Oracle Solaris Studio 12.2: dbx コマンドによるデバッグ

一致しないコアファイルのデバッグ

特定のシステム (コアホスト) で作成されたコアファイルを、デバッグのためにそのファイルを別のマシン (dbx ホスト) に読み込む場合があります。この場合、ライブラリに関する 2 つの問題が発生する可能性があります。

ユーザーライブラリとシステムライブラリは、パッチや主要な Solaris オペレーティング環境のアップグレードで変更できるため、収集したコアファイルで dbx を実行する前にパッチをインストールした場合など、この問題が同一ホストでも発生する可能性があります。

dbx は、一致しないコアファイルを読み込むと、次のエラーメッセージを 1 つ以上表示することがあります。


dbx: core file read error: address 0xff3dd1bc not available
dbx: warning: could not initialize librtld_db.so.1 -- trying libDP_rtld_db.so
dbx: cannot get thread info for 1 -- generic libthread_db.so error
dbx: attempt to fetch registers failed - stack corrupted
dbx: read of registers from (0xff363430) failed -- debugger service failed

共有ライブラリ問題の回避

Procedureライブラリ問題を回避し、一致しないコアファイルを dbx でデバッグするには、次の手順を実行します。

  1. dbx 環境変数 core_lo_pathmapon に設定します。

  2. pathmap コマンドを使用して、コアファイルの正しいライブラリの配置場所を dbx に伝えます。

  3. debug コマンドを使用して、プログラムとコアファイルを読み込みます。

    たとえば、コアホストのルートパーティションが NFS を介してエクスポートされており、dbx ホストマシンの /net/core-host/ からアクセスできると想定した場合、次のコマンドを使用して、プログラム prog とコアファイル prog.core をデバッグのために読み込みます。


    (dbx) dbxenv core_lo_pathmap on
    (dbx) pathmap /usr /net/core-host/usr
    (dbx) pathmap /appstuff /net/core-host/appstuff
    (dbx) debug prog prog.core
    

    コアホストのルートパーティションをエクスポートしていない場合、手動でライブラリをコピーする必要があります。シンボリックリンクを再作成する必要はありません (たとえば、libc.so から libc.so.1 へのリンクを作成する必要はありません。ただし、libc.so.1 が利用可能である必要があります)。

注意点

一致しないコアファイルをデバッグする際に、次の点に注意してください。