Oracle Solaris Studio 12.2: パフォーマンスアナライザ

タイミングメトリックスの精度

このため、ほかの統計的な標本収集手法と同様に、あらゆる誤差の影響を受けます。プログラムの実行時間が非常に短い場合は、少数のプロファイルパケットしか記録されず、多くのリソースを消費するプログラム部分が、呼び出しスタックに反映されないことがあります。このため、目的の関数またはソース行について数百のプロファイルパケットを蓄積するのに十分な時間または十分な回数に渡って、プログラムを実行するようにしてください。

統計的な標本収集の誤差のほかに、データの収集?関連付け方法、システムにおけるプログラムの実行の進み具合を原因とする誤差もあります。次に示す環境などでは、タイミングメトリックスでデータに不正確さやひずみが生じる可能性があります。

これらの不正確さのほかに、データ収集処理そのものが原因でタイミングメトリックスが不正確になります。記録はプロファイルシグナルによって開始されるため、プロファイルパケットの記録に費やされた時間が、プログラムのメトリックスに反映されることはありません。これは、相関関係の別の例です。記録に費やされたユーザー CPU 時間は、記録されるあらゆるマイクロステート値に配分されます。この結果、ユーザー CPU 時間のメトリックが実際より小さくなり、その他のメトリックスが実際より大きくなります。デフォルトのプロファイル間隔の場合、一般に、データの記録に費やされる時間は CPU 時間の 2、3% 未満です。