Oracle Solaris Studio 12.2: パフォーマンスアナライザ

er_archive ユーティリティー

er_archive コマンドの構文は次のとおりです。


er_archive [-nqAF] experiment
er_archive -V

er_archive ユーティリティーは、実験が正常に完了したとき、または実験でパフォーマンスアナライザか er_print ユーティリティーが開始されたとき、自動的に実行されます。er_archive ユーティリティーは、カーネルプロファイリングセッションが Ctrl-C または kill コマンドにより強制終了された場合も、er_kernel により自動的に実行されます。このユーティリティーは、実験で参照されている共有オブジェクトのリストを読み取り、それぞれについてアーカイブファイルを構築します。それぞれの出力ファイル名には .archive というサフィックスが付加され、共有オブジェクトについての関数およびモジュールのマッピングが含まれます。

対象のプログラムが異常終了すると、コレクタによって er_archive ユーティリティーが実行されない場合があります。実験が異常終了した場合、その実験が記録されたものとは別のマシンからその実行を検査するには、データが記録されているマシン上で、その実験に対して er_archive ユーティリティーを実行する必要があります。実験がコピーされる先のマシンのロードオブジェクトが利用できることを確認するには、-A オプションを使用します。

アーカイブファイルは、実験で参照されているすべての共有オブジェクトについて生成されます。これらのアーカイブには、すべてのオブジェクトファイルとそのロードオブジェクト内のすべての関数のアドレス、サイズ、名前、ロードオブジェクトの絶対パス、および最終変更日時を示すタイムスタンプが含まれます。

er_archive ユーティリティーの実行時に共有オブジェクトが見つからない場合、オブジェクトのタイムスタンプが実験に記録されているものと異なる場合、または実験が記録されたものとは異なるマシン上で er_archive ユーティリティーが実行された場合は、アーカイブファイルに警告が含まれます。er_archive ユーティリティが手動で実行された場合 (-q フラグを使用せずに実行された場合) は、stderr にも警告が出力されます。

次に、er_archive ユーティリティーに使用可能なオプションについて説明します。

-n

名前付きの実験のみをアーカイブし、子孫はアーカイブしません。

-q

stderr に警告を出力しません。警告はアーカイブファイルに組み入れられ、パフォーマンスアナライザ、または er_print ユーティリティーの出力に表示されます。

-A

すべてのロードオブジェクトを実験に書き込むことを要求します。この引数を使用して生成された実験は、その実験が記録されているものとは別のマシンに簡単にコピーできます。

-F

アーカイブファイルを強制的に書き込み、または再書き込みします。この引数を使用すると、er_archive を手動で実行し、警告を含むファイルを再書き込みできます。

-V

er_archive ユーティリティーのバージョン番号の情報を書き込み、終了します。