Oracle Solaris Studio 12.2: パフォーマンスアナライザ

共有オブジェクト間の関数の呼び出し

共有オブジェクト内の関数が別の共有オブジェクトの関数を呼び出す場合は、同じプログラム内の単純な関数の呼び出しよりも実行が複雑になります。各共有オブジェクトには、プログラムリンケージテーブル (PLT) が 1 つあり、ここにはそのオブジェクトが参照し、そのオブジェクトの外部にあるすべての関数 (外部関数) のエントリが含まれます。最初は、PLT 内の各外部関数のアドレスは、実際には動的リンカーである ld.so 内のアドレスです。外部関数が初めて呼び出されると、制御が動的リンカーに移り、動的リンカーは、その外部関数への呼び出しを解決し、以降の呼び出しのために、PLT のアドレスにパッチを適用します。

3 つの PLT 命令のいずれか 1 つを実行しているときにプロファイリングイベントが発生した場合、PLT PC は削除され、排他的時間はその呼び出し命令に対応することになります。PLT エントリによる最初の呼び出し時にプロファイリングイベントが発生し、かつリーフ PC が PLT 命令のいずれかではない場合、PLT および ld.so のコードから発生する PC はすべて、包括的時間を集計する擬似的な関数 @plt に帰属します。各共有オブジェクトには、こういった擬似的な関数が 1 つ用意されています。LD_AUDIT インタフェースを使用しているプログラムの場合、PLT エントリが絶対にパッチされない可能性があるとともに、@plt の非リーフ PC の発生頻度が高くなることが考えられます。