Oracle Solaris Studio 12.2: dbx コマンドによるデバッグ

実際に使用されるシンボルを決定する

which コマンドにより、特定の名前を (完全に修飾しないで) 式に指定したときにどのシンボルが使用されるかを前もって調べることができます。次に例を示します。


(dbx) func
wedge::wedge(char*, int, int, const point&, load_bearing_block*)
(dbx) which draw
`block_draw.cc`wedge::draw(unsigned long)

which コマンドに指定したシンボル名が局所的スコープにない場合、スコープ決定パスで検索が行われます。決定パスで最初に見つかった名前の完全修飾名が示されます。

決定パスに含まれる任意の場所で、同じスコープの該当する symbol が複数見つかった場合、あいまいであることを示すメッセージが表示されます。


(dbx) which fid
More than one identifier `fid’.
Select one of the following:
 0) Cancel
 1) `example`file1.c`fid
 2) `example`file2.c`fid

dbx は、あいまいなシンボル名をリストで示し、多重定義であることを表示します。which コマンドのコンテキストでシンボル名のリストから特定のシンボルを選んでも、dbx またはプログラムの状態には影響しません。どのシンボルを選んでも名前が表示されるだけです。

which コマンドは、ある symbol (この例の場合は block) をコマンド (たとえば、print コマンド) のターゲットにした場合に何が起こるかを前もって示すものです。あいまいな名前を指定して、多重定義が表示された場合は、該当する複数の名前のうちのどれを使用するかがまだ特定されていません。dbx は該当する名前を列挙し、ユーザーがそのうちの 1 つを選択するまで待機します。dbx は該当する名前を列挙し、ユーザーがそのうちの 1 つを選択するまで待機します。which コマンドの詳細については、which コマンド」を参照してください。