:e.user:e%user

このコマンドを入力すると、er_print ユーティリティーは次のメトリックスを表示します。

デフォルトでは、「デフォルト値を設定するコマンド」の説明のように、.er.rc ファイルから処理された dmetrics コマンドに基づいたメトリック設定が使用されます。metrics コマンドで明示的に metric_specdefault に設定した場合は、記録するデータに適したデフォルト設定が復元されます。

メトリックスがリセットされると、新しいリスト内でデフォルトのソートメトリックが設定されます。

metric_spec を省略した場合は、現在のメトリックスの設定が表示されます。

metrics コマンドは、関数リスト用のメトリックスを設定するほか、呼び出し元 - 呼び出し先のメトリックスと、データ派生出力のメトリックスを同じ設定値に設定します。

metrics コマンドが処理されると、現在有効なメトリックを示すメッセージが表示されます。前述の例では、メッセージは次のようになります。


current: i.user:i%user:e.user:e%user:name

メトリックリストの構文については、「メトリックリスト」を参照してください。指定可能なメトリックスを一覧表示するには、metric_list コマンドを使用します。

metrics コマンドに誤りがあった場合、そのコマンドは警告とともに無視され、以前の設定が引き続き有効になります。

sort metric_spec

関数リストを metric_spec でソートします。メトリック名の中の visibility は、ソート順序に影響を及ぼしません。複数のメトリックが metric_spec の中で指定されている場合は、表示可能な最初のものが使用されます。指定されたメトリックスに表示可能なものがない場合は、コマンドが無視されます。metric_spec の前に負符号 (-) を付加することにより、逆順のソートを指定できます。

デフォルトでは、「デフォルト値を設定するコマンド」の説明のように、.er.rc ファイルから処理された dsort コマンドに基づいたメトリックソート設定が使用されます。sort コマンドで明示的に metric_specdefault に設定した場合は、デフォルトの設定が使用されます。

文字列 metric_spec は、「メトリックリスト」に示すメトリックキーワードのいずれか 1 つです。


% sort i.user

このコマンドは、er_print ユーティリティーに、関数リストを包括的ユーザー CPU 時間によってソートするよう指示します。指定したメトリックが読み込まれた実験に含まれていない場合は、警告メッセージが表示され、コマンドは無視されます。コマンドが終了すると、ソート基準メトリックが表示されます。

fsummary

関数リスト内の各関数について、概要パネルを出力します。出力するパネル数は、limit コマンドを使用して制限できます (「出力を制御するコマンド」を参照)。

概要メトリックスパネルには、関数またはロードオブジェクトの名前、アドレス、およびサイズのほか、関数についてはソースファイル、オブジェクトファイル、およびロードオブジェクトの名前、ならびに選択された関数やロードオブジェクトについて記録された排他的メトリックスと包括的メトリックスの値と百分率が表示されます。

fsingle function_name [N]

指定された関数の概要パネルを出力します。同じ名前を持つ関数が複数存在する場合には、省略可能なパラメータ N が必要です。指定の関数名を持つ N 番目の関数について、概要メトリックスパネルが出力されます。コマンド行でコマンドを入力する場合、N を必ず指定する必要があります。不要な場合は無視されます。N が必要であるときに N を使用しないでコマンドを対話的に入力すると、対応する N 値を持つ関数のリストが出力されます。

関数の概要メトリックスについては、fsummary コマンドの解説を参照してください。